アイカツ!・AKB0048・プリキュア・プリティーリズム・ラブライブ!の3DCGステージライブ | 日本アニメ視聴館  アニメ公式配信紹介

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アニメコンテンツやアイドルコンテンツに関して、記録や思ったことを徒然に記しています。

お越しいただき、ありがとうございますm(..)m。

この記事は2012年頃より本格的に導入されたTVアニメおよび関連映像における
人物3DCG導入事例をメイキングを交え紹介しています。

(In this article TV anime and related video, which was introduced from around 2012 in earnest
Sprinkled with making a person 3DCG case study I have introduced.) 直訳スンマセン

ありがたいことに初投稿から4年近く経過してもなお多くの方にご覧いただいています。

更新内容
2017年4月4日 「THE IDOLM@STER 輝きの向こう側へ! 」の一部表記修正
→4月18日該当箇所削除 一部改訂
2016年8月3日「ラブライブ!μ’s Live Collection」PV追加
2016年4月28日 「もぎゅっと“LOVE”で接近中!」関連記述差し替え
2016年1月31日 「アイドル活動!~初音ミクver.~」
安室奈美恵「B Who I Want 2 B feat. HATSUNE MIKU」
ラブライブ!サンシャイン!!「君のこころは輝いてるかい?」PV追加
2015年8月14日 「団地ともお」OP追加
2014年11月13日 一部動画差し替え
2014年11月5日 THE IDOLM@STER 輝きの向こう側へ! 3DCG関連シーン追加
2015年2月4日 プリティーリズムレインボーライブ動画差し替え・構成・一部文章変更
2015年3月9日 映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪
主題歌「イマココカラ」 ダンス映像追加・文章一部修正・加筆
2015年6月27日 一部動画位置変更・「ミス・モノクローム」動画差し替え
2015年6月29日 一部動画差し替え 「Angelic Angel/ラブライブ!The School Idol Movie」追加

2013年7月執筆公開開始

アニメ3DCGについて、現場での制作法を詳しく記した書籍
「アニメCGの現場 2014-CGWORLD特別編集版」が2013年12月25日に発売しました。

アニメCGの現場 2014 CGWORLD特別編集版 (Works books)/ワークスコーポレーション
Amazon.co.jp

現在の3DCGアニメの制作法を広く・深く掘り下げて紹介しています。
ガールズ&ダンスCGアニメーションの項目では
アイカツ!、プリティーリズム・ディアマイフィーチャー、
ドキドキ!プリキュア、AKB0048の3DCGI制作方法を紹介。

ほかにも機動戦士ガンダムUCやガンダムAGE、サイコパス、進撃の巨人など
注目の作品の制作技術を紹介しています。

興味がある方は一見の価値ありだと思います。


最近、アニメ作品で3DCG映像が使われているシーンは定着していますが
3DCGやモーションキャプチャ技術を用いている作品をよく観るようになりました。


そこで、改めてダンスなど、ステージ上でCG映像技術を活用したTVアニメ作品を
いろいろ観ていました。

各作品の優秀な3DCG映像を観て、
3DCGステージブームもしくは戦国時代に突入した感じがします。

※人物の3DCGシーンを導入したTVアニメシリーズをピックアップしています。


アイカツ! 




アイカツ!はバンダイによるトレーディングカード(データカードダス)を用いた
アーケードゲームをもとにしたアニメ。
ゲームとアニメは2012年10月にスタートしています。


ちなみに東映のプリキュアシリーズ3DCGアニメエンディング化に際し、
バンダイのアーケードカードゲームでの3DCGモデルが行うダンスを見て
プリキュアの3DCGモデルによるエンディングプロジェクトが動き始めたそうです。

制作はSUNRISE。3DGC担当はSAMURAI PICTURESです。 

CGディレクターは谷口顕也氏と林田伸氏(第2部)

