シュービルトーク(ハシビロコウ) | 中年男のひとりごと

シュービルトーク(ハシビロコウ)

「もやしもん」という漫画の舞台となった「東京農大」そこは、自分の出身大学なのだが、学生時代、農大はまるで動物園のようだった。ワヲキツネザル・カピバラ・アライグマなど、当時見たこともなかった動物がたくさんいた。

 あるとき、古びた柵の前で友達と雑談をしていた時のことだ、柵の中には、いなくなった主の代わりに灰色の置物の鳥があり、何気なくそれを見ていたら、その置物が突然動いたように見えた。「おいっ今あれ動かなかったか?」友達も「わからん。けど動いたように見えた。」と言う。じっと見ていたら、今度は完全に動いた。ただし、一瞬だけでまた置物のように固まった。
 やがて、突然その置物はくちばしを上下パカパカと細かく打ち鳴らし、大きな音を立てた。「なんだ、あれ?」びっくりしていた僕らに別の友達が解説をしてくれた。そこは、主がいないのではなく、置物のように見えた鳥が主だった。

 「あれは、くちばしで語るという意味の『シュービルトーク』という鳥で、別名『ハシビロコウ』っていうんだよ。今、輸入が規制されていて、日本には2羽しかいない貴重な鳥なんだ。農大じゃ飼いきれないから、もう少ししたら伊豆の方へ運ばれるらしいけど・・・」

 この貴重な鳥と出会えたことだけでも農大に通って良かったとしみじみ思った。

 やがて、ハシビロコウはその独特の動きや鳴き声(?)そして、恐竜のような怖い顔立ちで一気にブレイク。いろいろなマスコミで取り上げられていた。目撃してからすでに34年くらい経っているのだろうか?なのにまだあのときのシュービルは生きていて動物園の隠れた人気者になっているらしい。

 今度のNHK「ダーウィンが来た」は、シュービルが主役らしい。絶対みたいと思う。