『 食堂かたつむり 』 | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

食堂かたつむり (ポプラ文庫)/小川糸
¥588
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 うーん、面白かった!


 ひさびさにツボにはまる、いい小説を読んだように思います。


 これ、今映画が上映中なんですよね。


 私の珈琲の配達先に、郊外の小さくて素敵な紅茶のお店があって、そこの上品な女主人が、


 久し振りにいい日本映画を観た

 食に関わる仕事をしているアナタも、観て損はない


と太鼓判を押した映画だったので、気になっていたのですが、定期購読しているカフェの雑誌を受け取りに行った本屋さんで文庫本を見つけたので、買って一気に読んでしまいました。


 なるほど~


 コレ、この食堂、実現は不可能…というか、採算が取れないとは思います。

 主人公の年齢設定的にも、それはちょっとまだムリやろう…って感じもあります。


 だけど、真ん中はしっかりと捉えてるんだよなあ。



 先日、小学校のおかあさん学級でハンドドリップの講習をした時に、


 珈琲を美味しく淹れるコツは、美味しくなあれ! と全身全霊で気持ちを込める事


という、新聞の記事で見事省かれた部分、私が死んだ師匠から一番最初に教えられた部分を強調してようやく気がおさまったのですが、結局そういう事なんだろうと思います。



 そして、それは、なかなか普段から出来ないんだよなあ・・・。



 ホントひっさしぶりに小説読んでポロポロ泣きました。


 エルメスという名の、ブタが登場します。



 ああ、仕事頑張ろうっと。


 この小説、オススメです。


 なんといいますか、


 うああ、そうだよ、オレの珈琲を、みんなが飲んでんだよな


という、いまさらながらのコトの重大さに、背筋が冷たくなる気分でもあります。