サムライピクチャーズの仕事場についてインタビュー記事がありましたので
貼っておきます。

CGWORLD.JP INTERVIEW 
http://cgworld.jp/feature/interview/samuraipictures-recruit.html

アニメCGの現場 TVアニメ 『アイカツ!』 
http://cgworld.jp/regular/animecg/cgw182-aikatsu.html
 

ライブステージシーンは実際のライブ撮影カメラマンの動きを参考に
リアリティーあるカメラワークを表現。

ライブ衣装はキャラクターそれぞれテキスチャではなくモデル作成しているため
アイカツ!キャラ特注仕様というわけです。

人物モデルは20,000~30,000ポリゴンで制作したものをターボスムーズをかけて
ディテールを調整。


【使用ツール】 
3ds Max(モデリング・セットアップ・テクスチャ・アニメーション・エフェクト・ポスプロ)
Pencil+3.05
(質感設定/LineReduction 距離に合わせ自動的にキャラクターのラインの太さを自動的に調整)

画像は「アニメCGの現場」の立ち読みのページの一部を抜粋。

質感設定に使用しているPencil+3.05上で作られた星宮いちご。
制作現場でしか見られないメイキングがこの本で数多く見ることができます。

「アニメCGの現場2014」立ち読みページより一部抜粋


TV放送開始当初はアーケードゲーム版のモデルをベースに
少し手を加えたスタイルだったのが、ストーリーを重ねてゆくのにあわせ
3DCGの技術をバージョンアップさせている点は
他の3DCG採用アイドル系アニメ作品にも見受けられる技術者魂ともいえる
特徴に思えます。

「アニメCGの現場2014」立ち読みページより一部抜粋


こちらは3DCGの空間をバーチャル的に映したカメラのレンズ域に応じて
人物の線の太さを自動的に最適化させるプログラムの説明です。

手書きでは手間のかかる距離に応じた人物線を空間距離とカメラのレンズに合わせ
自動的に再現してくれることで視聴者に与える視覚的情報が総合的に大きくなる分
見ごたえのあるシーンになるものと思います。

「アニメCGの現場2014」立ち読みページより一部抜粋


各キャラクターのストーリーを踏まえてのパフォーマンスで
メンバーを意識した表情や目線、アイカツ!特有のオーラエフェクト=アイドルオーラの
絶妙な使い分けとパフォーマンスの邪魔にならない軌道の構成等、見どころが満載です。


キャラクターのパフォーマンス能力の違いもこのアイドルオーラで表現しています。

新入生の大空あかり(左)はまだアイドルオーラが少ないことがわかります。

画像はⓒSUNRISE/BANDAI、DENTSU、TV TOKYOに帰属します。


観客(モブ)の使い分けもリアルなものから人型みたいなものまで、
よく見ると発見がありますね。

サンライズといえばガンダムを代表するロボットアニメをイメージしますが、
アイドルアニメも軌道に乗り始め、新たな得意ジャンルが生まれたかもしれません。

データカードダスゲーム3DCGのステージでは初音ミクとのコラボも実現しました。




プリティーリズム シリーズ


こちらはタカラトミーアーツのアーケードトレーディングカードゲームを基軸にしたアニメ。
アーケードゲームとしての駆動は2010年7月、
アニメは1期オーロラドリームが2011年4月から放映開始、
2期のディアマイフューチャー現在の3期レインボーライブと
1年につき1作品と大河アニメ方式です。

番組内でファッションアイテム・スイーツ・グッズアレンジ等の
アニメ以外の情報も積極的に行われていたり、
レインボーライブではTRF楽曲のカバーをOPに採用したり、
TRFメンバーのDJ KOO氏をイメージしたDJ COOなるキャラを登場させたりと、
他のコンテンツとのコラボにとても積極的な点が特徴です。

伝統的にフィギュアスケートを取り入れたステージも個性的。
魔法のように空間に制限をつくらない描写、対戦方式でステージを披露する点など、
演出面での個性も立っています。

