テナントに入っているお肉屋の社長とそこの部長が店に
訪ねて来た。
なんだろうと思ったら競合店の影響で売上が落ちている
ので助けて欲しいということだった。
やるのはいいが運転資金が足りないということでどうした
ものかと思ったが、当時は近隣の店も早く閉店していたの
で営業時間を伸ばして売上でカバーしようと考えた。
どうせ、オープンケース(店内の冷蔵設備)も動きっぱなし
なんだから人件費と照明代ぐらいが余計にかかるぐらいで
10万円でも売上が伸びればいいと思ったのだった。
2時間延長するだけだからそう期待はしていなかった。
夜10時までにしたのでアルバイトは男の子を雇うことにし
た。
3人雇ってどうせ暇なのだから掃除ができるように結婚式場
で使われている100万円ぐらいの掃除機を買った。
店内を押して周ると勝手に綺麗になる業務用洗浄掃除機
だった。
当初は近くの食堂から丼ものを毎日アルバイトにとってあげた。
契約時は食事付きではなかったが、深夜なのでサービスの
つもりだった。
しかし、2週間ほどで売り上げが伸び出し、アルバイトが食事
を食べる時間がなくなっていった。
近隣で深夜まで開いている店がなかったため、口コミで客数
が増えていったのだった。
1っヶ月後には2時間で30万円をあっさり超えてしまったのだ
った。
後にそのアルバイトの2人は正社員として我が社に入ってくる
のだった。
当初は深夜に店内を掃除するのに3人体制をとったのに思いが
けないほど売り上げが伸びていくのだった。