トンボに泣いた…! | 天沼 俊

トンボに泣いた…!

ここは漫画家 天沼俊を紹介するブログです。

私はX。アシスタントです。


今日はちょっと専門的な話です。説明も長くなりそうです。

できるだけ簡略化しますが。

 

とにかく今回の原稿は大変でした!

 

実はチーム天沼は前回の原稿よりコミックスタジオプロ4.0を仲間に引き入れ全面的信頼を置いて作業をまかせております。

 

今回も背景の一部やベタ、トーン貼りなど超人的なスピードで

仕上げ(当たり前か…)さあ、あとはデータ送信で送るのみ。

…のはずだったのですが…

 

1回目 数時間送っても「完了」のサインが出ず。


2回目 パッケージ送信というのにすればよかった、と気づき送り直し。


ここまではよかったですかおが、担当Oさんより電話。コミックスタジオのソフトからJPG画像に変換した際に、既定の原稿枠がそのまま残ってる、とのこと。ガーンえっ

急いでコミックスタジオで枠消しの指定をして取り込み直し。

と思ったら今度はもともと調子悪かった送信ソフトがうんともすんとも言わなくなったガーン


ひえ~~~っ!時は金曜の夜、Oさんは土、日をはさむのでうろたえながらも最悪月曜でもいいと言ってくれたので、


3回目 土曜の朝、セブンに走り、速達メール便で取り込んだCD送る。


やれやれ、と思っていたら日曜の午後、再び電話。

今度はトンボが消えてないページがある、とのことショック!


(トンボとは、ページの中央やラインなどを合せる目印。印刷用語)

そんなはずは…、そんなはずは…、何かのまちがいでは?

開いてみるとたしかにトンボ、しかし、残ってるページが8割、2割はなし。なんで?でも早くやらなきゃで、コミックスタジオを開いて愕然…。

作品のファイルがなくなってる…叫び


足元からすぅーっと黒い闇に落ちていく感覚。

と、いうことはもう手作業でトンボを取り除いていくしかないしょぼん

Oさんに明日の朝になると電話して作業開始。

1ページに8か所のトンボ印。

背景が白いところはすぐに消せるけど、スクリーントーンにかかったりしてるとこは絶望的。画面を最大まで大きくしてドットとドットの間にある線を消していく、という気の遠くなるような作業をひたすら続けた…!

そして


4回目 今度は集英社からバイク便が来た。すぐにCDを渡す。


今度こそ終わった?と思ったのもつかの間、Oさんから、集英社のパソコンはウィンドウズなのでファイルが開けるけど製版所のパソコンはMacなので開けない~とのこと。

ファイルを開き、1枚1枚CDに移し…


5回目 お願い、今度こそ最後でね、とバイク便さんを見送る。午後3時。


最後は入社2年目の担当Oさん、さすがに声がうわずってた。

 

ついについに入稿できた。ほーっ!!

でも、トンボが1,2匹どうやらまだ生息してたらしい。

(でも、もういいですね、と言われた)

 

今度の原稿を読んでトンボを見つけたら、戦空に散った仲間の残党と笑ってやって下さい。


「戦空の魂 -21世紀の日本人へ- 余命12時間」


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