ストーリーに2Dと3Dシーンが共存していても、
慣れればストーリーの流れを把握する点では
支障にならないせいか、他のアニメ作品も含め導入し、広がっています。

監督は菱田正和氏。プリティーリズムシリーズをけん引し、
プリズムライブ演出シーンに京極尚彦氏を採用。
京極氏が師匠と仰ぐアイドル系アニメ3DCGの歴史に欠かせないお方です。

プリティーリズムシリーズのCGディレクターを務めている乙部善弘氏は
ラブライブ!EDの3DCGパートも担当しています。
ラブライブ!の京極監督と交流があるようなので探してみると参加しているパートが
いくつか見つかるかも?

プリティーリズムレインボーライブ 
アニメ制作会社 タツノコプロ DONGWOO ANIMATION

【使用ツール】 
3ds MAX (モデリング・テクスチャ・セットアップ・アニメーション※)
※ディアマイフューチャーでの仕様を継承した場合 
モーションキャプチャで人の動きデータ化した後、手づけで各部調整
フェイシャルアニメーションはすべて手づけ※A

※A なる・あん・いとのマイソングダンスはすべて乙部氏の手づけで制作

(影の表現方法について)
普通に立体の影を落とすとアニメ的に気持ち悪い影になるので、顔にはライトを当てて
影を飛ばしています。髪の影もテクスチャマッピングを用いて影を絵として描いたものを
貼ることで作画同様に見せています※A。

(登場する楽器)
ギター・サックス・バイオリン奏法の動きを知るために乙部氏は勉強したそうです。※A

♪「Happy Rain」 彩瀬なる&涼野いと&福原あん

背景のハロウィーンデザインはプリパラのハロウィーンステージにも活用されています。




♪「Sevendays Love, Sevendays Friend」  天羽ジュネ&荊りんね

前代未聞の9分にもおよぶ3DCGパフォーマンス。

楽曲が宝塚歌劇団っぽいと思いきや、
作曲は宙組公演「激情」で文化芸術祭優秀賞を受賞した斉藤恒芳氏。

ジュネの渦を巻いている髪はテクスチャでサイドにある編みこみはリアルな影と
どう見えるか、何が綺麗かで使い分けています※A。

※A プリティーリズムレインボーライブ公式ガイドブックより

ちなみにプリリズでオーロラライジングに使用されていたCGの羽は
ラブライブ!2期EDでも使用したとのこと。
「プリパラ」CGディレクターを務めている乙部氏2014年4月20日のツイートで確認できます。




プリティーリズムレインボーライブの画像はⒸT-ARTS/syn Sophia/テレビ東京/PRR製作委員会に帰属します。

羽のCG素材が同じものなのかも。間違っていたらごめんなさいm(_ _)m

ラブライブ!(2期)の画像はⒸ2013プロジェクトラブライブ!/BS11に帰属します。



AKB0048 シリーズ 

言わずと知れたAKB48をモデルにストーリー上、
伝説のアイドルとして実在メンバーの名前を継承し
芸能禁止の不条理な世界のなか、平和を願い、ゲリラライブを行うストーリー。

映像コンテンツビジネスとしてはメンバーの変動の発生しうる現役のアイドルグループとの
キャラクターの声優の配置は研究生のキャラにAKBの現役アイドル、
襲名メンバーに本職の実力派声優を配置している点はシビアなマネジメントを感じさせます。

総監督はマクロスのバルキリーのデザインで知られる河森正治氏。
90年代にゲーム関連の仕事を通じてCG技術を学んだこと、
リアリティーの追及の姿勢と独創性のある作品作りに力を入れていることから
アイドル系アニメのなかでも一際個性的な印象を与えます。

アニメ制作会社はサテライト・CGはunknownCASEが担当。アニマも一部に参加しています。

実際のダンスを収録したモーションキャプチャを元に3DCGダンスシーンを制作していますが
6人まで同時にモーションキャプチャ収録できる最新鋭設備の整ったスタジオで収録。

