こんばんは、いぬっころです
3年契約で、移籍金は30万ユーロ(約4千万円)。SDエイバル史上最大の移籍金とのことですが、チームの期待がうかがえます。
一方、アイントラハト・フランクフルトにとっては、120万ユーロでボーフムから獲得した選手を1/4でしか売却できず、大損害ですが、それでも移籍を認めてくれたチームに感謝しないといけませんね。
ちなみに入団会見での第一声は、地元の言葉(カスティーリャ語とバスク語)でなされたようです
さて、乾貴士のスペインでの飛躍の課題は、Sportivaの記事に書かれているのが、世間の大方の見方も同様かと思います。
「無名の選手でも、めっちゃうまい」
日本で技術レベルの高さは折り紙付きとされていた家長は度肝を抜かれ、ほぼ通用しなかった。高いインテンシティの中で技量を出すという点で、日本人は拙(つたな)い。それはコルドバ時代のハーフナーも同じで、クロスを待つだけでマークを外す動きを怠り、長所を出せなかった。
リーガでは高いスキルと戦術眼と連係がそれぞれ欠かせない。敵味方のプレーを読み取る、まずはその力量が試される。どれだけ走り回っても、呼吸が合わなければボールは出てこない。ピッチに立てる選手はプレーヤーの癖を読む能力に長け、判断が臨機応変、柔軟に相手の裏を取れる。
では、乾はリーガで実力を発揮できるのか? 共著『日本サッカースカウティング127選手』(東邦出版)で、スペインでも指折りのスカウティング力を持つと言われるミケル・エチャリが、興味深い記述をしている。
「乾貴士。左のサイドアタッカーで右利き。基本的なボール技術が非常に高く、軽妙なドリブルが最大の特長。右足アウトサイドでボールを突きながら前に出ていくドリブルは、スピードの中にフェイントを織り交ぜ、相手を悩ます。そこからのパス、シュートのイメージも常に持つ。膠着状態に陥った試合の流れを変える、という役目ならば貴重な存在。
しかしドリブルは一本調子になりがち、90分間を通してだと諸刃の剣にもなり得る(ショートカウンターを浴び、プレーテンポを悪くすることも)。ドリブラーにありがちな“自分一人で問題を解決しよう”という焦りも垣間見える。外から中に切り返してのドリブルでシュートの形やリズムに固執し、能力の高いディフェンダーには読まれてしまう。ドリブルがアピールポイントなのは否定しないが」
エチャリはバスク代表(FIFA非公認)監督でもあり、地域の特性を知り尽くしているだけに、その言葉は重い。90年代にはエイバルを監督として指揮。バスクの雄、レアル・ソシエダで20年近く強化や育成に関わってきた人物で、その眼力の高さはかつてジョゼップ・グアルディオラが真っ先に戦略スカウトとして打診したほどだ。
乾には選手としての引き出し、スキルを使う知性が要求されるだろう。
単刀直入に言えば、フランクフルト時代のままでは歯が立たない。単純なボールスキルの高さはチームでも上位を争い、最初の見栄えは良いだろう。しかし、相手は今の乾を止める手立てをすぐに見つけてくる。そこで連係によって崩せる幅の広さが必要だが、語学力の問題もあって信頼関係構築には時間を要する。そもそもスペイン人は言葉のコミュニケーションが取れないアジア人をあからさまに軽視する。この“差別”も、スペインで日本人が苦しむ理由の一つなのだ。
単純なドリブラーとしてしか筆者は乾貴士を見ていないし、実際、ドイツでの4年間は、そういわれても仕方がないプレーが目立ちました。
しかし、乾貴士のプレーの本質は、セゾン~野洲高校~セレッソで培った「連携」「呼吸」「相手の裏を取る」だと、私は思っています。
ドイツでの4年間は、この特長が錆びてしまったようにも見えます。
スペインのサッカーに揉まれる中で、乾貴士本来のプレーがきっと蘇ると信じて、応援したいと思います。
