２０１１，１０月下旬、
私が一時帰国のためにカイロ空港T3へと、タクシーで向かった夜、
T3手前に、日本の「道の駅」か、「高速道路のサービスエリア」のような建物を初めて目視した。
カイロ空港T3は、基本的にはボーディングブリッジを使用するターミナルであるが、
それだけでは足りなくなり、
エジプト国内線などは、飛行機の沖止め、バス移動によるタラップ搭乗が行われている。
（尚、CAI T1はボーデングブリッジがなく、すべてタラップ搭乗である。）
移動中の車内からほんの数秒見たその建物には、
「シーズンなんとか・・・」
というアルファベットの電飾文字が浮かんでいた。
もしかすると、T3に、団体専用のターミナルが出来たのか？
という疑問を抱いた。
T3の到着フロアの車寄せはそれほど広くなく、団体用バスの停車スペースが不足気味なのである。
しかし、その後、
カイロ空港到着掲示板
http://www.cairo-airport.com/flight_arrival_result.asp
を見ても、T3には、「H1」の表示しかなく、
その「シーズンなんとか・・・」の実稼働については不明であった。
同年12月にカイロに戻った（KEだったので、CAI T1到着）後、
何人かのカイロ在住日本人観光関連業従事者とも話したのだが、
カイロ空港T3に新ターミナルができたという話は出ず、
また、旅行業界のニュースサイトにも、そのような記述を見ることがなかった。
で、まあ、稼動して日本人団体客などが使いだせば、
そのうち情報も入ってくるだろう・・・と、
エジプト国内の混乱ニュースチェックなどで、すっかりその件を忘れていたのだが、
２０１２，2月下旬、
サウジアラビアのメディナから、エジプト航空にてカイロへ飛んできた人物より、
有益な新情報が、私にもたらされた。
「エジプト航空に乗ったのだが、新しくて小さなターミナルに着いた。
飛行機から降りたのは、タラップで、バスに乗ってターミナルへ移動した。
イミグレ通過前に、ビザシール販売所兼両替所があったが、
15ドルぴったりでビザシールを買って、イミグレ・税関を超えると、外側には両替所がなかった 。
宿泊予定のシェファードホテルの中には、２４時間営業の両替所（ミスルバンク）があるので、
タクシー運転手にエジプト・ポンドを持っいないことを告げて乗車し、
ホテルに着いた後、両替して運賃を支払った」
とのことであった。
どうやら、MSのサウジアラビア路線は、その謎の「シーズンなんとかターミナル」を使用しているらしい、ということが認識された。
（ちなみに、サウジアラビア航空の使用ターミナルは、スターアライアンスではないので、現在時「CAI T1」）
その情報から、さらにネットチェックをすると、WIKIの「カイロ国際空港」の英語版に新項目ができていた。
ｘ
http://en.wikipedia.org/wiki/Cairo_International_Airport
Terminal 3
Seasonal Flight Terminal
On 20 September 2011 Prime Minister Sharaf inaugurated the new Seasonal Flights Terminal (ST),
located west of Terminal 3. During the stat-up phase EgyptAir operates its daily flight to Medina from the new Terminal. All Hajj traffic of EgyptAir will move to the ST while Saudia’s Hajj flights will still operate form Terminal 1.
More destinations might be added during winter. The Terminal has an annual capacity of 3.2 million passengers with 27 check-in counters and 7 gates with a common gate and single security concept,
the first in Cairo. It is designed to handle 1,200 passengers per hour. Passengers will be bussed to remote aircraft stands around Terminal 3. The purpose of the Terminal is to ease operational strains on the existing Terminals during pilgrim seasons.
ｘ
おおざっぱにまとめると、
2011年9月20日以降、それまでターミナル１発だった、巡礼者向けの
「エジプト航空サウジアラビア メディナ」路線が、
ターミナル３の西側に新築された「シーゾナル フライツ ターミナル ST」
を使用することになる。
冬（注：エジプトの遺跡観光ハイシーズン）には、他の路線使用も可能に。
飛行機はT3周辺に沖止めされ、搭乗客はバスで移動する。
となるか。
日本人で、
MS カイロ発サウジアラビア メディナ行き路線を利用する者は、きわめて少数であるため、
現在のところ、一般個人客には疎遠となりそうな新規の「ST」だが、
今後、２０１２，４月に予定されているMS日本路線の復活後、
もしくは、MS就航地各方面から、STを使用することがあるかも知れない。
ただ・・・
その「ST」は、現在時、空港内循環バスが停車しているのかどうかは未確認で、
かつ、ガイドブックに記載されるまでタイムラグがあり、
もし、MS搭乗の個人旅行者が、そこに付けられた、または、日本行き出発がSTになった場合、
混乱したり、ぼったくりタクシーや、地元悪質観光業者と結託したタクシー運転手の餌食となる可能性もあるだろう。
2012,３月上旬現在、カイロ空港到着掲示板サイトにも「ST」もしくは「T3 H2」の表記はない。
私に「ST」の体験談を語ってくれた人物は、カイロ渡航歴が何度もあり、アラビア語も堪能な人物であったので、大きなトラブルはなかったが、
カイロ空港利用者への参考情報として、
もし、エジプト航空利用で、その、新しくて小さい、道の駅のような感じの「ST」に到着し、
タクシー運転手との運賃交渉が決裂した場合、
あるいは、公道路線バスを利用してカイロ中心部へ向かう予定の者で、青い低床式の空港内循環無料バスが来ない場合は、
「歩いてT3へ移動したほうが良い」
ということが、アドバイスとなるであろうか。
現在の空港内循環バスの運行ルートに、その「ST」停車が含まれているのであれば、
それほどの問題はないのであるが・・・。