縦横無尽に動くシーンの多い当作品にはヴァーチャルカメラという
あらかじめ作られた3DCGのステージ全体をベースに実際にカメラワークで収録し、
臨場感あるライブステージ演出を可能にしました。

ヴァーチャルカメラを使ってみよう
http://area.autodesk.jp/column/tutorial/motionbuilder/virtual_camera/

【使用ツール】 3ds Max(プリプロ・モデリング・)・Maya・SI・modo・LW 他
Pencil+ (基本質感設定)他

「アニメCGの現場2014」立ち読みページより一部抜粋


こちらは輪郭線の設定について。こちらもカメラとの距離の広がりに合わせて
線が細くなり、ディテールが省かれてゆく設定がなされていることで
ライブパフォーマンスのリアリティーに役立っているものと思われます。


「アニメCGの現場2014」立ち読みページより一部抜粋


同書籍でのAKB0048シリーズのメイキング紹介は55ページにも及ぶ盛りだくさんな内容。
しかも、かなり細かく紹介しているので、3DCGを実践している人や
興味のある方であれば大変読みごたえがあるものと思います。




ラブライブ!
(記載内容は主にPVと1期)

ラブライブ!は2015年6月30日、デビュー5周年を迎えました。

2010年よりアニメーションミュージックビデオで人物の2D作画と3DCGによる
パフォーマンスを行っているラブライブ!
ひとつのアニメ作品で最も数多くの3DCG制作会社と関わってきた作品ではないかと思われます。

アニメ制作会社はSUNRISE。 アイカツ!と制作会社は同じです。
本編3DCGはサンライズ練馬スタジオ、アニマのほか、
ダンデライオン アニメーションスタジオLLCが話別に担当。

監督はプリティーリズム・オーロラドリームのライブパート演出と副監督を経験※し、
菱田正和監督とも師弟関係と言われている京極尚彦氏です。

※プリティーリズムレインボーライブでもプリズムショー演出・絵コンテを担当。

ラブライブ!の各ミュージックビデオ楽曲における3DCGI制作担当会社は
以下の通りでした。

【使用ツール】
3ds Max / Pencil (ファーストPVは+2 セカンドシングルは+3) PV・1期


「僕らのLIVE 君とのLIFE」 サンジゲン 
世界初の3D+2Dアニメーション導入※ (2010年8月発売)
※ 同じフレーム内に人物の3DCGと2D作画が一緒に映るということではなく
各シーン別に使い分けています。 
2010年以前の劇場用作品にも2D作画と3DCGの実用例はありますが
作品としてトータルで3DCG+2D作画の採用は初。


「Snow halation」 サンジゲン  京極尚彦監督と花田十輝氏(シリーズ構成)のお気に入り




「夏色えがおで1,2,Jump!」  サンジゲン

「もぎゅっと“love”で接近中!」  東映アニメーションデジタル映像部 
※3DCGIを担当。確認できている限りではラブライブ映像作品中、
唯一の東映グループ参加作品→2期OP採用  
当時、各PV作品中3DCGシーンで最もスピーディーなカメラワークが特徴のPVでした。


「Wonderful Rush」  ダンデライオン アニメーションスタジオLLC 
→サイト内で3DCGIのスクリーンショットが見れます。 
公野櫻子さん(ラブライブ!原案)のお気に入り

