雑誌編集者の裏ブログ -3ページ目

ライターとカメラマンとデザイナーの微妙な関係

 オッス! メース、サース!


 これが分かる方は「はだしのゲン」読み込んでおるはずじゃ。うひひ。


 ライターとカメラマンとデザイナー。


 この中で誰が一番扱いが低いか。






 ライターであることが多い。


 わしはこれが不可解でならないのじゃ。雑誌の編集っちゅーもんで一番エラいのは編集長。続いて編集者。そしてライター、カメラマン、デザイナーが同列で存在するもんじゃと思う。「ライター」と言ってもこの場合は、有名筆者(椎名誠、林真理子、東海林さだお、その他諸々寄稿をお願いしている人)は除くが。


 わしは編集者ではあるが、ライターの仕事もよくやる。


 一つの雑誌を降りたことがある。


 なぜかというと、本来同列であるはずのライター、カメラマン、デザイナーの序列を完璧に崩す扱いを編集者がしたからじゃ。


 具体的にどんなことが起きたかというと、わしは予定期限である●月18日までに記事をあげ、さーてと、後はゲラチェックをするだけだな~、という状況にいた。そして23日、いつもより3日ほど遅れてゲラが来た。その際に編集者は「ここの部分の取材が足りない。補強をすればもっと良い記事になりそうなので、今日中に取材をしてくれ」と依頼をする。「エッ? 今日中ですか?」とわしは言う。


 その日は忙しかったし、取材依頼をするということは、企画書を書き、相手に検討をしていただかなくてはならないので、その日の内、というのは通常難しい。だが、彼女は「そこを何とか!」と言う。


 仕方がないので取材はできたが、その取材をすると、それまで作っていた表(3行×12段)を13段に変える必要がある。理由はさておき、とにかく13段にする必要があったのだ。そうしなくては取材相手に申し訳がたたん、ということで。


 そこで編集者に「13段に変えてください」と言ったら、彼女はこう言うのじゃ。


 「えっ? もうデザイナーに今の段階では言えませんよ。申し訳ないですから」


 わしはそこで「あぁ、そうですか」と言い、引き下がった。


 で、雑誌が出た直後、編集者には「スイマセン、今月で辞めます」と伝えた。「エッ? どうしてですか?」と言うので、「あなたはライターをカメラマンとデザイナーの下に置いているからです。同じ下請けである以上、あまり差別はして欲しくないものですから」と言ったのじゃ。


 とある専門分野の記事を除き、編集者はどこかで「お前が書かない場合は、オレが書いてもなんとかなる」と思っているところがある。だが、カメラマン、デザイナーに対しては、「オレにはできない専門分野をこの人たちは持っているからな」と思いがち。


 あと、デザインはデザイン事務所で受けていることも多く、そこの社長はその編集者よりも雑誌歴が長く、編集長ともツーカーで、編集者よりも立場が上ってこともあるからじゃ。

 つーことで、ライターにはムリを押し付け、カメラマン、デザイナーを甘やかす編集者が多いのじゃ。別にカメラマンやデザイナーにも23日までデザインを直させたり、写真の撮り直しを命じるような鬼編集者なのであれば、ワシも23日に再取材を命ぜられるのは構わん。


 「デザイナーに修正依頼をするのは申し訳ない」と言うくせに、ライターにだったらいいのか! エッ! と思ったからじゃ。


 ガハハハ。


 今日はすまんのぅ、ワシの愚痴じゃ。

 

 この季節になるといつも思い出すのじゃ。


 

  

デザイン一新

「フィナンシャル ジャパン」は「フィナンシャル+半角アキ+ジャパン」が正式名称です。

とかいう話ではなく、「フィナンシャル ジャパン」は毎月21日発売です(休日に重なるとズレますが)。ということは次は7月21日発売で、つまりは現在、校了まっただ中です。

そしてその7月21日発売号から、デザインをリニューアルすることになりました。
デザインをお願いしていた会社を代えるのです。

前が良くなかったから、というわけではなく、いろいろな要因が絡み合って、そう決まったのですが、これが大変な作業となってしまってます。

私自身、雑誌の編集部にいる間に、デザイン会社が変わるのは初めての体験です。
今回は私が昔からつき合いのあるデザイン会社を紹介して、そこにお願いすることになったので、まだ私はいいほうなのですが、編集部のみんなはてんやわんやです。
連載なども全部変えるわけですから。

