そうキミに伝えた翌日、ふたりのベイビーがいなくなった。
一緒に帰ろう。
そう伝えた翌朝、キミは旅立ってしまった。
それからの5年間。
ボクは現実なのかわからない世界で、ただ絵を描き続けているだけだった。
5年間。
これはきっと悪い夢を見ているんだ。
5年間。
いつも声は聞こえているよ。
いつもキミの笑顔はみえているよ。
毎日想わない日はないよ。
5年間。
キミと出会って、一緒に過ごした時間よりも、キミがいない時間の方が長くなってしまったよ。
5年間。
どうすればキミのトコロヘ行かれるかばかり考えていたよ。
5年間。
でもね、ホントにたくさんの人がキミのことを大切に思っているんだと知ったんだ。
5年間。
そして、たくさんの人が笑顔になるチカラをくれたんだ。
5年間。
キミがくれた、絵との時間。キミが気づかせてくれた時間と人。
もう5年なのか。
まだ5年なのか。
そして…
ごめんよ、ボクはまだ隣には行かれないかもしれない。
もう少しだけキミに、描いた絵を見てほしんだ。
キミが見られなかった時間と風景をこれから見せてあげたいんだ。
キミがもう十分だよ、と思ってくれた時、その時隣に連れて行っておくれ。
次の5年間。
Five Years.