事件の真実





食品会社の担当者Tの商談が遅くなって閉店時間を


過ぎても終わらなかった。


その担当者は背が高く、いかにも体育会系だ。


私と部長は中学生の時に、雑誌などで幽霊が出ると


有名になっていた弁天池というところに、悪ガキ7人


グループで深夜に怖いもの見たさに行ったことを


話した。


するとTは「私もよく見たんですよね~。」といいだした。


「ええ~~~~。」


私も部長も興味津々だった。


Tは語りだした・・・


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学生の時に帰り道、いつも夜池の側道を通って帰って


たんですよ。


そしたら夜なのに一人でイケの淵にある木に寄り添って


女の人が立ってるんです。


でも気にしないでいつも通り過ぎてたんですよ。


でもある雨の日にそこを通ったらいつもいるに、いないので


今日はいないなと思ったら、池の上に立ってたんです。


私は怖くて怖くてその日からそこを通って帰るのを


やめたんですよ。


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実は私も怖い体験があるんです。


今度は私が幼い時の体験を話すことにした。


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私の家ではお盆と正月には家族で車で旅行に行くのが


慣例だった。


お盆は南の方に、正月は北の方に行くことになっていた。


家族は父、母、弟、妹、私の5人だった。


私はたしか小学校の6年だった。


別府の方に車で旅行に行った時のことだった。


毎年、行き当たりばったりでそのときはホロのついてる


ダットサンで出かけていた。


一応、泊まるところがなかったらいけないので、車に


毛布を積んでいたが、夏なのでとても暑くて車の荷台で


寝るには厳しかった。


そこは海に温泉が湧いていて、お昼は熱くて入れないが


夜は潮が満ちて海に入れる温度になる。


なんと95度の温泉が湧いている場所だった。


母は、泊まるところを探しに色々まわったがどこも満員で


泊まれない。


最後にその温泉が沸いてる海の前のホテル「つたや?」


だったか・・


幼かったのでホテルの名前は不確かだが、そんな名前の


ホテルだった。


母は、ホテルの人に泊まれないか聞いたが部屋は空いて


ないと言われた。


しかし、母は「布団部屋でもいいですから泊まれないですか


。」と聞いた。


従業員2人いたのだが、一人が「少し待っていてもらえます


か?。」と言った。


そしてしばらく駐車場の車の中で待った。


なかなか連絡がなく車の時計を見ていたが30分も待たされ


た。


30分後にまた従業員2人が来て、「部屋のお風呂は使えま


せんが、それでもよかったらいいですよ。」と言ってきた。


暑かったので助かったと思った。


そして部屋に案内された。


そこは別館の地下1階にある部屋だった。


部屋はきれいなまだ新しそうな部屋だった。


しかし、そんなきれいな部屋なのに突き当たりの部屋のお風呂


があるところの格子戸に【キ】のように板が五寸釘で打ち付けら


れてあった。


私は子供だったのできれいな部屋なのに五寸釘でお風呂の


エントランスに入れないように釘を打ち付けてあるのがおかしい


とおもいつつも、格子戸に鍵はかかっていたが、回して開ける


ものだったので隙間から回して開けるときれいな部屋で何も


問題があるようなところとは思えなかった。


寝る時間になったので電気を小さな豆球だけにして寝た。


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  ・         鏡台             入口


風 ・


呂 ・   父  妹  母  私  弟


  ・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


このような並びで寝た。


私は部屋にかかっている日本人形のような絵の書いてある


額が何か怖くてなかな寝ることができなかった。


しばらくすると壁にヤモリが2匹張り付いているのに気づき


怖くて親を起こした。


母はフロントに電話をした。


しばらくして従業員2人が来てヤモリを捕獲して帰って行


った。


牛業員はもう一人の従業員に「ヤモリは家を守るって言


っていい生き物やぞ。」と話しながら帰って行くのだった。


私は部屋の異様な雰囲気になかなか寝付けなかった。


怖いので顔まで布団を被って母の背中に張り付いていた。


すると入口の戸がスーと開く音がした。


「ええ~~~ww」誰が入ってきたんだww


ペタペタと畳の上を裸足で歩いてくるのがわかった。


そして鏡台の前の座布団に「バサッ。」と座る音がした。


私は怖くて観ることができない。


「なんでみんな寝てるのがわかるのにじっとしてるの・・。」


そう思っても怖くて観ることができない。


髪の毛をといている様な音がした。


「女の人のようだ・・・怖さがましてきた・・


布団をかぶっているので暑くて限界に来てるww


寝返りを打つフリをして息をしたがやっぱり怖くて観ることが


できない。


「いつまでいるんだ~~~。」とおもってもどうにもできない。


半時間ほど過ぎた時に表から「お~いそこちがうぞ~」と


男の声がした。


その人は立ってまた「ペタペタ。」と歩いて出て行った。


でもどう考えてもおかしい・・・


出て行ったと油断させて顔を出すと「やっぱり起きてたな~。」


と言われそうな気がした。


怖くてずっとねることができない・・・・


暑さに耐えながら朝になるまで我慢した。


朝になって私はきっと昨日のことは夢だったんだ・・・


寝ていないがきっと寝てたんだ・・・


確かめるために母親に「昨日誰か来た?。」と尋ねた。


母は「昨日、女の人が入ってきたけどしばらくして男の


人がそこ違うぞ~って言ったらでていったよ。


ここでなにかあったんやねきっと。」と言った。


私は子供ながらに初めて腰が抜けて動けなくなった


のを今も忘れられない。


母は霊感体質で昔から寝ていたら女の人に首をしめ


られたとか、鹿児島の母の家を管理してもらっている


4~5年会ってないおじさんが、昨日の夜に訪ねて来た


というのでそんな馬鹿なと思っていたら翌日、亡くなった


という電話が入ってきたりした。


本人は「虫の知らせ。」だと簡単に片付けるが、私は


怖いぞ~~と思っていたのだった。


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まぁ会社の話とは全然違うけど、その話をしたら


急にみんな帰って行った。


いつか時間ができたら実際に何かあったのか


聞いてみたいし、もう一度行ってみたいとおもう


今日この頃だ。


とおもったが




もし、このブログを観たその地域の人がいたら


そこで何かあったのか、何もなかったのか


聞いてみたい。






ペタしてね