ただでさえ、「FJ」はビジネス誌にしてはデザイン性の強い雑誌です。
そのため、デザイナーとの誌面イメージのすり合わせが大変です。
全ページでそれをやるとなると、かなりの作業となってしまいます。
そしていま、そうした作業の波に襲われています(泣)

単行本などと違って、変えようと思ったら早いタイミングで変えていくことができるのが雑誌です。どうしても定期刊行だと定期的な単純作業のように思われがちですが、常に変えていくことを考えながらつくっていれば、むしろ作業は毎回新鮮でダイナミックなものとなります。

それにしても今回はダイナミックすぎる…。
はやく終わらないかなあ、などと夢想する午前4時です。

ご無沙汰です。

こんにちは。福田です。

ずいぶんご無沙汰してしまいました。

べらぼうに忙しかったと言うわけではないのですが、

なんだかいろいろやってまして……。


今週末も担当ページでやっているイベントなんです。

京都で。

京都……

大好きな街なんですけどね、

朝6時半の新幹線で当日の朝、京都に向かうわけですよ。

結構ヘビーです。夜型の私としては。

で、京都に行って何するかって言うと、

枯山水で心を癒し、京料理を堪能するわけです。

それはそれで楽しみなんです。

でも朝が……。


私がそのページを担当するようになって4ヶ月ほどになるんですが、

ようやくイベントの手配やらに慣れてきたとは言え、まだまだいろいろ

大変だなと思うことはあります。

イベント参加者とはメールでやりとりするのですが、

時々困ったメールも来ちゃいます。


「当日はどんな服装でいけばいいですか」

……。

気持ちは分かります。わかりますが、もう大人なんだから、

そのくらい自分で考えようね。って正直思っちゃいます。


キリキリしてしまうこともありますが、

参加者が誰も居ないという事態に陥らないだけ

まだありがたいことだと思い、日々乗り切ってます。


それにしても会った事のない方とメールでやりとりするのって、

誤解を招かないためにも結構神経使いますね。

読者様からお電話です

 いやぁ、参りましたわぃ。


 随分前の話になるのじゃが、読者から電話があったのですわ。


 いや、読者様からか。


 わしらの編集部は、某曜日の朝7時に入稿キット(原稿、フロッピー、MO等々)を印刷所の配達人に渡さなくてはならん決まりになっておる。


 大抵の場合、6時50分くらいまでバタバタしながら封筒に詰めたり、足りない部品がないかを確かめたりするわけじゃ。そして、1台しか動かぬエレベーターに乗り、6時58分くらいに1Fの守衛に渡せば、さーてと、ワシの仕事は終わりじゃ。そろそろビールでも飲みに行くか、うひひ。


 となるのじゃ。


 そんな入稿日の朝6時40分、編集部に電話があった。その日はワシ一人だったのじゃが、既に帰った人が何か入稿し忘れたのかもしれない、と思い、電話に出た。


 すると、くらーい声の男だ。


 「●●編集部ですよね?」とそいつは言う。


 「はい」とワシは言う。


 「5月25日号の120ページの読者投稿欄の●●についての投稿ですが、なぜ、あれを採用したのですか?」とそいつは言う。以下、ワシとそいつのやりとり。以下はすべて実話です。誇張は一切ありません。


ワシ:「なぜ採用したかというと、それは面白いからですが・・・・・・」


そいつ:「あれがおもしろかったんですか?」


ワシ:「はぁ、面白かったと思いましたが」


そいつ:「どこが面白かったんですか?」


ワシ:「かくかくしかじかで、あれがこれで、それがあれだから面白いと思い、採用しました」


そいつ:「なんで、そこが面白いと思うんですか?」


ワシ:「かくかくしかじかで、それはそれそれという意味があるので面白いと思いました」


そいつ:「僕は面白くないと思います。そんなものを採用していて、おたくの雑誌はいいのか!」


ワシ:「いいも悪いも、載せるのはこっちの判断ですが」


そいつ:「あなた、名前は何て言うんですか?」


ワシ:「●●(ワシの本名)と言います」


そいつ:「●●さんですね。覚えました」


ワシ:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


そいつ:「あの投稿欄の掲載基準を教えてください」


ワシ:「面白いと判断したものを載せます」


そいつ:「で、その”面白い”とは具体的に何なのですか?」


ワシ:「私は直接の担当者ではないので・・・・・・」


そいつ:「そうやって逃げようとするんですか!」


ワシ:「別に逃げませんよ。じゃあ、答えますよ。具体的に何かではないけど、とにかく投稿を選ぶ人間が”これは面白い”と思えば載せるんですよ。もちろん相対的にもっと面白いのがあれば載せませんが」


そいつ:「そうやって適当に言い逃れようとして!」


この時時刻は6時52分。最後、印刷所の宛名書きや、ガムテープ貼りなどをしなくてはならない! このままでは便に間に合わない!!!


