ドラえもん大晦日“生放送”スペシャル | ねたばれ評論家

ドラえもん大晦日“生放送”スペシャル


ドラえもん3時間がお決まりだった大晦日の『ドラえもん』が2時間に短縮。しかも生放送。司会には久本雅美、ゲストにはコピーロボットいらずの“ザ・たっち”。そして“中川翔子”こと“しょこたん”が・・・逆か。上手な絵を披露した しょこたん は某アニメ番組で原画を書いてましたね。飛び入りでアフレコに参加することはあっても原画を描くなんて。笑福亭鶴瓶とロンブー淳も途中参加。明らかに番組の宣伝に来ただけですが。そういえば数年前、この2人が出演していた年越し番組の中で『宇宙船サジタリウス』が出てきたのは意外でした。「史上最大のひみつ道具コンテスト」は電話投票の結果、チームテレビのアレが最優秀作に決定。ネット投票だったら違う結果になったかも。“欲しいひみつ道具ベスト30”では流行語大賞にもなった「ドラバウアー」「イナバウアー」の荒川静香ほか芸能人・著名人がVTRで出演。映像が無い道具は“のぶえもん”のものが使われていました。大晦日の番組の中、映画の予告編で流れる主題歌が「ソバ煮て~♪ソバ煮て~♪」なのは狙い通り?

それにしても時間が短いだけじゃなく内容も薄いように感じたのは『みんなのうた』と同時に視聴していたせいだけでしょうか。本編が長編とはいえ「ノビタマン」の1本だけだとは思いませんでしたよ。再放送でもやればいいのに。その昔、高田純次が司会の『クイズ面白テレビ』の中で毎回「ドラえもんクイズ」というコーナーをやったりしてバラエティー番組の中に『ドラえもん』を取り込むようなことはしていましたが、『ドラえもん』がバラエティー化したり他の番組の宣伝媒体になってしまうとは。久本雅美はこの『クイズ面白テレビ』のレギュラーだったので『ドラえもん』とはまんざら縁が無い訳でもないんですよね。ちなみにこの番組のエンディングテーマはKANの「愛は勝つ」でした。この頃既に『ドラえもん』の視聴率は頭打ちだったんですね。一時的な視聴率を気にして番組構成をあれこれ変えるよりも本編の作り方を今一度見直してもらいたいものですが。

のび太「正義のスーパーヒーロー 行け!ノビタマン」

一時間近く経ってからようやく本編。宇宙救命ボートで着いた星には危険な生物が。どう見てもピンク色のキッコロです。しずかちゃん、スネ夫、ジャイアンにそっくりの悪役(?)3人組が登場したり色々アレンジされていますね。原作を膨らませるのはいいのですが、どうも原作ではやらないだろうなっていう同人っぽいものになってしまったり、時間稼ぎみたいになってしまうことが多いんですよね。のび太たちが正体を隠すのも理由だけ聞けば納得出来る変更ではありますが、普通にバレるのではないかと思うのですが。絵や動きに関しては、引力が弱いとはいえギャングを殴ったり蹴飛ばしたりしたときのパンチやキックにはもう少し重みが欲しいところ。リリアンがブーデの指に噛み付くところも、噛み付いたカットと痛がってるカットの間に一緒に描いた絵を一つ入れるだけで大分違うと思うんですけどね。ミサイルの場面など凝っている部分はあるものの、それ以前の基本的な見せ方に不満が多い。2007年も痒いところに手が届かないもどかしさを感じながら『ドラえもん』を観ることになりそうですが、改善されることを願って気長に待ちますよ。


「マグロ! ご期待ください」