胸を張る | かつて不倫したアナタへ

かつて不倫したアナタへ

かつて不倫して離婚した、私です

私の父のイマワの際

周りには親戚一同が集まっていた


どんどん呼吸がゆっくりになっていき

すぅーっと小さく息を吸っては

はぁーっと小さく息を吐く

それの繰り返し


そして 

何度目だろうかのゆっくり息を吸った父

その次に 息を吐く事はなかった


今まであみづき、あみづき、と私を可愛がってくれた父

離婚してもそれでも娘は可愛いんだ と

そう言ってくれていた



父が亡くなってずいぶんたってから 父の若気のいたりの話を聞いた

色んな事があったんだよ と振り返る母には

夫婦としての長い年月の重みや歴史が感じられて

私は到底この夫婦の足元にも及ばないんだなと 気づかされた


退屈 波乱 色々あれど

一緒に刻む歴史は夫婦を形づくってゆく

他所を向いたまま 来世は一緒になろうね なんてくだらない

あり得ない約束をして今生を生きる事は

自分の人生を愚弄しているんじゃないかとさえ感じるんだ


そんなに一緒になりたけりゃ 今生でなればいい

死んだら何もなくなるんだ 何もね

今生で生きる自分を何故 愚弄する


今生で一緒になる根性も勇気も覚悟もない人が

ダラダラと続ける不倫

そこに愛があるとは到底思えない

思えないよ


人として生きる道を歩くんだ

胸を張ってね 歩きたいんだ


それは時に退屈 時に平凡 
でもそれの繰り返しが 永遠になるんだ


そういう生き方 したかったな 夫婦としてのそういう歴史を

刻みたかった


・・・もう相手がいないから 出来ないや


だけどそれでも

胸を張って 生きていくんだ 胸を張れる自分でありたい


そして晴れ晴れとした道を 歩きたい



またひとつ年をとった藍海月の。

独り言です。