ワシ:「スイマセン。今、入稿中で、7時ジャストで1Fまですべての原稿をもっていかなくてはいけないんですよ! 電話番号を教えていただければ、7時5分頃かけますが」


そいつ:「なんで、僕の携帯番号を教えなくてはいけないんですか!」


ワシ:「そちらが喋りたいのであれば、ということですが・・・・・・」


そいつ:「僕は”そちら”という名前ではありません!」


ワシ:「お名前は何ですか?」


そいつ:「なんで、僕があなたに自分の名前を伝えなくてはいけないんですか!」


ワシ:「えぇと、とにかく、もう間に合わないんですよ! 7時5分にもう一回この番号にかけてください。それではまた! 後ほどよろしく」


 と強引にワシは電話を切った。


 何とか6時59分に守衛に渡すことができ、「やれやれ、あの陰気ぬらぬら狂い声と延々喋り続けなくてはいけないのか」と暗澹たる気持ちになり、編集部に戻って電話を待つ。


 するとヤツからの電話はこない。


 7時15分になっても帰らないので、ワシはビールを飲みに行ったのじゃ。めでたし、めでたし。

編集王

うちの雑誌では、毎号「編集王選手権」というのがあります。


これは編集部や営業部などによる雑誌の自己評価システムで、5・4・3・2・1点をそれぞれ気に入った記事に投票し、その合計点が一番高かった人がその月の「編集王」となる、というものです。


まあ、編集王になったからといってとくに特典もなく、また、担当する企画のネタしだいのところもあるので、一概に編集技量の評価ともいいがたいのですが。


で、いま発売している号(5月21日から発売中の7月号)の投票を先週に行ったのですが、はじめて編集王になりました。クレディセゾンの林野社長と、ソフトブレーンというコンサル会社の宋文洲会長との対談記事が、評価されました。


特別工夫したということもないのですが、なんせこの記事は同じ内容の言葉のくり返しが多い。

これは、同じ内容をしつこく言うことで「とにかくこれだけは覚えておいてください」と訴えるためです。


「知識と経験を知恵に換え、その知恵から富を生むのがビジネス」という内容なのですが、とにかくそれをくり返して、図にもしました。(図は私が自分でつくりました)


おそらく、いくら長く読んでも、そのときにすべて理解したつもりになっても、雑誌の記事から得られる知識は、ほんのひと言だったり、小さなエッセンスだったりするのではないでしょうか?


書いてあることすべてを読者が読み、理解してくれる、というのはつくり手の思い込みで、何かひとつのささいなことでも読者の心に残るものがあれば、それで雑誌は「いいもん読んだな」と感じてもらえるんだと、私は思うのです。


私が編集をする上で、いつも心がけているのは、たとえば写真でもいいし、見出しでもいいし、ひと言でもいいし、なんでもいいから読者のどっかにひっかかる記事にすることです。


今回「編集王」になった記事は、それがうまく表現されていたのかもしれません。


仕事のお供はビールです

がはははは、昨日も飲みすぎたわぃ。


おとといも飲みすぎたわぃ。


わしの月の飲み代は恐らく20万円いっておるわぃ。


あほじゃ、完璧に。


ここには、一日6~10本のサッポロ黒ラベル代も入っておる。サッポロビールはわしに表彰状を送ってください。


というわけで、普段仕事をしている時も、ビールを飲みながらやっておる。わしはフリーランスじゃけんのぅ、上司から「こら、うわらばっ! ビールなんか飲むんじゃねぇ!」と怒られることはないんじゃ。


