事件の真実

当時の出店状況
店の売り場面積によっては市によりいろいろ決まりがあり、

500平米以上は大型店舗法により管轄が府になるわけで

すが、大型店舗法だと申請を通すのに確か最短でも9ヶ月

かかり(抜け道はあるのですが)、通常は500平米以内の

店舗を作るわけです。

それでも200平米以上(市によって異なる)は市条例により

市の要綱(強制的な抑止力はない)にしたがうため、200平

米以上のスーパーの出店に対しては市が近隣の市場との調

整に時間がかかっていた。
調整によりなかなか出店できないスーパーや出店をあきらめ

るスーパーもあったほどだった。
だから当時は200平米以内の出店が多かったのである。

私は1号店をM市に出店する際に、市条例により市場との話

し合いをするのを避けるため200平米以内の売り場面積だっ

た。
しかし近隣の市場の代表であるU氏が、出店するのに少しで

も店頭に販売物を出しただけで200平米をこえるんなら(催事

で常時でなければ問題はない)、話し合いを持ってすっきり出店
したらどうだという申し出があった。
私はそれもそうだとおもい、近隣とも仲良くしていかなければ

いけないと思い話し合いをする意向をM市の地域振興課に申

し出た。
しかし地域振興課は売り場が200平米を越えないと調整する

物件にはならないと言った。
話し合いをしてすっきり出店したいだけだといったが、それだけ

の理由では受理できないと
言うことで、売り場面積を270平米で申請することになった。


市場と近隣店舗との話し合い(1)

売り場を270平米でM市に申請し、近隣の商店や市場と話し

合いをすることになった。
市の開発課も立ち会い第一回目の話し合い。
近隣の市場の代表U氏から、「当初は200平米未満だったの

に、いざ話し合いをする事になったら270平米とはおかしいん

じゃないか。」と言われた。
私は話し合いをするのに200平米を越えないといけないので、

店頭で催事したときのこともいれて270平米にしたと説明した。
U氏は「今も工事をしてるんじゃないか。話し合いがついていな

いのに工事をすること自体おかしいんじゃないか。

話し合いに応じている我々の気持ちを逆撫でするようなことして

いいのか。」と言われ、話し合いがつくまで工事はしないと約束

しろと言われる。
私は「いったん工事は中止し、話し合いを優先する」と言った。
U氏は建物を倉庫から店にする用途変更届けを府庁にださない

といけないことや、いくらで場所を借りてるかとかオープンの予

定日などを聞いてきた。
私は80万円で借りていることを言うと、市場のみんなが「素人

がそんな家賃でやっていけるわけない。」とか「家主にだまされ

てる」とかめいめい、すきなことを言われ、今日のところはここま

でと言われた。
私はまた明日話し合いをしてくれと頭をさげたのんだ。
長引くと資金がなくなり終わってしまうとのおもいから、涙目に

なっていた。
Aショッピングセンターの代表が「明日も集まってあげようや」と

言ってくれたが、他の人は「仕事もあるのにそんなことできるか!