「Music S.T.A.R.T」  フレームワークス・エンターテインメント


キャラクターの個性や身体能力を考慮して、ダンス振付の各キャラクターの動きに
個性を表現している点も丁寧な仕事を感じます。

なお、ダンスの振付は石川ゆみさん、Keikoさん、Maiさん。

石川ゆみさんは、ももいろクローバーZの振付師として知られている方です。
(石川ゆみさんの8月23日ツイートでμ’sへのコメントが確認できます)。

ミュージックPVではこれまでキャラクターは作画から3DCGに起こしていたのが
3DCGからキャラを製作している点も注目点でしょうか。

 
やや専門的な内容を交えていますが、ラブライブ!
CG制作に使用したソフト
「Snow halation」MVについて画像を交えて解説。
3DCG制作会社でキャラクター版権画像制作を受け持つ試みも画像付きで紹介しています。
参考 日本アニメCGの新たな原動力 Autodesk 3ds Max 2011×PSOFT Pencil+3(第4回)
CGWORLD.jp

OP・本編での各挿入歌の3DCG制作担当会社は以下のとおりです。

OP 「僕らは今のなかで」  アニマ TVアニメーション「ラブライブ!」ページ

コチラの動画は海外の人達にもラブライブ!の魅力を紹介。
動画下部の字幕をオンにすると英語・タイ語・韓国語・中国語文が確認できます。 ※限定公開動画



1話 「ススメ→トゥモロウ」  アニマ

穂乃果、海未、ことりの髪飾りの花はアネモネです。
花言葉は待望・期待・可能性・純真無垢がありますが、
その反対に薄れゆく希望・辛抱という言葉もあります。

↓画像は2D作画シーンです。

↓は3DCGシーンです。




3話 「START:DASH!!」  サンライズ 練馬スタジオ

6話 「これからのSomeday」  アニマ  

冒頭の海未とことりの3DCGですが、改めて観ると手前の人物描写は作画、
奥は3DCGで組み合わせていると推定。

↓海未2D作画 ことり3DCG


海未2D作画 立ち位置がこの後入れ替わります。

海未3DCG、ことり2D作画と思われます。
海未の前髪と影の当たり具合、全体の質感に変化が見受けられます。 

「ラブライブ!」の画像はすべてⒸ2013プロジェクトラブライブ!/YTVに帰属します。


8話 「僕らのLIVE 君とのLIFE」  サンライズ 練馬スタジオ

9話 「Wonder zone」  渡部 暁(salt) ※パフォーマンスシーンでの3DCGは無し

11話 「No brand girls」  アニマ

13話 「START:DASH!!」  ダンデライオンアニメーションLLC
→サイト内で3DCGのスクリーンショットが見れます。

【告知】 ラブライブ!の全てのパフォーマンスシーンが収録されたBDが2016年8月に発売されます。





プリキュアシリーズ(フレッシュプリキュア~) 
 

フル3DCGによるED映像が最大の特徴のプリキュアシリーズのEDです。


ハピネスチャージ!プリキュア

ハピネスチャージ!プリキュアメンバーのコスチュームに
黒※のベストが採用されている理由は長峯監督はプリキュア10周年ということで
「ふたりはプリキュア」にならって白と黒のコスチュームにしようとした
その名残とのことです。※

※プリキュア新聞P17参照
※ 実際は真っ黒ではなく 色見本282cを使用。


3DCGディレクターは2012年に開かれたプリキュア エンディングダンスの講演会で
説明を行った宮本浩史氏です。

制作スタッフはモデリング2名、リギング2名、アニメーション2名にヘルプ2名の
少数精鋭スタッフで制作。


プリキュア・メモリで最初に印象的だったのはプリキュアの笑顔。
これはフェイシャルリグとブレンドシェイプのハイブリッド仕様にしたことで
これまで以上に3DCGの表情が豊かになった印象を受けます。


本編の2D作画からの3DCGエンディングの差に視聴者が違和感を極力与えないよう
セルルックから少しづつリアルなルックへ変化させる工夫がなされています。

冒頭のキュアラブリーとキュアプリンセスがドロン!と登場する煙の素材に
作画手法が取り入れられている点も新たな試みです。

「ハピネスチャージプリキュア!」の画像はⒸABC・東映アニメーションに帰属します。

キュアプリンセスが腕を上下にスウィングするシーンは3DCGのヌルヌル感を出さず
大味に動かしたことで作画をイメージしたバックのキャラの動きと相まって
よりリズミカル&心地よいアニメーションになっています。

