Camino Journal ~9月25日~
ロスアルコス ~ ログローニョ
午前7時前、ロスアルコスのアルベルゲを出発。音一つ
なく、静寂に包まれた路地がナトリウム灯に煌々と照ら
されている。外灯でライトアップされているカテドラ
ルが何とも幻想的。
石の門をくぐると市街地が尽き、道は漆黒の平原へと延
びます。頼りになるのは私のLEDのヘッドライトのみ。
30分ほどするとやがて背後から夜明けの予感が。また
カミーノの一日がはじまります。
8kmほど歩くと、トレス・デル・リオという村に着き
ます。村から先のカミーノは現在工事中で、巡礼者は2
kmほど国道N-111を迂回することになりました。
トレス・デル・リオへと歩く巡礼者
朝日を浴びるトレス・デル・リオ全景
村を抜けると、道は丘陵地帯のゆるやかな登り道になり
村を抜けると、道は丘陵地帯のゆるやかな登り道になり
ます。相変わらずゆったりと流れる空気、優しく吹く風…
ああ、今日も思う存分カミーノ時間を満喫できそうだ。
この先、カミーノはN-111と絡み合うように丘陵地
帯を登っていきます。
本日最高地点の尾根を横切ると目の前がぱーっと開けま
す。6km先のヴィアナの街、そしてはるか彼方には今
日の目的地ログローニョの都影がうっすらと確認できま
した。松の林を縫いながら丘陵地帯を下ると、道は国道
に合流します。この後約3km、ヴィアナまでは国道脇
を歩くことに。
松の林を縫う道
豊穣の大地
大地を縫う道
国道を歩く
「追い越し可能」の道路標識
ちなみに「追い越し禁止」はこれに斜線が入っています
昼前、ヴィアナの街に到着。ここのメインストリートに
もバルが何軒かあり、巡礼者や地元の人たちで賑わって
いました。私もここで一休み、いつものようにサンドイ
ッチをほおばりました。
ヴィアナから先は再びのどかな風景が広がります。しか
しラ・リオハ州の一大都市ログローニョに近づくに連れ、
少し離れたところを並行する国道には慌ただしく走る車
の様子がわかります。ほか、山を削ってのバイパス工事
など、都市部近辺独特の光景がちらほらみられます。カ
ミーノ沿道には所々で休憩する旅人の他、この日はキャ
ンピングカーでヨーロッパを周遊しているイギリス人夫
妻にも会いました!
ナバラ州からラ・リオハ州に入る手前では渡り鳥の飛来
地でもあるパンタノ・デ・ラス・カニャス湖のほとりを
通ります。この後国道に合流し、ラ・リオハ州に入りま
す。バイパス工事を横目に丘陵地帯を登っていきます。
最高地点からはログローニョを一望!
ここからラ・リオハ州!
丘陵地帯を下り、エブロ川のほとりに出ます。ここで愉
快なフランス人の一行と出会いました。中でも一番元気
なのが72歳になるという男性。私は年齢を聞かれ、答
えると、「20代かぁ~まだまだ子供じゃのうハハハハ」
と大笑い(笑)会話に花を咲かせているとあっという間
にログローニョの市街地へと入っていきました。
エブロ川とログローニョの街
エブロ川を渡った後、カミーノは右折し、町中を通る石
畳道となります。道標に従い、左折したところが本日の
アルベルゲ。玄関口に大勢の巡礼者が並んでいます。当
アルベルゲは午後2時になるまで開かないとのこと。列
の中に韓国人の親子3人を見つけました。「やあ、久し
ぶり!」と声を掛け合う私たち。しかし、キム・ジホン
の姿が見えない。彼はさらに8km先の街を目指してい
ったとのこと。
ようやくアルベルゲが開き、荷物を置いてシャワーを浴
びた後、韓国人の親子とログローニョの街へと繰り出し
ました。娘さんの名前はヨウニーといい、カナダ留学を
していたという彼女は英語が堪能。年も私とあまり変わ
らず、話しているうちに趣味や恋愛観などの話に発展し
ていきました☆
ログローニョの街を縫うカミーノの石畳
ログローニョの大聖堂
町中のカフェテリア
名物! ワイン噴水!!
この日の夜は、リオハの収穫祭であったため、夜通し街はお祭り騒ぎでした。夜中12時を過ぎたころは花火がひっきりなしにドンドンとあがり、アルベルゲ周辺は何千何万人という群衆がひっきりなしに行き来し・・・と、睡眠どころではありませんでしたが、情熱の国スペインを体感できるなかなか貴重な時間でした。心地よい“睡眠不足”のまま、次の日も元気なカミーノの旅は続いていきます☆