N1803G-278 | 小说党654216のブログ

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第十七話 棺桶その二

「人間も他の動物も毒には弱いからね」
「はい、ですから」
「僕達は別だけれど」
 言いながらヒョウモンダコの水槽に手をやるのだった。するとそのまま水槽のガラスを通り抜けて蛸を掴むのだった。
「噛まれたよ」
「どんな感じかしら」
「ちょっと痛いね」
 女の問いにこう答えるだけだった。
「それだけだよ」
「我々にとっては何ともありません」
 老人そんな子供の様子を見て微笑んで話すのだった。
「どのような毒でも」
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「我々は人間とは違う」
 ここで男もまた口を開くのだった。
「だからだ。何ともないのだ」
「逆に言えばだ」
 青年は相変わらずその毒々しい蛙達を見ながら話す。
「人間にとって何ともないものでも我々にとっては毒となる」
「そうなのよね」
 女は今の青年の言葉に苦々しい顔になった。
「残念なことにね」
「まあそれは仕方のないことです」
 老人はここでも笑顔であった。
「人には人の、魔物には魔物の苦しみというものがありますから」
「そういうもだね。そういえばさ」
「どうした?」
「うん、また来てくれたらしいよ」
 子供は笑いながら青年に対して話すのだった。
「またね。僕達の仲間がね」
「初耳だけれど」
 女はそれを聞いてその目を顰めさせずにはいられなかった。
「その話。今聞いたわよ」
「あれっ、言わなかったっけ」
「いいえ」
「俺もだ」
「俺も今聞いた」
 そしてそれは女だけでなく男も青年も同じであった。やはり彼等もまた今の子供の話ははじめて聞くものであったのだ。聞いたのははじめてなのだった。
「それはな」
「聞いたばかりだ」
「私もです」
 老人もそうなのだった。このことについては。
「六人目ということですか」アクセサリー 腕時計
「うん、今日本に来てくれてるそうだよ」
 子供は仲間達が皆知らないことをさらに話すのだった。自分だけが知っていてそれを説明しなかったということは今はどうでもいいと考えているのだった。
「この国にね」
「全く。そんな大事な話を何故してくれないのかしら」
 女はそのことが不満で仕方なかった。
「けれどいいわ。それでも来てくれるのね」
「うん」
 それは事実なのだという。少なくとも子供は言うのだった。
「そうだよ。六人目の仲間がね」
「問題はそれが誰かということですが」
 老人は今度はミノカサゴを見ていた。そのヒョウモンダコから少し離れた水槽にいるその異常に針が出ている魚を見ながらの言葉だった。
「六人目は」
「そこまでは僕もわからないけれど」
 子供の言葉はここでくぐもったものになってしまった。
「けれど来てくれているのは間違いないよ」
「そうか」
「そうだよ。それでだけれど」
 また仲間達に話す子供だった。
「今度は任せる?彼か彼女かもわからないけれど」
「いや、俺も行く」
 ところがここで青年が名乗りをあげてきたのだった。
「俺もだ。魔物を出させてもらう」
「あれっ、昨日グールを出したのに?」
「それでもだ。また行かせてもらう」
 こう話すのだった。