しかしのぅ、ビール飲むと眠くなるのがいかんのぅ。


効率的に仕事ができん。


でも飲みたい。今日もジレンマは続くのじゃ。


こんなアホな日記みたいなのを読んでいても仕方ないので、一つ役立つ情報を。


先日の野上さんのエントリーに「写真の調達方法」が書かれていましたけど、もう一つの方法は新聞社や通信社から借りる、という手段です。


以下、種類・対応の評価

       種類  対応

共同通信 AAA  AAA

WWP   A    AA

朝日新聞 AAA B

産経新聞 AA  A

毎日新聞 AAA  D


わしは共同通信が一番好きじゃ。うひひ。


17歳の星空

「フィナンシャル ジャパン」の連載の、名門高校のOBに母校を語ってもらう企画「17歳の星空」の担当をしています。


この企画、読者の方からのハガキなどでの評判はとても良いのですが、どんな方がどんな高校を出ているかがなかなかわからないので、つくるのが難しい。某Y誌さんが「社長の出身校」という特集をやってくれたおかげで、とっても助かってますが、、、。


この企画のインタビューは毎回、楽しいです。

出てくださる皆さんも、リラックスしていますし。

思い出話をしながら、懐かしそうに微笑む社長さんが多いです。


いまつくっているのは、関西の名門校です。

今月の中旬に一度、その学校へ行きましたが、古い校舎をいまも大切に使っていて、とても趣きのある学校でした。

まるで映画のセットのようです。


応対してくださった教頭先生も、親切にいろいろ教えてくださり、いい取材でした。


高校は普通、誰にとっても1つしか行かないものですよね。

それだけに、他校を隅々まで見ることはあまりない体験です。


そういう体験ができるのは、この企画のつくり手としての楽しみでもあります。



原稿が遅れそうな時は・・・・・・

 いやぁ、この人は頭いいわぃ! と思った人に会うたタイ。


 その人はライターなわけじゃが、「どう考えても、指定の時間に原稿は間に合わん!!!」という時は、文字化けのシンプルテキストを編集者に送るんじゃと。


 メールを送る時に添えることばは。


 今から打ち合わせで神保町まで行ってきます。18:00頃戻る予定です。何かありましたら携帯までご連絡ください



 とかを書くのじゃ。


 約束の時間ピッタリに原稿を送るとは、彼はいつも優秀じゃのぅ、なんて思いながら編集者が添付ファイルを開けると、そこはワケ分からん文字がズラリと並んでいる。「あべしっ!」「うわらばっ!」なんて思う編集者の姿が想像できるわけじゃ。


 そこで編集者、電話をする。


編集者:「田中さん! もう出ましたか?」


ライター:「ええ、何か・・・・・・ありましたか?」


編集者:「さっき送ってもらった添付ファイル、文字化けしてますよ」


ライター:「えっ! そうですか!? うわーっ、スイマセン!!!!!!」


編集者:「いつ頃お戻りですか?」


ライター:「17:30に打ち合わせが終わりますので、18:00周辺には戻れます。戻ったらすぐに送りますね!」


編集者:「分かりました。よろしくお願いします」



 という電話を受けたところでこのライター、ガーッと原稿を書き始めるのである。これで数時間は稼げてめでたしめでたし、という話じゃ。


 皆さんもこの技、活用してくんろ。よろしくじゃ。


 あと、上の会話で編集者が怒ったり、焦ったりしていない理由は、編集者っちゅーもんは、締め切りを妙に早く設定したりするからじゃ。うひひ。



 


 

写真の調達方法

いまつくっている号(6月21日発売の8月号)で、「愛・地球博」の写真が必要になった。

“できるだけ手間と労力とお金をかけずに、ひと目で「あ、愛・地球博だ~!」とわかるような写真を用意する”というミッションだ。

それほど大きく扱うわけではないので、「できるだけ手間と労力とお金をかけずに」というところがポイントになる。

ビジネス誌ではこうした「それほど大きく扱うわけではないけど“これが○○ですよ”とわかる写真」が必要になることがある。

そういうとき、どうするか。

まず「相手に聞いてみて、あれば借りる」という手がある。

しかし、以前に「愛・地球博」からマスコット入りの会場写真を借りようとしたとき、「3週間かかります」と言われた前例があったので、今回はその方法は見送り。「愛・地球博」のメディア対応は全然ダメらしい。さすがお役所仕事。

次に、「愛・地球博」を撮ってそうなカメラマンを探して、その人に借りるという方法。
主に他の雑誌で報道系の仕事をしている人にあたる。

しかし今回はそれも、あてがはずれる。

さてどうしよう。

そこでふと、私は思い出した。

“たしか母親(ミチコ)が「愛・地球博」に行ってたような気がする!”

