[元の投稿時間] 2012-04-04 18:00:00

 2012年3月1週の予想記事から始めた小コーナー、「単複を買うなら」。

 馬券の買い方の基本に立ち返ろうと始めたコーナーで、収支の安定化に一役買ってくれています。この記事では過去のレースを振りかえりながら、あのレースではどう狙うべきだったか、どう狙って上手くいったのかなどを見ていきたいと思います。


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断然の1人気馬がいる → 死角を突ける他馬の単勝
信頼できる1人気 → 相手候補へ馬連流し
上位人気が揃っていまひとつ → 人気薄狙い馬の単複
極端な馬場 → 馬場傾向に合う馬の単複・馬連流し
逃げ馬不在 → 逃げそうな人馬の単勝



---- 断然の1人気馬がいる → 死角を突ける他馬の単勝 ----

【12'阪神大賞典】
単勝 : ギュスターヴクライ(3人気1着、13.4倍)[的中]
    ナムラクレセント(5人気3着、34.1倍)

 断然の1人気はオルフェーヴル。自分でも◎◎の評価を与えるなど、この馬に逆らうのは難しそうでした。ただ、「血統・馬体とも超長距離向きではないこと、道中の位置取りで先行馬に劣ること、他馬より小柄な馬格に57.0kgの斤量を背負うこと。」(阪神大賞典・予想より)などから、付け入る隙があるとすればどの馬かという視点で該当する2頭の単勝を押さえ馬券として購入。

 結果、オルフェーヴルの逸走というアクシデントもあってギュスターヴクライが1着。3人気にも関わらず、単勝は13.4倍も付きました。人気に差があり、少額でも保険として機能する有効な買い方でした。


~ 同じ事例その1【09'札幌記念】 ~
単勝 : ヤマニンキングリー(7人気1着、単勝28.2倍。力の要る芝○、脚質から短い直線○)
 ※ ブエナビスタ(1人気2着、単勝1.5倍。力の要る芝?、脚質から短い直線?)  

~ 同じ事例その2【12'フェブラリーS】 ~
単勝 : テスタマッタ(7人気1着、単勝24.3倍。ハイペースのマイル◎、ダ1400m並みの追走○)
 ※ トランセンド(1人気7着、単勝1.5倍。ハイペースのマイル▲+、ダ1400m並みの追走△)



---- 信頼できる1人気 → 相手候補へ馬連流し ----

【12'大阪杯】
馬連:フェデラリスト - ナカヤマナイト(6.7倍)
   フェデラリスト - ショウナンマイティ(9.9倍)[的中]
  フェデラリスト - トーセンジョーダン(6.8倍)

 1人気は中山記念(大阪杯と問われる能力が近い)を勝ったフェデラリスト。3着内を外すことは無いと考えていました。加えて12頭と少頭数で、他馬の複勝は投資に適さないとの見解でした。

 1人気が信頼できるなら、もっとも良い馬券は着順を問わない券種、馬連・ワイド。少頭数のこのレースでワイドを買うのは割が悪そうで、1人気の評価を見直した上で馬連がベター?ちょっとした不利やアクシデントに対応でき、さらに、1人気1着固定の馬単÷2した値よりもオッズが良いこともメリットです。

 上に挙げた例ではトーセンジョーダンとの組み合わせを削っています。これはナカヤマナイトとの馬連とほぼ同じオッズでは買えないと判断した場合の買い方です。自分の評価とオッズが釣合わない買い目を削ることで、他の買い目への資金配分を増やすことができます。

 ショウナンマイティの単勝(9.0倍)に魅力を感じられれば、最初のケースと組み合わせ「相手候補単勝+相手候補へ馬連流し」という形を取っても。



----- 上位人気が揃っていまひとつ → 人気薄狙い馬の単複 -----

【12'中山牝馬S】
単勝 : レディアルバローザ(8人気1着、17.7倍)[的中]
複勝 :     〃    (8人気1着、4.4~6.1倍・結果5.7倍)[的中]

 この日の馬場は前日までの雨で力の要る馬場+道悪馬場でした。上位人気のアプリコットフィズ、ホエールキャプチャ、アカンサスはいずれも軽い芝・良馬場向きの馬で、馬場への適性に大きな疑問がありました。
※ アプリコットフィズは不良馬場の11'富士Sで3着があるも、位置取りの利が大きかったと捉えています。

