妄想小説【If...!?】 39
『おいーっ...お前の枕、なんで仕事部屋にあるんだよ?』
『何、ジェジュン?...え...えっ?!どこにあったの?』
私と枕を両腕に抱えて彼がユチョンの座っている後ろに立った。
神様からのメールで、私の所にきていたユチョンの枕はこの家のソファーの下に戻したと書いてあったけれど、ソファーと言ってもどのソファーなのかがわからなくて、後でミュウに戻ったら探しに行こうと思っていた。
ミュウならばソファーの下など、いつもの遊び場だから。
そしてさっきミウの私が偶然見つけた枕を、彼が今ユチョンに返してくれている。
『なんで枕なんか持ってったの?寝てたの?無くなったの俺かチャンミンのせいにしてさー!!』
ジュンスが少し怒った様にユチョンに言った。
『寝てねーよ!なんでそこにあったのか俺が聞きたいよ』
『枕持って何してたんだか...ふふ...』
チャンミンがそこに加わると、彼はそっと振り返って玄関への廊下へと私を抱えたまま音をたてずに出てきた。
『そのうち俺の話になりそうだからね...あっは...』
廊下にあぐらをかいて壁に寄りかかると、彼は私を膝の上に乗せて携帯を取り出した。
そしてどこかに電話をかける。
『やっぱり出ないんだよね...』
その電話の相手はミウ?
ならば出るわけがない。私はここに、今あなたの膝の上にいるのだから。
『ねえ...ミュウ...何でミウはあんまり電話に出ないんだろうね?寝ちゃうのかな...よく家で寝てるからな...あっは!』
夜になるとこんな彼をよく見る。
この家にミュウとしている時間には、いくらその電話に出たくても無理なのだ。
今その携帯は、誰もいないあの家のベッドの上で淋しくてブルブル...とふるえている。
そんな事を知るわけもない彼がミウに電話をするのは、仕事が終わって帰ってきて眠る前の遅い時間だ。
私はここにいるのに、私の声を求めて淋しい顔をする彼を見ると悲しくなる。
大好きな綺麗な彼の目の色がくもっていく。
そんな時の為に私には練習している事があるけれど、それもうまくできないままで少しイライラする。
携帯を見つめて下を向く彼の腕をよじ登る。
『ん...何?』
耳元に顔を近づけて声を出してみる。
『ニャ...グゥグァ...』
『あっは!なんだよ、ミュウ?お前たまに変な鳴き声出すんだよな..それに登ってくるからお前の爪で腕傷だらけじゃん!.あはは!変なの!』
やっぱり今日もうまくできなかった。でもそれで彼が面白がって笑ってくれれば、それはそれでいいのかもしれない。
私は一生懸命彼を呼んでいるのに。
『ジェジュン、ここにいるよ?』