ひさびさのブログ記事ですが、我が家に嬉しい出来事がありました。


先日日曜日、息子がライオンズクラブ主催の英語弁論大会に参加しました。


今回は「友情」がテーマで、英語に自信のある生徒たちが緊張しながらも「友情」について様々な経験、思いを英語で伝えました。


県内トップの進学高の生徒から、商業、工業といろんな高校から17名参加しました。


上位入賞者3名には、ライオンズクラブから来年、交換留学生として海外に派遣されます。


二位、三位はマレーシアと決まっていて、優勝者だけ行きたい国、どこでも一つ選んでいいということでした。


もちろん、旅費、宿泊費すべてライオンズクラブ持ちだそうです。




今回、息子は参加するにあたり、「中学のころから、ホームステイをしたいと望んでいたけど、うちは経済的に実費でホームステイなんて無理だし、今の僕には、こういった企画でしかホームステイできないと思う…だから、今回参加することは、僕にとってチャンスだと思う。」と話してました。



そんなこと言われると、親として申し訳ないな…と思いましたが、上には上がいるんだし、上位入賞なんて…でも、挫折もいっぱい経験して、現実の厳しさを学んでたくましく育ってくれれば…何事にも挑戦すればいい…という思いでした。




審査の加点は、発音・抑揚はもちろんのこと、内容・態度も加味されます。



どのような内容にするのかは、息子にとってあまり苦労はなかったようです。

なぜなら、実体験をそのまま伝えると決めていたからでした。




「友情」…をどのように息子は伝えようとしているのか…


日本語で文章作成し、英語に文作する作業を経なければなりませんでした。


5分間のスピーチで要点をまとめ、いかに聴衆者の心に訴えるか、15歳の子には難しかったと思います。


先生方の協力もあり、内容は大変よくまとめられていたと思います。



先生方も苦労したのは、英語にない言葉をどのような言葉で表現するかという点だったと思います。


たとえば、「私生児」という単語を英語でどの単語を使って文にするかとか、「貧乏の家の子」など…



スピーチの練習も放課後学校に残ってネイティブの先生たちと毎日練習していました。


家に帰ってきても、ネイティブの先生が原稿を読んでくれた録音を聴きながら反復練習したりと…。



息子なりに努力はしたと思います。

あとは練習の成果を、当日悔いのないように精一杯やりきってくれればと願うだけでした。



迎えた本番当日、やはりみんな自分の意見をしっかり持って、自分の経験を通して友情とは…を語ってくれました。


みなさん本当に健全なご家庭でのびのびと成長し、素晴らしい両親の元で育っている子たちだなと、みなさんのスピーチから感じました。


親からホームステイを勧められ、海外で経験した外国の子との友情や、部活を通して得た仲間との友情、

耳に障害を持っているため、健常者の子たちとのコミュニケーションをどのように取って友情を得てきたか…さまざまな背景を持った子たちの爽やかな経験からくる、素晴らしい英語でのスピーチでした。


みんな「青春」が前面に現れた爽やかな内容でした。



それとは違って…


うちの息子の経験…


内容…



みんなの内容と比べると、かなり異質でした…



どうしよう…


私は不安で不安で仕方ありませんでした。



息子のスピーチの内容を日本語に訳すと、このような内容でした。



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見失っていた真の友



「真の友」とは何か?」

それは、困難の時に互いを支え、助けを差し伸べることができるのが「真の友」であると僕は長い時間を経て気が付きました。


16年間、僕は友情がどんなものであるのか理解できませんでした。

そのかわり、たくさんの裏切りを経験しました。


僕は「友情とは何か?」について考えることに多くの時間を費やし、本当の友情を求め続けました。


 友情とは何でしょう…?