 馬場適性に疑問が残る上位人気に対し、レディアルバローザはキングカメハメハ産駒のパワータイプ。軽い芝での近3走は結果を出せていませんが、阪神で開催された11'中山牝馬Sでは完勝。重い芝への適性を見せています。ツナギはグリップの良い立ちツナギで道悪も問題なし、と今回の馬場にもっとも適性があると言えました。

 上位人気が揃って信頼できない=複勝の配当が良くなる可能性あり、ということでもっとも当たりやすい券種である複勝を選択できます。単勝オッズも良好なので、頭まで突き抜けたときに備えて単勝も買っておくべきです。

 結果、先手を取ってペースを握ったレディアルバローザが優勝。上位人気は最先着のホエールキャプチャでも3着から1馬身1/4+ハナ差の5着と苦戦し、複勝の配当を上げることに貢献してしまいました。



----- 極端な馬場 → 馬場傾向に合う馬の単複・馬連流し -----

【12'中山記念】
単勝 : シルポート(7人気2着、19.6倍)
複勝 :   〃  (7人気2着、5.7倍)[的中]
 or
馬連 : シルポート - 内枠人気上位3頭へ流し(58.0~72.6倍、61.7倍が的中)

 開幕週の中山は大雨の影響で時計の掛かる馬場。加えて、当日の芝レースで3/4レースで逃げ切り。すべて人気以上の好走でした。馬場の傷みが少ない開幕週(=コースロスが大きく影響する)+酷い道悪馬場(加速の負荷が大きい)=逃げ切りやすい馬場を作っていると考えられそうで、各馬の能力評価はとりあえず置いておき、逃げ馬の能力を甘めに評価するのが有効。

 逃げ候補筆頭のシルポートは基本的には大回り向きの馬ですが、重賞2勝・2着2回の実力ある逃げ馬。馬場のアシストがあるなら、良績のない小回りでも逃げ切り・逃げ粘りが叶うと見ても良いのでは?

 結果、マイル戦のようなハイペースで逃げたシルポートは良く粘りますが、同じく最内を利したフェデラリストに差し切られ2着。この結果から逆算すれば、シルポートから内枠人気上位馬3頭へ馬連流しがもっと良い買い方ですね。

 極端な馬場傾向が出ているときは、それを利用できそうな馬・馬たちを狙うと良さそうです。




------ 逃げ馬不在 → 逃げそうな人馬の単勝 ------

 これは例と短い解説だけで。

【12'日経賞】単勝 : ネコパンチ(12人気1着、167.1倍)
 11'みなみ北海道S(函館芝2600m)では53.0kgながら3馬身差の完勝。11'メトロポリタンS(東京芝2400m)でも2着と、距離ベスト。軽い芝より重い芝が合うようで、苦手な道悪をフォローできれば。
 ダイヤモンドSを逃げ切ったケイアイドウソジンがいましたが、最初のコーナーまで距離がない中山芝2500mなら内にいる逃げ馬候補の方が有利。このレースでは、ネコパンチの方が内の枠。

【12'ダイヤモンドS】単勝 : ケイアイドウソジン(15人気1着、190.0倍)
 10'ディセンバーSでは道中番手、4角先頭横並びから押し切り。OPの長距離では11'メトロポリタンSを優勝していて、スロー+自分向きの展開にできれば。

【12'万葉S】単勝 : ゴールデンハインド(9人気1着、27.7倍)
 11'札幌日経OPでは道中で先頭を奪い、そのまま押し切る。始めゆっくり、早めの仕掛けで長く脚を使う展開にできれば。


--------- あとがき ----------

 単複を基本に買い方を考えれば、馬連(・ワイド)→3連複、馬単→3連単と発展させた考え方がシンプルにでき、リスクを減らした買い方や突発的な状況への対処も楽にできるのでは?
 もし、単複で買い方を構築できないほど馬場などの状況が捉えられていない・混乱しているならば、馬券購入を控えるべきとも言えますね。

 さてさて、今週は得意の阪神芝1400mに長々とレース展望を書き足した福島芝2000mで古馬OP戦がありますね。予想・配当的に難儀な桜花賞はそこそこ(注目度が高いレース=他の馬券購入者の研究が深く、オッズに隙が少ない。予想の労力に対して、好配当を期待し難い)に、予想を書き始めるとしますか♪(2012/04/04 18:00)