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今日は、「がん情報」です。

 

国立がん研究センターと東レなどは、血液検査で膵臓(すいぞう)や胆のう・胆管にできたがんを早期に見つける新手法の臨床研究を始めた。血液中を漂う特殊なRNA(リボ核酸)を複数調べ、がんを特定する。たんぱく質を調べる従来の検査より、高い確率でがんを発見できる可能性がある。2017年5月までに有効性などを判定する計画で、早期の実用化を目指す。
 膵臓がんは国内で年間3万人以上の命を奪い、がんによる死亡者数の中で肺や大腸、胃に次いで4番目に多い。特徴的な症状が少なく早期発見が難しいがんの代表例で、診断された時点で手術ができない例も多い。国立がん研究センターがまとめた5年後生存率は1割未満と低い。胆のう・胆管がんも2割程度にとどまっており早期に見つける手法が求められている。
 臨床研究は国立がん研究センター東病院、昭和大学、愛知県がんセンター中央病院、東京女子医科大学、尾道総合病院、神奈川県立がんセンターが参加。今夏から開始した。がん患者や健康な人など500人超から血液を採取し、東レが開発した器具を使って血液中を漂う「マイクロRNA」を約80種類測定する。
 がんの種類によって、異なるマイクロRNAが増えたり減ったりすることが分かってきた。膵臓がんと胆のう・胆管がんの患者に共通する特徴的な数種類のマイクロRNAから、がんを切除できる段階で見つけられるかどうか調べる。
 約80人の患者を対象にした事前の研究では、切除可能な早期の膵臓がんの9割以上が発見できたという。国立がん研究センター東病院の光永修一医師は「これまで見過ごされていた患者を発見できれば、画像検査などで確定診断して早期に治療を始められる」と期待する。
 現在の血液検査では、がん細胞が分泌するたんぱく質を調べる。発見できるのは早期がんの5~7割にとどまっており、がんでないのに陽性と判定される人も1~2割いるという。