それを見つけ出すことは簡単なことではありませんでしたが、僕は諦めませんでした。

困難を通して、僕は友情について本当の意味を見つけることができたのです。



僕が幼い頃、僕にとって友は必要ないと感じていました。


僕の家庭環境ゆえに、僕はクラスメイトの誰からも受け入れられず、いつも一人ぼっちでした。


彼らは僕のことを「父なし子」や「貧乏の家の子」と呼び、その言葉は非常に僕を悲しませ、傷つけました。


僕はクラスメイトを憎み、そしてこのような境遇に僕を生んだ母をも恨みました。


しかし、母は結婚し、僕に義父ができました。


義父は僕を温かく世話してくれることで、僕の傷ついた心は癒されていきました。



そんな時、僕はついに、安心して全てを打ち明けることのできる友人を見つけることができました。



僕と彼との関係は最初は非常に良かったのですが、いつしか彼は僕に「俺の父の愛は本物だけど、お前の父親の愛は本物じゃない」と言うようになり、僕は彼が何故そのようなことを言うのか理解できず、彼に裏切られたと感じていました。



そのような残酷な時間を過ごす中で、ほかの友達は、僕の状況を理解しようと努め、傷ついていた僕を励まし、支えてくれました。


それまで僕は多くの友人に気遣われ、多くの友人に囲まれていた事に気づいていませんでした。


彼らは僕に「僕たちを頼っていいんだよ。僕らは必ず君を支えるから」と言ってくれました。


彼らの言葉に僕はすごく安心しました。

そして僕も、誰かから頼られる、誰かを支える人でありたいという願いを持つようになりました。


アメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントンの言葉に「真の友情はゆっくり成長する植物である。友情と呼ぶにふさわしいところまで成長するには、度重なる危機にも耐え抜かなければならない。」とあります。


僕は、いじめや差別に苦しんでいる人と、彼の言葉を共有したいと思います。

そして、僕はぜひ付け加えて言いたいことは、「あなたは決して一人ではない。あなたの友達は、あなたを支え、あなたに希望を与えるでしょう。」と。


僕は厳しい状況の後に本当の友達を見つけました。


友達と苦難に耐え、お互いを理解することを通じて、真の友情を見つけることができます。



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息子のスピーチを聞きながら、「そうだったな…そんなこともあったな…悲しい思いをさせたな…傷ついて一人で泣いていたな…」と、いろんなことが昨日の事のように思い出されて目頭を熱くしました。


確かに、今回参加された子たちとは、異色の経験を息子は語っていました。


学生らしい爽やかさがある内容か…?と言えば、そうではありません。



でも、息子なりにベストは尽くしたと思います。

後は結果を待つのみ…



そして結果発表…


6位から発表され、5位、4位、3位と順番に発表が続き、息子の名前はその時点まで呼ばれませんでした。


2位…息子の名前ではありませんでした。


そして1位…



まさか…



息子の名前が呼ばれたとき、思わず体がビクンと椅子から飛び上がりました。


私の中で一瞬空白の時間が数秒あったのですが、息子がステージに上る後姿を見て、いろんな事が思い出され声を震わせ泣きました。



今年の初めに、あんなに行きたかった志望校を落ちて、悔し涙して落ち込んでいた子が、今は自分の夢を自分の手で勝ち取ったんだ…と思うと泣けてきて泣けてきて…


ライオンズの会長からトロフィーを手渡され、硬い握手を交わし、会長が何か息子に声をかけていました。

息子は笑顔で応え、ステージから降りようとしたとき、会長から呼び止められ、二人笑顔で記念写真。


白い歯をのぞかせ、微笑む息子の顔は、親の私が言うのもなんですが、本当にハンサムでカッコよく見えました。


大会終了後、上位入賞者と父兄は別室に呼ばれ、海外派遣の説明を受けました。


1位は、どこでも行きたいところをと言われたのですが、息子が一番行きたがっていたイギリスは年齢が不足とのことで諦めました。


イタリア、クロアチア、オーストリア方面を考えているようです。



ありがたいことに、現地のライオンズ会員がホストファミリーとして迎えてくれるらしく、安心して預けることができるばかりか、旅費、宿泊費、お小遣いまですべてライオンズが負担してくださるとのこと。


「お母さんは保険代とパスポート代だけご負担願います。」と説明受けた時は、本当に何もかもが信じられませんでした。


周りの方たちの協力を得て、行かせて頂くことに本当に感謝して、この経験を将来に役立ててほしいと願うばかりです。



本当におめでとう。


お前はお母さんの誇りです。