<むつみ>

さて、


12月25日にシネモンドさんの試写で
「アメリカばんざい」という映画を観ました。


若者が、大学に行く資金ほしさに軍隊に入隊する。
貧しさから抜け出すには入隊しかなかった。
格差社会が戦争を助長している。
軍隊でのトレーニングで、フツウの若者が殺人マシーンになる。
ベトナム帰還兵の多くが、ホームレスとなっている。
イラク帰還兵の多くがPTSDなどを発症し、放置されている。
戦死した兵士の母親などが、イラク派兵に抗議している。


どれも、もう充分に報道やウェブで見たり聞いたりしていることだから
きっと少し退屈すると思っていました。


クリスマスのプレゼントに浮かれる子供たちの笑顔をおいて
大雨の中、出かけるときには、正直いって気が進まなかったです。

出かけたのは、ひとえに、直接電話でお誘いくださったシネモンドさんの気持ちに応えたかったから。それだけでした。



でも、観てみたら、しみじみと、価値ある映画でした。


池田香代子さんの感想を、ちょっとお借りします。

「マガジン9条」のインタビューから、一部分だけですが。

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(池田さん)

 社会の中につねに戦争があるということは、その社会は、少年
少女を兵士として次から次へと軍隊に供給し、使い捨てることを
前提として成り立っているのだということ、頭ではわかっていた。
でも、そんな「わかっていた」はぺらっぺらのただのことばでし
かなかったの。


 知り得ないことというのは、その社会に生きる人びとの心の襞
にたたみこまれた傷、痛み、絶望、憤り……そして、なんとかま
ともに生きようとする思い。誰かが「ストラグル」と言っていた、
そんなようなもの。初めて垣間見たブートキャンプでも、ホーム
レスの森のキャンプでもない、それらを語る人の心の奥底こそが、
知り得ないことなの。


 それを少し、友だちとして聞かせてもらった。だけど、この少
しはすごくたくさんでもある。友だちのことばだからね。友だち
としてって、おかしな言い方だけど、映画をつくった人たちが、
映画に出てくる人たちの友だちなの。友だちになってから映画を
つくったんじゃないかな。友だちの涙や声の震えは、情報や知識
としては知り得ないでしょう?

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(転載ここまで)


私も映画の画面にいる人たちが皆知り合いに見えて
手を伸ばしたら触れられるような気持ちになりました。


実は前日、完全徹夜だったので
静かな映画の途中で2度ほど、うとうとっとしたことも
正直に申し上げておきますが。


映画の公開は17日から。
悪天候を押して、見に行ってくださる方が
どれくらいいるか、心配ですが、
これを見て、アメリカの病の深さと
日本の近未来を一緒に激しく心配してくれる人が
増えるとありがたいと思いました。


帰還兵や入隊する若者への、監督の深い共感が
この映画の親密さを作りだしています。
そのぶん、
「軍隊は絶対に必要。
軍事力がないと国は守れない。
なくなった兵士は英霊で、
泣き言をいっているやつは弱虫」
と強く思っている人には
バリアが硬く 見ても共感してもらえないかな、と
思いました。最初の音楽が流れるあたりで
あの情感が、拒絶されそうです。


うっかり、無防備で観てくれるといいですが、
あのフライヤーの醸し出す空気感では
それも難しそうです。とても残念ですが。


しかしあきらめず、政治家さんの事務所などに
フライヤーをお送りしたいと思っていますが。


それにしても、格差が戦争を生み出す悲惨さ。
よく、「平和はまず家庭から・隣人と仲良くすることから」
なんていいますが
大きな間違いだ。
なんというシステマチックなもの。
がんじがらめです。



今こそ、声を大にして、言いたいです。
出来る人は、生活全てをもって
格差にNOを!!


朝コーヒーを飲むなら、
コーヒー農家の生活を激しく不安定にする
フツウのコーヒーじゃなくて、
長期契約で安定している産直コーヒーを。
出来れば森林栽培で、持続可能な農法のものを。


味噌汁だって。
こつこつ小さな雇用を作り出しているつくり手の大豆を使った味噌や豆腐を選ぶことはそんなに難しくない。
ブッシュに献金して戦争を支えてきた穀物メジャーを
ささえてばかりいなくてもいいはず。