3年契約で、移籍金は30万ユーロ(約4千万円)。SDエイバル史上最大の移籍金とのことですが、チームの期待がうかがえます。
一方、アイントラハト・フランクフルトにとっては、120万ユーロでボーフムから獲得した選手を1/4でしか売却できず、大損害ですが、それでも移籍を認めてくれたチームに感謝しないといけませんね。
ちなみに入団会見での第一声は、地元の言葉(カスティーリャ語とバスク語)でなされたようです
さて、乾貴士のスペインでの飛躍の課題は、Sportivaの記事に書かれているのが、世間の大方の見方も同様かと思います。
「無名の選手でも、めっちゃうまい」
日本で技術レベルの高さは折り紙付きとされていた家長は度肝を抜かれ、ほぼ通用しなかった。高いインテンシティの中で技量を出すという点で、日本人は拙(つたな)い。それはコルドバ時代のハーフナーも同じで、クロスを待つだけでマークを外す動きを怠り、長所を出せなかった。
リーガでは高いスキルと戦術眼と連係がそれぞれ欠かせない。敵味方のプレーを読み取る、まずはその力量が試される。どれだけ走り回っても、呼吸が合わなければボールは出てこない。ピッチに立てる選手はプレーヤーの癖を読む能力に長け、判断が臨機応変、柔軟に相手の裏を取れる。
では、乾はリーガで実力を発揮できるのか? 共著『日本サッカースカウティング127選手』(東邦出版)で、スペインでも指折りのスカウティング力を持つと言われるミケル・エチャリが、興味深い記述をしている。
「乾貴士。左のサイドアタッカーで右利き。基本的なボール技術が非常に高く、軽妙なドリブルが最大の特長。右足アウトサイドでボールを突きながら前に出ていくドリブルは、スピードの中にフェイントを織り交ぜ、相手を悩ます。そこからのパス、シュートのイメージも常に持つ。膠着状態に陥った試合の流れを変える、という役目ならば貴重な存在。
しかしドリブルは一本調子になりがち、90分間を通してだと諸刃の剣にもなり得る(ショートカウンターを浴び、プレーテンポを悪くすることも)。ドリブラーにありがちな“自分一人で問題を解決しよう”という焦りも垣間見える。外から中に切り返してのドリブルでシュートの形やリズムに固執し、能力の高いディフェンダーには読まれてしまう。ドリブルがアピールポイントなのは否定しないが」
エチャリはバスク代表(FIFA非公認)監督でもあり、地域の特性を知り尽くしているだけに、その言葉は重い。90年代にはエイバルを監督として指揮。バスクの雄、レアル・ソシエダで20年近く強化や育成に関わってきた人物で、その眼力の高さはかつてジョゼップ・グアルディオラが真っ先に戦略スカウトとして打診したほどだ。
乾には選手としての引き出し、スキルを使う知性が要求されるだろう。
単刀直入に言えば、フランクフルト時代のままでは歯が立たない。単純なボールスキルの高さはチームでも上位を争い、最初の見栄えは良いだろう。しかし、相手は今の乾を止める手立てをすぐに見つけてくる。そこで連係によって崩せる幅の広さが必要だが、語学力の問題もあって信頼関係構築には時間を要する。そもそもスペイン人は言葉のコミュニケーションが取れないアジア人をあからさまに軽視する。この“差別”も、スペインで日本人が苦しむ理由の一つなのだ。
単純なドリブラーとしてしか筆者は乾貴士を見ていないし、実際、ドイツでの4年間は、そういわれても仕方がないプレーが目立ちました。
しかし、乾貴士のプレーの本質は、セゾン~野洲高校~セレッソで培った「連携」「呼吸」「相手の裏を取る」だと、私は思っています。
ドイツでの4年間は、この特長が錆びてしまったようにも見えます。
スペインのサッカーに揉まれる中で、乾貴士本来のプレーがきっと蘇ると信じて、応援したいと思います。