草原でのダンスシーンはキャラクターモデルのテクスチャマップとレイヤーの数、
影とハイライト(光の当たり具合)の複数にわたる融合表現によって
極上の3DCGが出来上がっています。

草原の草がなびく風送りの描写は作画風素材を取り入れたことで
さり気ない演出ながら表現に深みが出ている点も注目でしょうか。

3DCGのみのアニメーションにすることなく、2D作画の手法も巧みに
取り入れて新たな魅力を引き出す動きが確認できます。


♪「プリキュア・メモリ」



ハピネスチャージ!プリキュアでは本編でフォームチェンジアクションシーンに3DCGを導入。

本編での2D作画から3DCGシーンに変わることによって
視聴者に極力違和感(急にぬるぬる動くようになった)を与えないよう、
作画的コマ打ちや演出を取り入れる工夫と配慮がなされています。

よく見ると商品化され、実際に触れることのできるプリチェンミラーのシーンは
コマ抜きしないで忠実な動きにしています。

あらゆるスタイルに変身する東映で培われていた いわば魔女っ子の要素が
プリキュアに組み込まれていますね。

キュアラブリー フォームチェンジ 「チェリーフラメンコ」

スカートのフレア部分が複雑でモデリングに苦労したそうです。
セットアップも一つ一つ調整。

0:15の一部のコマに映る顔ドアップで瞳が強調されたシーンは
実際には3DCGのモデルの首をありえないところまで伸ばして
リグで目の表情を変形させたことでインパクトのあるパフォーマンスを下支えしてます。

ほんの僅かなシーンでも手を抜かないのが素晴らしいです。

CGWORLD誌に載っているチェリーフラメンコの設定画では
キュアラブリーの姿よりも若干成長したスタイルとなっているためか
設定画にあわせて3DCGでの頭の大きさを0.95倍縮小しているそうです。

キュアプリンセス フォームチェンジ 「シャーベット バレエ」

キュアプリンセスが必殺技アラベスクシャワーを敵キャラに与えるエフェクトは
アニメーターが担当したそうです。
3DCGの制作パートに作画班が入ることは今はまだ珍しい事例のようです。

ハピネスチャージプリキュアの3DCGについてはCGWORLD2014年5月号を参照

プリキュアシリーズ エンディング集(YouTube)
(3DCGはフレッシュプリキュア~スマイルプリキュアを収録)

作画時代に比べ、大幅に華やかな印象になりました。
なめらかなダンスが実現できるようになった点は
東映が行った事前アンケートで子供たちが興味を持っていたダンスに
応えられるかたちになったのではないでしょうか。


フレッシュプリキュア ♪「You make me happy!」

記念すべきプリキュア初の3DCGエンディング。
モデリングから納品まで、なんと1か月半で作り上げたという
プロの底力を感じさせるとともに今に至る3DCGエンディングの道を開いた作品。

周囲(関係者)の反対を押し切って2代目プロデューサー梅澤氏が会社を説得し、
3DCG EDを採用した功績は大きいですね。※

※プリキュア新聞9ページ参照



東映アニメーションがアニメ作品のエンディング映像にフル3DCGを導入したのは
フレッシュプリキュアから始まり、ドキドキ!プリキュアで5年目になります。

1作品づつ前期・後期2作品ずつED制作をしているので、TVシリーズでは
ドキドキ!プリキュア(後期)で10作品目になります。

スマイルプリキュア!まで振付を担当したのは
あやや(松浦亜弥)のモノマネでも知られている前田健氏※。
※モーションスーツアクターは行っていないとのこと。

ドキドキ!プリキュアの振付はPerfumeの振付で知られているMIKIKOさん。
Choreo-Director MIKIKO Official Web Site Mikiko Portfolio

