「七夕の夜に」(読み切り小説?) | ☆ア・マ・ミ・ン♪

「七夕の夜に」(読み切り小説?)


sirakaba



   
「七夕の夜に」 (読み切り小説?)
※フィクション + ノンフィクション・・・?
   
   
あれは、
ずいぶん前の、
七夕の日だった・・・
 
朝9時の待ち合わせで、
智子の家から、
少し離れた所に車を止め、
彼女を待っていた。。。
 
 
ある事情があって、
智子との仲は、
誰にも内緒にしていた。
智子の家族にも、
知らせていない・・・
それで、
彼女の家から少し離れた所が、
待ち合わせの場所になっていた。
 
それは、
彼女が、
数ヶ月前、
別の男と結婚する予定だった・・・
仕事を通じ、
彼女の上司などから、
そういう話は聞いていた。
それで、
あまり興味は持たなかったし、
あまりかかわらないようにしていた。。。
 
相手は、
出入りしていた業者の、
少し歳の離れた人で、
上司の仲立ちによるものだったらしい。
 
ところが、
若い男っ気のない職場で、
私が目立ったのか、
あるときから、
私に好意を寄せてきた。。。
 
忘年会が、
宴会場のある会席料理店で行われた。
地元では、
数少ない宴会場のある店だったが、
なんと、
私の祖父の回忌の供養を行った店だった・・・
しかも、
部屋がいくつもあるのにかかわらず、
まったく同じ部屋で行われた。
陰と陽、立場が違うけれど、
まったく同じ部屋で、お酒を飲むことに、
不思議な感覚に囚われた。
何か、強い因縁を覚えた。。。
 
その時点から、
彼女の行動が、
いつもと違うように感じていた。
そして、
その二次会で、
彼女の真意を知ることとなった。。。
 
それからは、
ふたりの仲は、急速に深まり、
ディズニー・ランドや、
サマー・ランド、
房総半島一周などと、
休み毎に、
あっちこっち出かけた・・・
今回の、旅行も、
その一環だった。
なによりも、
私の誕生祝いを兼ねての、
初めての泊まりがけ旅行だった。
もちろん、
彼女の家には内緒で、
女友達と行くということに、
なっている。。。
 
 
9時近くなって、
向こうの方に、
彼女の姿を認めた・・・
ニコニコしながら近づき、
乗り込んできた。
「おはよう!」
「オハ・・・」
「何とか、
 天気は良さそうだね・・・」
「行いがいいからネ・・・」
 
さっそく、
愛車のマークⅡを走らせ、
浦安から湾岸高速に入り、
首都高を、
箱崎から新宿、
中央高速へと向かった・・・
新宿の副都心の高層ビルが見えてきた頃、
前を、大型ダンプが塞いだ。
この先の、中央高速への分岐があるので、
左車線を走っていたが、
もう少しの所で、
前を塞がれてしまったのだ。。。
 
ま、それでも、
音楽を聞いたり、
話に夢中になったりで、
苦にはならなかった・・・
しかし、
それが油断だった。
大型トラックにくっついて、
いつの間にか、
一般道へ続く出口へ向かっていた。
左の壁沿いに、出口となっていて、
前が見えず、気がつかなかった。
車間距離は空けるものだと、
改めて思った・・・
しかたなく、
次の入り口から乗り直したが、
この日の・・・
いや、
その後のふたりの関係を、
暗示していたかのようだった。。。
 
あとは、快適な高速道のドライブで、
所々、富士山を横目で眺めながら、
山間部の曲がりくねったハイウェイを進み、
石和温泉、甲府、韮崎を抜け、
諏訪湖に向かった。
諏訪の手前の茅野で高速を降り、
白樺湖につながる、
ビーナス・ラインに入った。
 
途中、
私が絵が好きなもので、
マリー・ローランサン美術館に寄り、
ロマンチックで、
淡い色彩の絵を堪能し、
再び白樺湖へ向かった。
ビーナス・ラインは、
ほとんど木々に囲まれ、
林の中を抜ける、
曲がりくねった道で、
さわやかなイメージである。。。
 