さっそく編集部から自宅へ電話すると、ミチコは言った。

「あるわよ、たくさん」

やったー! マミー大好き。

…でもここで油断してはいけない。

雑誌に載せるからには、最低限のクオリティが必要だ。しかも「愛・地球博」はマスコットキャラクターが写真に登場していないと、「あ、愛・地球博だ!」とわかってもらえない。

「とりあえず用意しておいて」と電話を切る。

そして帰宅して確認。

……、OKだよマミー! 使えそう。

まだ本当に使うかどうかわからないけれど、とりあえず“保険”ができたことで気が楽になった。

このように、雑誌を編集していると、ときには家族や友達を巻き込むこともある。


アホ京都特集

 もう2年半以上前になるのじゃが、「そうだ 安く京都行こう」という特集を作りました。


 これが、自分にとってもっとも楽しい特集となりました。


 普段は誰か別のライターに記事を依頼するようなこともあるのじゃが、これに関しては貧乏編集部なだけに、出張料金を払わすわけにはいかん。


 そこで、ワシ一人で京都まで行く。宿泊先は某場所。一泊200円。もれなくダニ、ノミがついてくる。女性のライターやカメラマンと一緒に行けるような場所ではないのじゃ。「えぇっ! うわらばさん、こんなとこ泊まるの!」なんて言われそうだし、「ホテル泊まれば? ただ、ギャラからそこは削るからね」と言ったら嫌がるに決まっているから。


 この特集も、ワシの完全なる思い込み特集じゃ。ハナコやらキャズやらが、高い制作費作って「湯葉」やら「湯豆腐」「懐石料理」なぞを紹介し、「紅葉」「最近ブームのカフェ」「神社仏閣」を紹介しているのに嫌気がさしたわけじゃ。


 どいつもこいつも同じような特集にしやがって、バーローめ! と思ってのぅ。おい、ライターども、お前ら店一軒取材してギャラは3000円くらいのくせに、7000円のコースを「コースは7000円とリーズナブル。食後のティラミスも絶品なのでぜひ注文してみて」なんて書きやがる。なーにが「リーズナブル」だ! 高いよ、普通にさぁ。


 そいで、ワシは京都特集がほぼ出揃った最後の11月下旬にこの特集を出していった。冒頭のリードは「紅葉の時期は人うじゃうじゃだし、渋滞するんでいいことない。今からが京都観光の本当のシーズンだ」みたいなことを書いた。


 内容もふざけ放題。紹介する料理は6個100円のタコヤキやら、650円の「うなぎ天丼」、380円の「スタミナうどん」、「一貫20円の寿司屋」とかそんなのばかり。「タダ酒が飲める場所」とかもけっこうなスペースを取ったし。


 京都まで行くには、「のぞみ」だと1時間49分、飛行機だと3時間11分、とかマジメにやりつつ、突然高橋尚子のイラストが出てきて「25時間」(※シドニーオリンピック優勝タイムで走り続ければ)とか、仏頂面をした自転車小僧の写真の下に「36時間14分24秒)。(ママチャリの全速力14km/hを維持し、ノンストップで走り続けた場合)


 とかも。


 京女座談会、外国人観光客による「ここがヘンだよKYOTO座談会」なども完全にアホアホモード全開。


 極めつけはカメラマン。一応わしがデジカメで撮影する、というのは避けたが、京都でたまたま展覧会をやってた大学の写真部をその場でスカウトし、彼らを一人5000円で雇い、3日間連れまわした。


 それでも良い写真多かったですわぃ。


 なんつーか、「規定演技」の特集っていやですねぇ。読者をバカにしているような気がする。


「きれいな紅葉だしときゃいいだろ?」「オラ、取りあえず豆腐の名店出しとけばいいだろ?」っていう「オラ、とりあえず、お前らこれ見とけ、京都らしいだろ」という制作者の欺瞞をプンプン感じるわけです。


 つーか、京都の豆腐ってうまいか?


 うまいけど、4000円も出す価値あるか? 4000円出すんだったら、小料理屋、串カツ屋へ行け! と言いたい。(具体名は出さないよ)もっと安くてうまいぞぃ。


 そういう仕事は極力やらないようにしています。