宮本武蔵 般若坂の決斗(二)端坐 | 俺の命はウルトラ・アイ

宮本武蔵 般若坂の決斗(二)端坐



『宮本武蔵 般若坂の決斗』

映画 トーキー 106分

イーストマンカラー

 昭和三十七年(1962年)十一月十七日公開


きんにい

製作 東映京都

 

 製作 大川博

 企画 辻野公晴

     小川貴也

     翁長孝雄

 


 原作 吉川英治

 


 脚本 鈴木尚之

     内田吐夢

 


 

 撮影 坪井誠

 照明 和多田弘

 録音 野津裕方

 美術 鈴木孝俊

 音楽 小杉太一郎

 編集 宮本信太郎


 出演

 中村錦之助(新免武蔵)


 佐々木孝丸(池田輝政)


 監督 内田吐夢


 姫路城の主池田輝政公の前で武蔵は

清らかに衣服を着用し端坐して拝謁した。


 初対面で荒い着物でその面構に不敵な

ものさえ感じた輝政であったが眼前の青年

は、秀麗・端麗な若者であった。


   「どうじゃな?」


 輝政は三年の学びを経た心を問う。


 武蔵はじっくりとその問いを受けとめて身心

を挙げて聞いた。


 ☆☆☆美男の若侍☆☆☆


 ファーストシーンからセカンドシーンへ。ぼろ

ぼろになった着物を着ていた新免武蔵であった

が威儀を正し、綺麗な衣服を身に着け、静かに

正座する。


 美男で凛々しく素敵だ。


 初代中村錦之助の芸の深さに改めて瞠目す

る。


 勿論ぼろをまとい野生児の身で自己鍛錬を重

ねる求道の姿も輝いていたが、その試練をくぐ

って人間武蔵が新たな精神で門出を歩まんとす

る在り方が、清新さを以て明かされている。


 佐々木孝丸が第二部の輝政を勤めるが、その

声は重厚で渋い。


 初代中村錦之助は、逞しくて、美しい。



                          合掌