制作導入当初は東映のデジタル映像部が別個制作を担当し、
モーションキャプチャ技術については外部の会社から技術を学び、
それから東映デジタルセンターで機材の配備を進め、
自社でのモーションキャプチャー環境を整えたそうです※1。

東映デジタルセンター ツークン研究所

東映のプリキュアEDデジタル制作の詳細について
画像付きで紹介していますのでよかったらご覧ください。

プリキュアのEDダンス変遷の陰にあるアニメ会社のCG表現への飽くなき探求
GigaziNE

『プリキュア』シリーズエンディングダンスの変遷とは、すなわち“揺れ物”進化の変遷 ※1
ファミ通.com

視聴者の子供たちにもダンスを楽しんでもらうため、
振り付けがわかるよう極力全身を見せるEDを制作していましたが、
そうなると引き目の構図ばかりで単調になることから
スマイルプリキュアシリーズから背景にキャラクターアニメーションを組み込む
工夫が行われました。※1参照

スマイルプリキュア! 前期ED 「イェイ!イェイ!イェイ!」 📺 (第1話視聴できます)

背景に各キャラクターのショートストーリー、
後半はCGライティング演出と新たな試みに挑戦。

※後日、画像で紹介予定

ドキドキ!プリキュア 東映アニメーション

後期エンディングではキュアハートとキュアソードにインカムが取り付けられています。
アニメの設定資料ではインカムは描かれていなかったので3DCG制作スタッフ側で
制作を行ったそうです。

【使用ツール(ドキドキ!プリキュア)】
Maya(プリプロ・モデリング・セットアップ・アニメーション・)
dangle Curve・RigDynWindow(モデルの揺れものを制御)

ドキドキ!プリキュア 前期エンディング ♪「この空のむこう」 📺(第1話視聴できます)


PVダンスパートのカメラワークがほとんどのパートで動いてる点は
非常に興味深いです。ダイナミックなカメラワークなどもガンダムUCでの3DCG技術が
東映が参加したモーションキャプチャー技術とともにうまく相乗効果を発揮し
活かされているのではないかと思われます。




ラブライブ!(2期)OP「それは僕たちの奇跡」を観た
http://ameblo.jp/ambt5334/entry-11823593238.html


広がりをみせる3DCG アニメーション

THE IDOLM@STER 輝きの向こう側へ!


TV版でのライブシーンは作画で制作されていたのですがその場合、
観客も入る引きの構図シーンは描き切れないことから
人物に寄ったアングルでの描写に制限されてしまっていたのですが、
3DCGを活用したことにより、会場の広さとフルアングルでのカメラ演出を可能にしました。

スタッフオーディオコメンタリー参照

THE IDOLLM@STER 「M@STERPIECE」 2D+3DCG
3DCGI担当 studio A-CAT・エイトビットロケット・ウェルツアニメーションスタジオ・A-1 Pictures
ダンスモーション バンダイナムコスタジオ
エンディングテロップ確認によるとモーションアクターは10名参加。



「コードレス☆照れ☆PHON」 草壁ゆか(のうりん) 2D+3DCG 
3DCG制作担当 LARX ENTERTAINMENT




ミス・モノクローム ライブパフォーマンス フル3DCG
キャラクター原案 堀江由衣 3DCG制作担当 サンジゲン ・ x10studio 
ダンス振り付け 石川まい(1期ED・コンサート)
こちらの映像は堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~出演映像です
透過スクリーンに映し出された3DCGバージョンのミス・モノクロームがパフォーマンスを披露。
会場を盛り上げます。



「ブルーフィールド」Trident Music Clip (蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-) 

フル3DCG制作を担当したサンジゲンよりMMDユーザーのクリエイターをはじめとする
さまざまなクリエイターの方々が参加してライブ映像を作る企画によって制作されたMV。
3DCGを扱うTVアニメのスタッフとMMDユーザーが協力したコラボ企画という面も
大変興味深い事例です。


