事件の真実


市役所にて

私はM市役所の開発課へ行った。
奥へ通されたとき、職員はカーテンを閉めた。開発課もどうい

う内容かは覚悟していたようだった。
開発課のメンバー4~5人と話し合いが始まった。
私は、いままでがまんして話し合いに応じてきたがもう限界

に来ていることを話した。
しかし、私としては話し合いが終わるまではオープンしない

と約束しているのでうそつきと言われるのは、たとえ市場の

引き延ばし、つぶす手段としても耐えられないので、一度出

店は取りやめたいと申し出た。
そして200平米以内の市条例にかからない店舗でオープン

したいと申し出た。
開発課はその申し出を聞き「出店の取りやめはしない方がい

い。

オープンするなら今のままでした方がいい」と言った。
出店の申請を取りやめてから出店すると、こちらにとっては

不都合な事態があることを案に知らせてくれているようだっ

た。
そして「開発課としては、これ以上話し合いをしてくれとかは

言わないので一つだけお願いがしたい。

オープン前日は近隣の市場などから私どもにオープンをやめ

るように説得しろといわれると思う。その時には私たちを中に

入れてほしい。

あなた方も決して話し合いをする気はないと思うし、私たちも

そのきはないのでとりあえず中にいれてもらえば30分ぐらい

中でじっとさせてほしい。
そうさせてもらえれば、あとはでていくのでそのことだけはお

願いしたい。
そしてこのことは秘密にしてほしい。もしわかればみんな首が

飛ぶ」言われた。
私は了承し、市役所を後にした。


開店前夜
数十人の近隣の市場や商店主が店の前に集まり、騒いでい

た。
隣のパン屋さんがみんなに飲み物をくばり盛り上がっている。
その中、以前私が話し合いをしてほしいと言ったが中に入れて

くれなかった店長がみんなに「お前が応じなかったから話し合

いがなくなった」とせめられていた。
その時にわたしあてに電話が入った。
私がでると名前も言わず「私は一市民だ。話し合いが終わって

ないのに何故開けるんだ。
みんな決まった器の中で商売をしてるんだから、話し合いをする

のはあたりまえだ。」と言ってきた。
私は「器は決まっててもあんたのような営業努力が足りない人

がいるから、お客さんがみんな駅のほうまで流れていくんじゃな

いですか。

それに貴方は酒屋の○○さんでしょ。何回も話し合いの説明書

を配って回ったのでわかりますよ。

自分の名前も言えないような人間が講釈たれんな。

俺はちゃんと名前さえ言えばいくらでも話はしてやる。あなた方

が姑息なことしないかぎりはね。」と言って電話を切った。
8時から9時ぐらいだったか、市役所の開発課の人が「中に入れ

て話をさせてほしい」と言った。
私は約束どうり、中に入ってもらった。
そして30ぷんすると約束どうりに中に入れてくれたことを感謝し

ているといい、でていった。

オープン
オープン当日も店の前で市場の人たちによって反対のビラが配

られた。
店内でどんな妨害があっても私たちは負けないと言うテープを流

した。
いままで立ち会ったオープンではどんな小さな店でも400~500

万円の売り上げはあったので170万ちょっとの売り上げはいまま

でで最低の売り上げだったが、店をとりあえずはオープンできた喜

びで、自分の中ではたとえつぶれても、開けないでつぶれるので

はないことがおおきな喜びだった。

開店後も、市場の人たちは店の前で「この店は認めていない違反

店です。

M市役所」とか「この店は米の無許可店です。」「市の条例違反店

です。」などのビラをお客さんに渡したり自転車のかごに入れたり、

店の反対側の歩道からスピーカーで呼びかけたりされました。
すべての納品業者に「あの店に納品するなら市場関係は取り引き

しない。」という妨害もありましたが、かえって納品業者は「最後ま

で応援する。」といってがんばってくれました。
まけないでがんばってる私たちを見てお客さんも「私らは安かった

ええんや、反対する暇があれば自分の市場のほうでがんばったら

いいのに。

応援するからがんばり。」といってくれました。
さすがに反対してる市場の人も、他の地域から呼ばれていた市場

の人は「自分たちの商売がある。」といって来なくなり、近所の市場

の人もだんだん少なくなっていきました。
反対も一週間ぐらいで終わりました。

後に売り場を広げるために市に相談に行ったが開発課は「もともと認

めていない店舗ですから広げても関係ありません。」と言って少し笑

みを浮かべていた。