沈む夕日今でも冬場は農村から都会の工事現場に働きに来る人はいるかもしれないけど、かつては「大都会東京」に向けて多くの人々がやってきた。昭和30年代はまだそんな時期だった。鈴木オートで働くことになった六子もその一人。大きな自動車会社の秘書にでもなれるのかなと思って上京した。

下町のごちゃごちゃした中、夜就寝するまでどこも開放的に人を迎える感じが漂っていた。

小説家としてはいまいちの茶川は駄菓子屋を営んでいる。その向かいに鈴木オートがある。


茶川を演ずる吉岡秀隆はものを書くことしか頭にない感じの風貌、このもさーっとした感じ、「クワイエットルームにようこそ」に出ていた元妻の内田有紀と似通ったところがあった。


吉岡は主演なのだが、この作品他のキャストが素晴らしい。白黒はっきりさせる江戸っ子気質の鈴木オートの主人とその妻を堤真一と薬師丸ひろ子が楽しく演じている。空襲で妻と娘を亡くした医者を三浦友和の存在も素晴らしいが、何と言っても堀北真希と須賀健太の初々しさが作品の要となっている。須賀の淳之介の純粋な表情には、私も思わず「淳之介!」と叫び抱きしめてあげたくなるものがあった。ビックリマーク


デジタル時代のいま、アナログ時代に黙々と頑張っていた人たちを懐かしく思い起こさせると同時に、人と人のつながりの大切さを訴えかけている作品である。東京タワー

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