東京で頂く広島のお好み焼きと言えば。 | Tosi104's“うるぶ”

Tosi104's“うるぶ”

「トシとし」の食う泊まる遊ぶ。

今から30年前、下北沢には広島お好み焼き屋が 3 店舗(おたふく、門前、広喜)あった。その中でも門前が最もお気に入りだったが、結果 30 年後生き残ったのは下北沢では「広喜(HIROKI)」のみ。女将さんは広島の因島出身だったかな。オープンから時を越えて通い詰めていた。下北がオープンして4年後(1989年)にこちら三軒茶屋店オープン。当時(1988年~)三茶に住んでいた私は当然、訪問したが当時は下北との味のレベルが違い過ぎてこちら三茶に方は自然に足が遠退いていた…。あれから25年…。





昔の下北沢の味に極めて近くなっていた。
こちらはオーナー(下北の店を切り盛りしていた広島のおばちゃん)の息子さんが仕切っており、今はおばちゃんは引退。ただ、長年おばちゃんの右腕で焼いていたお兄ちゃんが 5 年前に広島に帰ってからは下北のお店は味や焼きが不安定となり、長年の常連客は足が遠退いていった(私もそのひとり)。時々、下北に行ってはみるが、この数年は味が安定していなく、焼き具合や味付けにかなり波がある。そこで…

さ、ここでやっと今回の主役である三茶のお店が登場。
まず焼き手のお兄ちゃん。下北と違い若いバイト君ではない職人技に近い(広島のお店のおじちゃん的な手際の良さ…笑)流石に年期も技も磨きが入って来た!

広島のお好み焼きは基本野菜(キャベツなど)を蒸し焼きにする。そして野菜をしんなりさせて甘みを引き出すのだが時間がかかりすぎると甘み以上に水分が出てベチョベチョになりがち。これは「広島お好み焼き、あるある」だ。しかしながら、こちらはその手際の良さと早さでキャベツのシャキシャキ感も生かしているのだ。この辺りは嗜好性の問題なので「広島のお好み焼きにキャベツのシャキシャキ感はいらない。もっと甘みを引き出せ!」という派閥もいるだろう。そういう意味ではシャキシャキ感をギリギリ残した甘みの引き出し加減はこれで正解なのかもしれない。ここまでくると好みと価値観の違いであって、旨い、不味いのレベルではないと思う。私はこの食感を新鮮に思い嫌いではなかった。また玉子も返した時点では未だ半熟(良く焼いてひっくり返す手法とは異なる)なのだが、時間経過と共にとても絶妙な火入れ加減になっていくのもその計算された調理に「なるほど~」と感心した次第だった。



肝心の味は…。
店主は結構汗だく…(^^;)。また気温も高いため電車移動など人混みや駅の階段の上り下りをして汗をかいて来た方々は比較的塩分が少ない体になっていると思われる。だからなのか…。私達はここまで涼しいエアコンの利いた車で来てすぐに店内に入ったせいか、私達には味は少々濃いめ(塩分が高め)と感じた。おそらく体から抜けた塩分を補う体の為には、これくらい濃くても、濃いと感じないのかもしれない。

それを踏まえても私はこちらの味付け、食感などトータル的にとても愛すべき広島のお好み焼きになった(25年ぶりに…)と感じた。おそらく下北よりもこれからはこちらを常用するであろう。

広喜 三軒茶屋店お好み焼き / 三軒茶屋駅西太子堂駅
夜総合点★★★★ 4.0