パンや卵は、「こつこつ」型のものを探すのはかなり難しくなるけど。
それでも、ないわけじゃない。
最後の砦の「こつこつ」を、守って、育てていかなきゃ。


牛乳が飲めないからって叱られる学校や幼稚園なんて、
バカみたい。
こんなウルトラ収奪的な牛乳の作られ方が、
「こどもの健康に絶対毎日必要」なわけない!!
牛の’血より濃い一滴’を
ちゃんとそのように扱っている生産者のものを
たまに、少し、ありがたく頂くので充分。


このガタがきているパソコンを買い換えるなら?
SONYは出来ればしばらく買いたくない。
従業員を「経費」としか見ていない会社はイヤです。
大事な資産として、一緒に育っていっている会社は、どこでしょうか。


暖房は?
血なまぐさい石油を買うのが嫌になった人に
おすすめの暖房はなんでしょう。
ペレットストーブ?

薪ストーブは、今年、私はものすごく好きになりましたが
お世話は思ったより大変な仕事で。
誰にでもおすすめは出来ず、
自分でも、この先健康でなくなったら維持できない心配があります。
それでも、今、灯油を一滴も買わず
薪代でさえタダなのには、心のそこから満足してます。
(薪をご近所の造園屋さんにもらいに行くのは
車つかってるから、ガソリン使ってるんですけど!!!!)


苦しい状況だから、現状維持がせいいっぱいで
安いものを買うしかないと
言う人が増えると思うけれど、
確かにそうだと思うけど、
同時に、
安いものだけを求める自分たち自身が
結局安く買われていく。動かしがたい事実。
人を安く買って、自分を安く買われている。
その結末が、「アメリカばんざい」な社会。

怒!



ここ数年、いろんなことをいろんな人に手渡され、
なにか、つかめそうで、そうでもなく、
あと一歩、どうしていいか分からずもやもやしていた私は、
この映画を観て、最後のピース(か、わからないけど、大事なピース)が
はまった感じがありました。
格差への激しい怒り、反骨心。
いままでも持っていたはずなんだけど、、、、


あとは年末ジャンボをあてて、
三億で新しく大きく踏み出す予定だったんですが、
残念でした。


すみません、新年早々、一人で、わぁわぁと言っています。
新年なので、許していただけますか。
大変な一年になりそうですが、
キューバはソ連崩壊の大事態にも
一人の餓死者も出さずに乗り越えたとか。
そして今でも、医療と教育はタダ。
そんな助け合いの社会を目指して、日本でも、
それぞれの方法で歩いていけたらいいですね。


↓アルにもチケットが来ています


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  『アメリカばんざい』『リダクテッド 真実の価値』上映記念
   
     藤本幸久監督&池田香代子さん トークイベント    
        
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

イラク戦争に従軍した若者たちが軍を志願する理由は格差社会が原因だった。
そして多くの帰還兵がホームレスになっているという事実!
報道されない現代アメリカ社会の闇を描いた『アメリカばんざい』。


イラク戦争において、報道は果たして「事実」を伝えていたのだろうか?
限りなく生々しい「フィクション」で「リアル=現実」の判断を観客に
投げかけ、報道のあり方を問いかける『リダクテッド 真実の価値』。


1/17(土)~30(金)、シネモンドでの『アメリカばんざい』公開を記念して、
藤本幸久監督と、「世界がもし100人の村だったら」の再話者としても
知られる池田香代子さんの対談イベントが決定! また今回は同時期公開の『リダクテッド』(ブライアン・デ・パルマ監督)でもトークが行われます。どちらも必見の話題作。この機会をお見逃しなく!

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【イベント詳細】

■日時:1月17日(土)両作品とも上映後トーク
    『リダクテッド 真実の価値』 12:15開演
    『アメリカばんざい crazy as usual』 15:00開演
■場所:シネモンド(109.4F)
■料金:トークつき鑑賞券(各作品ごとにチケットが必要です)
    一般2,000円/学生1,800円/会員・シニア1,500円
■お問合せ:シネモンド(金沢市香林坊2-1-1 KOHRINBO 109 4F)
      TEL076-220-5007 / FAX076-220-5008
      
mail@cine-monde.com
※トークつき鑑賞券は別の日に映画をご鑑賞いただくことも可能です。
★チケット現在発売中!!
★『アメリカばんざい』『リダクテッド』両方で使える、
 お得な映画2回券(2,200円)もあります。
 (トークイベントには追加料金(500円)が必要です。)

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「アメリカばんざい crazy as usual」
http://www.america-banzai.com
1月17日(土)~30日(金)

「リダクティッド 真実の価値」
http://www.redacted-movie.com/