■コード進行
Key=E Major
【A】 空飛ぶ羽は~
E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E
E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E
E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E
E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E E F#m7 Eadd9/G# A Bsus4 E
【B】 重力が眠りにつく~
E/G# A Bsus4 C#m E/G# A Bsus4 C#m
E/G# A Bsus4 C#m E/G# A Bsus4 Bsus4
【C】もう少しで運命の向こう~
C#m A E C#m A Bsus4
【D】夢に僕らで帆を張って~
E/G# A E Bsus4 C#m A E/G# E B
E/G# A E Bsus4 C#m A E/G# B
A E/G# Bsus4 C#m A E/G# Bsus4 C#m
A E/G# Bsus4
■解説
空前絶後の大ヒットを記録した「君の名は」から3年,満を持して公開された「天気の子」。
今回は,その中から「グランドエスケープ」を解説していきます。
①EMajorと映画の相性は抜群
それぞれの調から受ける印象は人それぞれだと思いますが,私は,大まかに,♯系調=爽やか,繊細,♭系調=力強い,のように感じます。
そして,その#系調の中でも,E調は♯が4つあり(F,C,G,D),華やかさ,煌びやかさも兼ね備えています。
この曲が劇中で流れるのは,青い空と白い雲をバックに,帆高と陽菜が狂った現実から「グランドエスケープ」するクライマックスのシーン。爽やかで華やかさもあるEMajorとの相性はこの上なく抜群です。
実際には,ギターの開放弦(E調だと1,6弦のEが使えます)やボーカルの音域(最高音はBなので女性ボーカル曲としてはやや低め,歌いやすいです)との関係かもしれませんが,EMajorの選択はベストだったと思います。
②RADWIMPSらしさはコードにあり
ノンダイアトニックコードは一切なく,コード進行としては至ってシンプル。
ドミナントのBが,ほぼ,D#を省いたsus4の形で登場することもあいまって,ソリッドで爽やかな印象を受けます。
特徴的なのは曲のいたるところに見られるE/G#(Eadd9/G#)。
トニックのEを転回させたものですが,根音のG#によってG#mがちらつくため,メジャーなのかマイナーなのか分からない,独特の憂いを帯びたコードです。
RADWIMPSはこのコードを好んで使う傾向があります(「愛にできることはまだあるかい」など)。
そして,特に【B】のE/G# A Bsus4 C#mのような上昇型のクリシェで使われてることが多く(最後の C#mはEが使われることもあります),自然に高揚感が感じられます。
③ゲストボーカル起用の効果
三浦透子さんの少し切なく透明感のある歌声は,この曲にとてもマッチしています。
ゲストボーカルの三浦さんが歌うことで,「RADWIMPSらしさ」の説得力がより増しているような気がします。
■まとめ
これらの点から,グランドエスケープは天気の子の中でもひときわ印象的な楽曲であると思います。
今後,フルバージョンが発売されるとのことで,どのようなアレンジとなっているのかとても楽しみです。