Di2のオプションにSM-PCE1という装置があるのをご存じだろうか。
この装置を通してDi2コンポーネントとPCが接続される。そして
故障診断、調整、ファームウエアアップデートができる。

このオプションを動かすソフトウエアをE-­tube Projectとシマノは呼んでいる。

E­-tube Projectの説明書がすでにリリースされている。

「歳を取ってもわくわくしたい」秋茄子はいつも気まぐれ

http://techdocs.shimano.com/techdocs/blevel.jsp;jsessionid=pgcnTcqCkkLSjw1BQTS1Jw1MGhZp8mrZYv9yQ2py0B7zGhhlgh8v!1173381354?ASSORTMENT%3C%3East_id=1408474395181679&FOLDER%3C%3Efolder_id=2534374302051928&bmUID=j7pUn6R

このマニュアルを見ていくとおもしろいことに気づく。

ファームウエアのアップデートができるのだが、どうもそれぞれのユニット毎に
アップデートができるようだ。つまり各ユニットが独立したプロセッサをもち
それぞれが通信をすると言うことだ。

「歳を取ってもわくわくしたい」秋茄子はいつも気まぐれ

SM-PCE1を除いても
1.ST-6770-L
2.ST-6770-R
3.SM-EW67-A-E
4.SW-R600
5.SM-BMR1
6.FD-6770
7.RD-6770
と現時点でも7つのユニットがプロセッサを持っているということだ。
追加のスイッチであるSW-R600を除くと6つのユニットが動いていることになる。

ジャンクションSM-JC40につなぐときSM-PCE1を中間に噛ませても大丈夫と
言うことはイーサネットのようにコマンドを宛先パケットで送っているということ
が想像できる。未使用ターミナルにダミープラグを付けないといけないという
点は防水の観点のほかにイーサネットのように終端装置をつけることにより
信号の跳ね返りによる誤動作防止の意味もありそうだ。

SM-JC40はプロセッサをもたないのでこれはイーサネットで言うリピータのような物なのだろう。どの順番でつないでもユニットは正しく動くようになっているだろう。

SW-R600だけはST-6770の子機として動くのかもしれない。繋がっている
STによってどちらのディレーラを動かすのかが決まるかもしれない。単独では
動かない気がする。

シマノの電動システムは独自のLANシステムで構成されているのだろう。
機器IDのついたパケットを取り交わして動く高度なITシステムとして構成されているようだ。

「歳を取ってもわくわくしたい」秋茄子はいつも気まぐれ


ファームウエアのアップデートができることからカスタムファームが出てくる
可能性がある。スイッチの割り当てを代えることはカスタマイズでできるようだが
多段シフトなどもファームウエア変更でできるようになりそうだ。

ただ、このシステムのおかげでカンパやスラムが容易にシマノのシステムを
理解してしまうかもしれない。あるいはほかのメーカーが電動システムをかんたんに開発してしまうかもしれない。なんらかのプロテクトをシマノがしてくる可能性はあるが。

性能的な面を考えてみると実物を見ないとわからないがパケットのキャリア周波数はたとえば1Mbpsくらいは有ると考えられる。コマンド自体は長くても100Bくらいだろうから秒間1000パケットくらいは送れる計算になる。走行中にコマンドを同時に出せるのは左右のSTIだけだし、左右を同時にシフトチェンジすることはないが仮に同時に操作したとしても1000回に一回コマンドがぶつかるだけでもし、ぶつかったとしてもリトライ機能はあるだろうからコマンドがなくなってしまうことはないだろう。

こうしてみるとDi2のシステムはかなり高度なITシステムだと言うことが言える。早く見てみたい。プロセッサはARM系なのかなと想像してみる。