子(いわく、道にこころざし、徳にり、仁にり、芸にあそぶ。


「人として正しい道を踏み行なうよう心掛けなさい。そして人格(徳)を磨きなさい。徳の実践はすべて仁をより所としなさい。その上で豊かな教養を身につけ悠々と生きる。これが人生の王道だ」と。


「人格者たらんと志を持ち、道徳に従い、仁の心に従い、技芸を楽しみなさい。」


子曰、志於道、據於徳、依於仁、游於藝。

学而第一 007


子夏(しか)いわく、けんけんとしていろえ、父母ふぼつかえてはちからつくし、きみつかえていたし、朋友ほうゆうまじわり、いてしんらば、いままなばずとうといえども、われかならこれまなびたりとわん。


易の色は賢々として周囲に応じて変わるものという古語がある。これは人間が、父母に仕える時には(孝子となって)その力のある限りを尽くし、君に仕える時には(忠臣となって)その身体すらも捧げ、朋友と交わる時には(親友となって)言った事には責任をもつことの譬えである。このような人は、もし学問したことがないと世間から見なされていても、私ならば、そういう実践こそが学問で、この古語の意味を真にわきまえた人だと断言して憚らない。


子夏曰、賢賢易色、事父母能竭其力、事君能致其身、与朋友交、言而有信、雖曰未学、吾必謂之学矣

 

学而第一 006


子曰く、弟子(ていし)、入りては則ち孝、出でては則ち悌、謹みて信あり、汎く衆を愛して仁に親しみ、行って余力あれば則ち以て文を学べ。


家庭では孝行に勤め、社会では目上の人を立てて、細かいことに気をかけて、言ったことの約束を守り、多くの人々と接している中で誠実な人を選んでお付き合いしなさい。もしこうしたことが実践できて、なお余力があるならば、書物を読みなさい。



私は28歳のときに、この言葉に出会いました。


アメリカ帰りで、ちょっと実力主義かぶれの、マイスタイルを貫いていた頃です。


とある年配の会社役員の方と恵比寿で待ち合わせする予定がありました。私は結果的に「5分」遅れてしまいました。というのも海外にいた頃や、外資系に勤めていた頃は、みんな時間にはとてもルーズで、フリースタイルがかっこいいという時代の流れもありました。


色んな言い訳はあるのですが、「言ったことの約束」を守れなかった事実は事実です。


その後、商談はパーとなり、その方だけでなく、関係者にまでご迷惑をかけてしまいました。すぐに細かいことに気をかけてすべて謝礼のお手紙を書き、誠実に対応したところ、その方も許してくださいました。


ここは日本です。


自分の考え方は色々あるでしょうが、立派な会社役員の方々とお付き合いし、将来は自分が仕事を引っ張ったり、人に何かを教える立場になるならば、故事の言い伝えを真似てでも、日本流を大切にして、今の自分の弱さを認めていかねばなりません。


~挿入:昔の真似る話~

原文

子曰、弟子入則孝、出則弟、謹而信、汎愛衆而親仁、行有余力、則以学文



学而第一 005


子曰く、千乗の国を道むるには、事を敬みて信あり、用を節して人を愛し、民を使うに時を以てす。


子曰く、諸侯の国を治めるには、できるだけ事業をひかえめにして公約を守りを節約して租税を安くし、人民を力役に使うには農時を避けるのが大切だ。


子曰、道千乗之国、敬事而信、節用而愛人、使民以時

学而第一 004


曽子曰く、吾(われ)日に吾が身を三省(さんせい)す。

人の為に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。朋友(ほうゆう)と交わりて信ならざるか。習わざるを伝うるか。


自分は毎日何度も自分のしたことを反省する。人の相談にのってあげて誠意を尽くしたか、友人と交際していい加減なことを言わなかったか。知ったかぶりをしなかっただろうか。



僕は「吾日に吾が身を三省す」についてを、29歳のお誕生日会スピーチで初めてお話しました。


21世紀版~後継経営者のススメ~

正直初めて帝国ホテルのラウンジを借りて、自分の友人だけを呼んだ親密なパーティーをしたいというコンセプトが実現したパーティーであり、一生付き合えるご縁の深い友人を繋いでいこうと自ら挑戦したパーティーでありました。


当時、僕は「論語に学ぶ」(安岡正篤・著)を読んで結構感動し、「三省」については特になるほどと思ったことがある。それは、省くという字には3つの考え方があります。


過去を省みる(かえりみる)

自分の過去を振り返り、様々な失敗をしながらも何が自分の生きるテーマなのかを考える。


②現在を以て付き合う友人を省く(はぶく)

自分がお付き合いできる友人の人数にも限りがあるので、ご縁の少ない人はばっさり削除する。(時々、Mixiやフェイスブックでお友達を制限します~という人もいるが、そこまで過剰じゃなくてもよいかな)


③未来のために生きる

自分の身を軽くすることで、やらなきゃいけないことが少なくなるから、やりたいことをする時間ができます!


他人からしたら、僕が友人を選ぶ権利があるのか?とか、友人が役に立つかどうかを一方的に決めるのはどうだろうか?と非難されることはあるかもしれないが、実際こうやってみて、「ANDYと一生楽しみたいよ~」と言ってくれる友人は増えたけど、「ANDYとは付き合いたくないなぁ」と面と向かって言われることは幸いありませんでした(汗)


21世紀版~後継経営者のススメ~


これは3年前のパーティーですが、今年もこの時にご招待した友人はほとんどお付き合いさせてもらっています。


厳しい言い方ですが、人としての社会レベルも問われると思います。


人に対して嫉妬する、攻撃する、巧言令色に対して意識が低すぎる(ある意味ダサい人)は、場を知らない人になります。この機会を通して、僕は人生の大先輩や、経営の大先輩の立ち振る舞いをたくさん勉強させて頂きましたし、今や大活躍の有名経営者さんも当時よりお付き合いさせて頂いていますが、人として仲良くさせてもらっています。


僕はその中でも「美男美女を集める」がテーマです。



それはルックスだけでなく、それこそ、内面もあり、夢の大きさもあります。そのレベルが高いと、「ANDYのパーティーに来るとほんとに素晴らしい人ばかりに出会えるね!」と言ってもらえるし、私自身はもっともっとみんなによい友人を共有してもらいたいと心から思えるんです。


そんな友人が一堂に介したスピーチ。


「吾日に吾が身を三省す」を5分スピーチで参加者へ印象付けるため、最初はどれほど練習したか(笑)


みなさんもそんな場を作って哲学講義を実践してみてはいかがでしょうか?


曽子曰、吾日三省吾身、為人謀而忠乎、与朋友交言而不信乎、伝不習乎


21世紀版~後継経営者のススメ~