妄想小説【If...!?】 55
僕は相変わらずベッドにうつぶせていた。
さっきから連続で携帯が鳴って僕にメールを知らせる。
僕はそれを開きもせずにただうつぶせて一点を見つめていた。
『ミウ...』
なんとなく声に出してその写真を見つめていた。
写真の中の僕は、自分で言うのもおかしいけれど、とても優しい目でレンズを見つめている様に見える。
見ているのがレンズかどうかはわからないけれど。
僕は何を見ていたんだろう?
ユチョンが部屋に入ってきてうつぶせている僕を見下ろしている。
『何?』
『何って...こっちが知りたいけど?』
『何を?』
『携帯、めっちゃ光ってるじゃん?メールじゃないの?』
『ああ...うん、そうだな』
『はぁ...』
ユチョンと一緒に入ってきたのか、いつからいたのか、ミュウが僕のベッドに飛び乗って、僕の隣に寝そべった。
(ジェジュン...淋しそうな目だね...)
『いや...そんなことないよ?』
うっかり答えるとユチョンが驚くほど早く振り向いた。
『ほら!やぱり変なんだよ、ジェジュン!!今また喋ったでしょ、誰かと?ほんと、どうしたんだよ?』
『喋ってないって...』
『いいえ!喋りました!』
『喋ってねーよっ!ひとり言って言ってるじゃん!』
僕は慌てて少し大きな声を出してしまった。
びっくりしたミュウはユチョンに飛びついた。
『ミュウ...ごめん...大きい声出して...』
大きな声なんて上げる自分が嫌で、僕は枕に顔をうずめた。
ミュウを抱きながらユチョンが僕のベッドの上に座った。
『ちょっと起きて?』
そう僕に言うユチョンの言葉に従わずに、僕は顔だけをユチョンの方に向けた。
『めんどくさい...』
『あのさ...何かあるなら言ってよ?すごい気になるじゃん?』
『別に...』
僕はそう言ってまた顔を伏せた。
『ジェジュン!...ああ...もう...ねえ、ミウちゃん...元気?』
僕は何も答えずにいた。
『喧嘩した?それとも...だめになった?』
僕は黙ってうつぶせから仰向けになった。
ユチョンを見ると、ミュウがその腕から顔を出して僕を見つめていた。
『喧嘩...か...あっは!そんなのしてもないよ』
『じゃあ元気なの?最近会ってる?』
『会ってるよ、毎日ね。...ミュウ、おいで?』
ユチョンの腕から飛び出して、ミュウが僕の脇に入り込んだ。
(ジェジュン...あのね...)
僕は言葉にせずに自分のくちびるに指を一本あてて彼女を黙らせた。
『とにかくさ....今日はもう連絡あった?なきゃ変だしな....』
『え?何が?』
僕の返事にユチョンの顔は、冗談でしょ?という表情になった。
『え...ジェジュン?だって、もう12時過ぎたから今日誕生日でしょ!』
『...あっ』
『あははっ!ちょとお...だからさっきからメール入りっぱなしなんじゃん。大丈夫っすか...ほんと』
そうか...今日は僕の誕生日なんだ。