国立循環器病センターのICU医師が5人一挙にやめる。

数日前にこのニュースをネット上で見つけた。

以下一部抜粋した記事です。


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ICU医師全員退職へ 国循センター 執刀との分業困難


国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、外科系集中治療室(ICU)の

専属医師5人全員が3月末で同時退職することが28日、分かった。

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同センターによると、ICUには5人の専門医が所属。所属長の医長を含む

2人のベテラン医師が辞職を表明したのをきっかけに、指導を仰げなくなる

部下の3人の医師も辞職を決めたという。


ベテラン医師2人は辞職の理由を「心身ともに疲れきった」

説明しているという。

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同センターは、5人に残るよう慰留を続けているが、辞職の意思は固いという。


このため4月以降は、他部署からICUの専属要員を確保するものの、

ICUでの患者の超急性期管理・集中治療は、執刀した外科チームが

責任を持って行う態勢にすることを検討している。


同センター運営局は「特にベテラン二人に代わる人材はおらず、

これまでのように執刀チームとICUの分業ができなくなる。しかし、

手術件数を減らしたりICUでの管理が不十分になるなど、

患者に影響をあたえることはない」と話している。

 (3月1日 産経新聞より抜粋)

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これは異常事態ですよ。天下の国循までもが・・・

医療崩壊がどんどん身近に感じられてきます。

他のお医者さんたちが書いているブログでも、皆さん驚いていました。

医者にとってはそれほど大変な、大事件なのです。

国循なら、いくら労働環境が劣悪でも、やりがいが勝るのではないか・・・

と思うからです。

やりがいや情熱・責任感すら上回る、最悪の環境だったのでしょうか??

一体どれほど悪い環境なら、天下の国循、しかもICU医師が

全員やめることになるのか知りたいものです。

詳しいことは分かりませんが、多くの一般勤務医の環境と

天と地ほどの差があるとは思えません・・・というのも、

地方の一般勤務医もすでに「これ以上働けるのか??」というくらい

目一杯働いているから、これ以上悪い環境ってなかなかないと思うのです。

だから一般勤務医の中にも、ふと気が付いて、

自分のこれからを改めて考える人が増えるのではないでしょうか。

自分はこれでいいのか、この勤務を一体いつまで続けるのか・・・・


でも私が更に驚くのは、この一大事件がテレビでは全く報道されていないこと!

なんでなんで??医療訴訟を取り上げることも大事だけど、

こんな大事件が一般国民に知らされないなんて・・・

これだけでもテレビがいかに偏った報道をしているかよく分かります。

これこそ今後の医療崩壊を予言する、大変な出来事なのではないでしょうか?


しかも、この記事からも危機感があまり伝わってきません。

「患者に影響をあたえることはない」ですって!?

んなわけないでしょうが!!医者も人間ですよ!?

5人やめた分の負担を背負わされる外科チームが、今までと同じ人数で

今までどおりの質の高さを保って仕事ができるはずがないでしょうよ。

疲弊しきってミスがでても全くおかしくないですよ。

次にやめるのはこの外科チームですね。


みのもんたさん、是非この話題をとりあげてほしい。

ほっとけない!!でしょ。