目的の、白樺湖に着いた。
何度か、スキーで来ていて、
懐かしい所である・・・
しかし、
夕方までには時間があり、
予定通り、
さらにビーナス・ラインを進んで、
美しヶ原高原美術館へ向かった。
箱根・彫刻の森美術館の姉妹館で、
是非行ってみたいと思っていた。。。
 
ところが、霧ヶ峰辺りから、
霧が濃くなり、
速度を落とさなければ
ならないほどになってしまった・・・
途中、
晴れた所から見ると、
雲の上にいるようだった。
まさに、
『霧ヶ峰』で、
比較的、霧の多い所とのこと。
なんとか、
美しヶ原の一つ手前の、
ドライブインまでたどり着き、
お土産を買いながら、
様子を見た。
一向に晴れる気配もなく、
時間もかかり、
あとの予定もあったので、
やむなく断念した。。。
   
白樺湖に戻り、
宿に入った・・・
本当は、
テレビでCMをやっている、
遊園地のあるホテルに、
泊まりたかった・・・
白樺湖に決定したのが遅かったため、
予約は満杯だった。
それに比べれば、
かなり規模は小さいが
少し旅館風の、
普通のホテルだった。。。
 
浴場は男女別々で、
個々の部屋にも、
システム・バスはあったが、
分かれて入って、
浴衣に着替えて来た。
食事は、
大広間で、
他の客との合同だった。
家族連れの多い中、
ふたり連れで、
少し、恥ずかしい感じがした。。。
 
部屋に帰って、
しばらくして、
星空を見ようと、
彼女を庭に誘った・・・
なんていったって、
今日は、『七夕』。
年に一度、
織り姫と彦星が会える日である。
しかし、例年は、
梅雨の狭間とあって、
まともに晴れた日はない。
今日は、
比較的、晴れている日である。
とはいえ、
午後から、雲が多くなったせいで、
所々にしか、星は見えない。
いくら天文に明るい私でも、
残念ながら、
ふたりの姿は確認できなかった。。。
 
改めて部屋に戻ってからは、
テレビを見ながら、
初めてのふたりだけの長い夜を、
楽しんだ・・・
というのに、
かかっていたのは、
ホラーの「エクソシスト」!
なんで、七夕の夜に、
「エクソシスト」なんだと思いながら、
他チャンネルに変えず、
ロマンチックに「エクソシスト」を、
見ていた。。。
 
ハプニングや、
予想外のこともあったが、
淡い想い出として、
なんとか、
その日の夜は暮れていった。。。
 
やはり、
ホテルというよりは、
旅館だった・・・
用意されていたのは、
二組の布団だった。
気を利かせてか、
寄せて敷いてあった・・・
シングルふたつを、
つなげてダブルにして、
ふたりだけの、
初めての、
長い夜は、
ロマンチックに、
天の川の中を、
漂っていた。。。。。。。
 
 
 
 
 
 
 
○☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆ *:..:,。*:..。o
 
今日は、
旧暦七月七日。
本来の七夕の日です。
仙台などでは、
旧暦七月七日に近い、
毎年8月7日に「七夕祭り」を、
行っているようです・・・
 
今年は、7月7日から、
丁度1ヶ月の、
今日8月7日が、旧暦七月七日となりました。
 
この小説?は、
何ヶ月も前から、書き始め、
私の誕生日、
7月7日に間に合わすつもりでした。
ところが、
時間に余裕がなくなり、
間に合わず、
今日8月7日を再目標に考えてきましたが、
本当に、ギリギリ、出来上がりました・・・
出来上がったとはいえ、
見直す時間もありませんので、
手直ししたい所や、
書き換えたい所もありますが、
これ以上、
先送りするわけにはいきませんので、
やむなく終稿とします。。。
 
2008.08.07.
天海竜真amami
 
 
 

☆.。*・゜゜‥*。..。o○☆.。*・゚゚‥*。.
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2008-08-07 23:07:07