FILE17 平愛梨さん/page2 | AmebaスペシャルインタビューBlog by Ameba

FILE17 平愛梨さん/page2

カンナVS ともだち、平愛梨VSともだち。
“ともだち”の新の正体とは?!
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この映画の見所でもある“ともだち”の存在について、原作を読んだ時と映画で実際に演じられた時とでは、“ともだち”に対しての感じ方は違いましたか?━
平愛梨
原作のカンナの表情からは、『憎くて仕方がない』というのが伝わってきました。でも、実際に映画で演じた時は、『本当にあなたのせいで、何年もこうなってしまったんだよ』っていう憎さもあるんですけど、“ともだち“と対面した時に、父親だから抱きしめて欲しいという娘としての気持ちもありました。すごくヒドイ人なんですけど、『この人がお父さんでしょ?』っていう複雑な思いがありましたね。だから、「大きくなったね」って言われたいけど、『なんなのこの人』みたいな・・・そのバランスがすごく難しかったですね。

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“ともだち”についてどう思われますか?━
平愛梨
なんて、孤独な人なんだろうって思いますね。本当に、憎くて仕方がなかったんですけど・・・その孤独さも誰にも言えず、仲間に入りたかったけど入れず、こんな形で大変な事をしちゃって、なんて可哀そうな人なんだろうって思いますね。

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ご自身の役を演じるのに、監督堤さんから言われた印象的な言葉は何ですか?━
平愛梨
堤監督は、常に「氷になって」って言ってましたね。2章から最終章に入るまで1ヶ月間空いていたんですね。で、2章のアップの日監督に、「絶対3章では泣かないで」、「最後、ケンジおじちゃんが現われるウッドストックのシーンになるまでは絶対泣かないで氷になって」って言われたんです。台本や原作からは氷になる意味は分かるのですが、そのシーンで演じるイメージを掴めず悩んでいて、取り敢えず出来ることから全部取り組もうと思い、お皿の上に氷を乗っけてみて、どうなるのか見ていたんですよ。そうすると、時間をかけて氷が水になったんですけど、33分で・・・。それを自分に置き換えると、前半のカンナは表情を出さないけど、時間をかけて最後にドカンと感情を表せば良いんだと思いました。その氷から私は、イメージを掴んだんですよね。だから、最終章の最初の方は、ほとんど感情を出さないようにしていました。最後のシーンは、ケンジおじちゃんに会う為に取り組んできていたので、最後に感情が爆発して・・・あれは何も考えずにそうなりましたね。

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最後のあのシーンですよね?それまでは、涙のシーンはなかったですもんね。━
平愛梨
2章では、喜怒哀楽を前面に出している若い女の子だったんですよ。そういう役柄だったし、普段からケンジおじちゃんの曲をずっと聴いていたので、3章で涙を流すのを我慢するのがすごく大変でした。“ともだち”と対面した時も、監督には「泣かないで」って言われてたんですけど、「ケンジおじちゃんやユキジおばちゃんは、私の本当の娘みたいに思ってくれた」っていうセリフでは、どうしてもリハをやる度に涙が止まらなかったです。結果、一滴涙が流れちゃったんですけど、監督が「よし、OK!」って言ってくれたんですよね。

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監督は厳しい方でしたか?━
平愛梨
いや、厳しくはないですけど、あまりコミュニケーションを取る方ではなく、現場では「良かったよ」とか一切なくて、「よく頑張った」って言ってくださったのは、終わった後の打ち上げの席でしたね。撮影現場での監督は、ベースの方でモニター越しにお客さんの目となって見ている方なので、カットカットで撮ったものをすぐに編集で繋げて見せてくれました。そういう風にして下さるので、次のシーンに対して『前回はこうだったから、この気持ちを繋げなきゃ』という試みで取り組ませてもらえました。

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演技の面で分からない事を親身に教えて下さったキャストの方はいらっしゃいますか?━
平愛梨
香川照之さんは、常に「辛いよな、この役」とか声をかけてくれました。最終章では、あまり一緒のシーンがなかったのですが、2章では香川さんとずっと一緒にいたので、「最終章でヨシツネおじちゃんいなくなっちゃうから、どうしよう」って言ったら、「これまでやってきてるし、大丈夫。出来るよ。何かあったら言っておいで」って香川さんは、すごく心の支えになってくれてアドバイスもくれましたね。

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一番好きなセリフを教えて下さい。━
平愛梨
「みんな、本気で勝負よ!」っていうのが一番!(大笑)あそこは、そうですねぇ、自分で言った後に『カッコイ~』って(笑)カメラのアングル的に『このカット、カッコイ~』って思いました!





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試写会では、ラストシーンの10分は見られなかったのですが、平さん的にラストシーンを表現するなら、どのような言葉で表現されますか?━
平愛梨
ラストの10分見た後は・・・「なるほど!」ですかね。なんか、すごく分かりやすくて、すごく考えますね。『“ともだち”は、こうだった』という終わり方でなくて、『何でこんな事になってしまったんだ、最終章!』みたいな感じなんですよ!あとラストの10分間に新たなキャストがまた出るんですけど、またその俳優さんがすごく素晴らしくって!その方の演技に引き込まれて「スゴイ」って思いましたね。

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なんで、試写会ではラスト10分間が観られなかったのでしょうね?監督のこだわりなのでしょうか?━
平愛梨
ね~、私もビックリしましたけど。実際に撮影している人も全部の真相を知っている人が10人ぐらいしかいないらしくて、最終章の台本は2種類あって、1つはラストの真相が全部書かれたもので、もう1つは書かれてないものだったんです。私が持っていたのは、“ともだち”の正体が書かれていない方の台本だったんですよ。だから、ずっと正体を知らなくて・・・でも、出演者が知らないはずがないと思っていたので、『私は台本を読み取る力がないんだ』と思って、何度も読み返していたんですよ。だけど、全然分からなくて(笑)ある日、唐沢さんと食事に行った席で、「一体、“ともだち”は誰なんですか?」って聞いてみたんですよ。そしたら、「え?お前知らないの?」って言われて、『やっぱり、私は女優じゃない!』と思って、「すみません、台本読み取る力がなくて」って言ったら「こいつ知らない派なの?」ってプロデューサーさんに言ってたんですよ!また、その意味が分からなくなって、共演者の木南晴夏ちゃんに「ねぇ、“ともだち”の正体知ってる?」って聞いたら、「私も原作読んでるけど、良く分かんないんだよね」って言っていて。確認してみたら晴夏ちゃんも“ともだち”の正体が書かれていない方の台本だったんです。私や晴夏ちゃん、ユースケ・サンタマリアさんまでもが知らなくて・・・正体を知らない人と知ってる人の犯人探しみたいになっちゃって(笑)余計に20世紀少年に対して、スゴイ作品なんだなと思って驚きました。