勝手なこと言うな」と罵倒された。

用途変更
私は用途変更をするために府庁に行った。
さすがに府庁。たくさんのひとがいて、大きくてどこにいけばよい

かなかなかわからなかった。
いろいろ聞いてやっと場所が分かり、用途変更をする課にたどり

着いた。
すると何も言わないのにその課の人が、「Oさんですね」と言って

きた。
はじめていく場所で全然知らない人に、それにたくさんの人が出

入りしているのに何故私を知っていたのか、わたしは驚いた。
府庁の担当者の話を聞くと、用途変更はするのに手続きでたし

か2~3万かかると言うことだった。
でも、話し合いで開店が遅れることを考えると2~3万でもきつか

った。
用途変更をしないでやってるところも多いとのことだったので話を

聞いて帰った。

2回目の話し合い
2回目の話し合いを持った。
私とY社員二人で話し合いにのぞんだ。
どの地域まで「話し合いがあるので来てほしい」と言うことを言って

まわったか聞かれたので説明したが、「ある店のお菓子屋さんが

来てないんじゃないか」と市場の代表のU氏が言った。
何処まで回ったらいいかを私は事前にU氏に聞き、U氏はここまで

回ったら誰も文句は言わないだろうと言ったところはすべて回った

が、そのU氏がまさかそんなことを言うとは思っていなかった。
U氏はこれでは話し合いにはならないといい、みんなに帰ろうと呼

びかけ、話し合いは終わった。

このままでは引き延ばされて話し合いは永遠に終わらないと思っ

た私はM市役所の開発課に相談した。
開発課は、M市にあるMショッピングセンターに全国市場連合の

副会長がいるので中に入ってもらうので今度はうまくいくでしょう

と言った。
私は開発課の言うことを信じて、3回目の話し合いの場にのぞんだ。

3回目の話し合い
M市の開発課に場所を確保してもらい、3回目の話し合いが始まっ

た。
私の売り上げ予想の資料には一日の予想売り上げは100万円

で設定されていた。
何故100万になるかを聞かれ説明した。
売り上げの各部門、肉、魚、野菜、日配、食品、雑貨など、何故

そう言う比率になるかなど実際にはオープンしないとわからない

あくまで予想なのに、そんなどうでもいい質問ばかりをされて無

駄に時間が過ぎていった。
年間の休業日数のこと、営業時間のこと、それぞれを周りの市

場たちの都合のいい日にしろというような事を言われた。

私はどうしてもオープンしたいのでできる限り従うことを約束した

が、それでも納得いかないことを言われた。
私はこのままでは全然進まないので、話し合いがつくまではオ

ープンしないので工事をさせてほしいと提案し、なんとか了承し

てもらった。
その場にいた市場の代表のU氏は、「陳列台の方向の問題も

次の話し合いでやらないといけない」と言った。
私は「陳列台の向きなどは店の問題なのにこいつは馬鹿か」

とおもい、そこまでしてオープンをのばしたいのかと思った。
話は決着を見ないで次回と言うことになった。
私はがまんも限界に近かったが、何とかもうすこしがんばろう

と思った。
開けてしまえと言う声も多かったが、我慢してる私の姿を社員

は知っていて「一番オープンしたいのは社長だ。

社長が我慢してるのだからみんなも我慢しよう」と、社員も業

者に説明してくれていた。

私は限界になる日にオープン日を設定していてそのチラシが

できあがっていた。
チラシを作るのには時間がかかるので、どうなるかはわから

ないがチラシだけは見切り発進していた。
事務所でチラシ業者をまじえ、みんなでチラシを見ているとそ

こに市場のU氏が現れた。
なんとチラシ業者はその人が誰か知らないのでそのチラシを

見せて話をし、U氏がそのチラシをわけてくれと業者にいい、

なんと業者はわたしたのだった。
最悪だと思ったが、私にすればその日にオープンできそうにな

いので、それを理由にチラシ業者にその分のチラシ代は払わ

なくてよくなり、ラッキーとなった。
その場で私はU氏に話し合いが終わっていないのでその日に

オープンはしませんと言った。
しかし、U氏の市場はその日にかなり安い売り出しのチラシを

入れて市場は私が約束を無視しオープンすると思っていたよう

だった。

4回目の話し合い
市の開発課とまた話し合った。
開発課は「今度は大丈夫でしょう。市場連合のIさんも今度は

話を付けると言ってくれてますと言うことだった。
そして4回目の話し合いに望んだが、やはり話は進まなかった。
U氏の市場の店長が「話し合いがつくまで出店しないと言う約

束をもう一度はっきりとみんなのまえでしてほしい。

そうでないとこの前のようにチラシができていて無視してオープ

ンするかも知れないという不安から、無理して売り出しをして

損がでる」ということだった。
私は「そっちが勝手に思いこんでやったことなのによく言う」と思

ったが、約束した。
しかし、その日も話し合いはつかなかった。

私は、次の日にU氏の市場に行き、また話し合いをしてほしいと

いう趣旨の用紙を配りに行くと店長がそんな用紙は受け取れな

いと言われた。
私は、とりあえずみんなに配らせてくれと言ったが、店長は店に

は入ってもらっては困る。
俺が店に入るのを認めないと言われた。
私は事務所に帰った。
事務所に「そのうちに引き延ばせばつぶれるだろう」と市場連

合のI氏が言ってるという噂も入ってきた。

私は強行でオープンする決意をした。