朝採れの野菜を届けに行ったオーナーは、
そのまま店から出てこない。
レストラン横の
緑いっぱいの枝を広げたの駐車場は、
ちょっとやそっとの雨ぐらいだったらしのげるぐらい深いのに。
突然の大雨と雷に、それらはただ、ただ、垂れ下がるだけだった。
よりにもよって、4月9日のオープンは、
日本人が忌み嫌う縁起の悪い日だったんだよなぁ・・・
と、気がついたのは一週間ほど前のことだった。
下働きをしてくれていたコックさんは今日、違うお店へ行ってしまう。
一度も私と顔を合わせることはなかったけれど、
暑い中、アーズデイではチャパティを焼き続けてくれたんだ。
短い間だったけれど、お世話になりました。
一人残ってしまうコックさん。
インドのタージホテルから、引き抜かれて、
東京のレストランで7年働いていたベテランのコックさん。
話し相手がいなくなってしまうのだから、
きっと彼が一番さびしいのだろう。
暇な時間がなくなりますように。
顔なじみのお客さんがたくさん、たくさん来てくれますように。
激しい雨は、
みどりの葉っぱを磨き上げた。
お料理を作ってくれるバットさんです。よろしくお願いします。