※ご指摘いただきましたakiさん、ありがとうございますm(_ _)m



♪「Angelic Angel」 (ラブライブ!The School Idol Movie) 
2D+3DCG  3DCG制作 ILCA 
背景モデル制作 Cheer Digiart Inc.  背景制作協力 Z-FLAG CG TEAM
 
ILCAでは映像制作データ管理ツール群と
カスタムシェーダーの開発が3DCG制作に活かされているとのことです。
参考 ILCA P@pper Vol.04より




団地ともおOP アニメーション制作 小学館ミュージック&デジタルエンターテインメント

トゥーンシェーディングを活用したセルルックTVアニメ最初期の作品。
全編3DCGで構成しています。(2013年4月~2015年2月)
他にもキングダム(1期 2012年6月~2013年2月)など
セルルック3DCGを多用しているTVアニメ作品は存在しています。



安室奈美恵 「B Who I Want 2 B feat. HATSUNE MIKU」

セルルック3DCGモデルと2D調で構成され
安室奈美恵さんがアニメーションキャラとして初音ミクとの共演をしています。



ラブライブ!サンシャイン!! 「君のこころは輝いてるかい?」

ラブライブ!パフォーマンスシーンのノウハウを引き継いでハイブリッド方式で制作。
サンシャイン!!からはモーションキャプチャーから手付けで制作されていると聞いています。
馬跳びのシーンがありますが、3DCGキャラクターが触れ合う動作はマニアック視点ながら見どころ。


 

6♥Princess by Takashi Murakami for Shu Uemura フル3DCG制作担当 STUDIO PONCOTAN



「6HP」はアニメ化されたのですが…以下略。

画像は「KaiKai KiKi Gyalley」よりキャプチャ

 http://kai-you.net/article/12535



映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪ 主題歌「イマココカラ」 ダンス映像
CG監督 加藤康弘氏  ダンス振付 真島茂樹氏



CG専門誌「CGWORLD」が2015年4月号で創刊200号を迎えます。
特集には「アニメCG2015」が組まれ、
「映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪」のメイキングも掲載予定。
詳細はCGWORLD公式サイトをチェックしてみてください。

月刊CGWORLD http://cgworld.jp/magazine/cgw200.html


映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪
http://www.precure-allstars.com/

ああ、そうでした。
なぜ、私が3DCGキャラクターを採用したアニメ作品に魅了されたかというと、
各アニメに登場するキャラクターが成長してゆくストーリーと、
ライブステージ披露の3DCG技術が、
「成長の時期」というキーワードで重なって見えたことが一番大きいと思います。

ロボットアニメの3DCG導入同様、
キャラクターの迫力が作画時代に比べ大幅にアップしていますし、
それが視聴者にもたらす印象やその後の感性やニーズにもきっと影響するはずです。

それと、半世紀以上培われてきた日本独自のTVアニメ(人物描写)のノウハウに
3DCGの技術を組み込んだことで新たな息吹が生じたことはとても大きいのではないかと。

現在では縦横に動くカメラアングルのステージ披露に3DCGが用いられ、
キャラクターのキメ顔や表情は作画を使用するというパターンが多いみたいですが、
今後、3DCGの発展で作画と3DCGを使用する割合が変わってゆくかもしれませんね。

2D作画の良さと3DCGの良さをうまく組み合わせて新たな魅力を作り出していける。
そんな可能性を感じずにはいられません。

いろいろ調べていて、3DCGの制作スタッフさんのとどまることのない
探求心にはアニメの枠を超えて技術者魂をひしひしと感じます。

実はこのブログには続きがありますのでよかったらご覧ください。
http://ameblo.jp/ambt5334/entry-11900597945.html

それではまた。読んでいただき、ありがとうございます。

一応動画はあくまで参考資料で是非BDや番組放送フルサイズ視聴でその魅力を楽しんでみてください。