低学歴の男でも新司法試験合格は可能だった!ブログ

低学歴の男でも新司法試験合格は可能だった!ブログ

 このブログは、新司法試験不合格を確信した受験生が、発表の1週間前に思い立ってはじめたブログで勉強記録を書く予定であったが、奇跡的に合格していたため、方向転換し、今後の受験生の役に立つかもしれないと思って書いているブログである。

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続いて刑事訴訟法です。





1 科目特性


 刑事訴訟法は、問われる論点自体は基本的なものが多く、知識としては百選程度のもので足ります。しかし、とにかく量が多い。今年の問題で時間に余裕のあった人なんかいたのかな…。各分量・スピードが要求されるのは刑法と同じです。





また、刑訴では何よりも判例の理解が必須です。刑訴の諸問題では、条文へのあてはめというよりは、基本原理からの解釈で要件を導かなければならないものが多く、判例を知らないと全く対応できません。





2 勉強方法


刑事訴訟法の学習で重要なのは、令状主義、強制処分法定主義、自白法則、伝聞法則、違法収集証拠排除法則など、刑訴法上の大原則を意識すること、刑事訴訟のプロセスを意識し、その事案の段階を支配する基本原理にさかのぼって考えること、手続法であることを意識して、手続のつながり(捜査公判)をよく考えることです。




そして、とにかく判例が神。判例百選を必死でつぶしました。答案でも既存の判例の事案を踏まえた検討ができると評価がかなり上がります。





捜査については基本的なところをおさえ、令状主義等の基本原則については一言一句暗記して常に正確に答案に示し、そこから演繹する形で答案を書いていました。


 ただ、伝聞はわからん。何か良い方法があったらこちらが教えてほしいです。市販の問題集の伝聞部分には大体目を通しましたが、結局本番でも結論を間違ってしましました。




教材としては、酒巻先生の論文は必読、あとは判例を理解できる本であれば基本書はなんでもかまいません。




あと、新司法試験用六法では条文にタイトルがありません。これが意外に痛くて、条文を引く訓練は必須だと思います。





3 刑事訴訟法の答案のポイント


・規範の定立は判例をベースに


刑事系においてはあてはめを重視する必要がありますので、規範定立についてはあまりスペースを割けません。論点の解釈については判例があればそれに従うのが実務家としてのあるべき姿だと思いますし、学説はこの際無視して判例を基準にすれば良いと思います。私は1年時は白取先生の基本書を使っており、強制採尿は違憲だなどと期末テストの答案に書いていたのですが、今となっては正気の沙汰とは思えません。





・規範の定立の理由づけは簡単に


規範の定立についてはスペースが割けませんから、理由づけも簡単なものにする必要があります。もっとも、理由づけを省略してしまうと説得力の欠ける答案になってしまいますので、簡潔でいいので、書く必要はあります。





4 まとめ


補足として、規範は判例で書けばいいと言いましたが、超重要論点の中にも判例の規範が明確に示されていないものもあります。たとえば、捜索中に配達され、対象者が受け取った荷物につき捜索差押令状の効力が及ぶかという論点について、判例は理由づけを示していません。そのような場合には、自分でその部分を補う必要があります。もっとも、令状主義の趣旨からすれば~なる、みたいに基本原則から演繹するだけで構いませんが。




今年の問題については質が良くなかったといわれることがあるようですが、私は刑訴法の問題はいい問題が多いと思います。基本書で知識を習得し、判例を理解するというオーソドックスな勉強で実力を伸ばせる科目だと思うので、方法論等で差がつくことは少ないと思います。是非地道に頑張ってください。






さて、残りは公法系ということになりましたが、憲法22条で書いた私が言えることなんであるのか。法務省から憲法訴訟感覚がないと言われたのに…。




まぁせっかくここまで書いたし、何とかひねり出したいと思いますが、時間がかかるやもしれません。すみません。





















 昨日まで大阪弁護士会の事前研修に参加していたので更新できず、すいませんでした。

 民事系に続いて刑事系の勉強法等について書いていきたいと思います。


1 科目特性

 一言でいえば「難しい」です。過去問では、21年は全然わからなかったし、22年はあまり書いたことのない過失。今年は何が出るんだとおびえていました(結局出たのは正当防衛で、これはイケる、と思ったのですが、結果は撃沈でした)

 難しさの原因は、事案が複雑であることに起因すると思います。市販の問題集では類のないほどの長い事案を、時間内に処理する能力が求められ、しかも、公法や民事に比べて各分量も多く要求されます。とにかく時間との戦い。


 もっとも、いわゆる論点自体はオーソドックスなものが多いと感じています。基本的な論点をいかに深く理解できているかが聞かれているのが刑法の特徴だと思います。


 また、事実認定が極めて重要です(自戒の念を込めて)

2 勉強方法

使用した教材については、当初山口先生の基本書を使用していたのですが、受験前になって、呉先生の予備校本に乗り換えるという冒険に出ました。作成していた論パがどれも抽象論が長く、当てはめで事実を拾って評価する時間が短くなってしまっていたからです。刑事系ではとくに事実認定が重要で、相当の点数がふられているでしょうから、時期は遅かったですが、決断してよかったと思っています。この本は本当に簡潔で良かったです。


もっとも、今年の問題では、車から振り落とすという行為を1行で傷害としてしまい、殺人の実行行為性に関する事実が大量にあったのにすべて使わないという事態になってしまいました。いまだになんでこんなことになったのかわかりません…。後悔しか残っていないです。



また、旧司過去問は刑法のセンスを上げるのに非常に役立ちます。法律構成の能力として求められるレベルは、旧司と新司でほとんどかわりませんし、旧司では事実の問題が少ないので、法律構成の能力を徹底して鍛えることができます。

3 刑法の答案のポイント

とにかく早く書くこと。最初のうちは字をきれいにゆっくり書きがちですが、こと刑事系に関しては1枚目の1行目からフルスロットルで答案を書いてください。一番答案の分量が要求されます。


また、首尾一貫した論述が求められる刑法では、論点間で不整合が生じることがあってはありません。論理矛盾は大減点の恐れがあります


他に、ヒアリング等でたびたび言及されていることとして、構成要件該当性の判断を忘れないということがあります。あと構成要件該当性→違法性→責任という体系を答案でも守る、保護法益から演繹する、など、当たり前のことしか言えませんね。すいません。

4 まとめ

 刑法は経験がものを言うというか、一番旧司経験者に差をつけられやすいような気がします。似たような問題を解いたことがあれば論点落としも少なくなりますし、論点抽出のスピードも上がります。

 

そこで、私は、旧司法試験の問題のほか市販されている問題集の問題に可能な限り目を通そうと考えました。数を重視するため、実際に答案を書くのではなく、答案構成のみ頭の中で行っていました。問題集のほか、判例刑法総論・各論を読むのも効果的な作業だと思います。


 まぁ今年刑法で爆死した私が言っても説得力がないのでこのくらいにします。本当は刑事系が一番好きだし、得意だと思っていたのですが…。

クルーニーさん

 呼び方は何でもいいかまいません。低学歴という呼び名も嫌いではないので。

 それに、公法・刑事の論文がある程度めどが立っており、民事の択一も120点以上とれるくらい真剣に努力し、実力をつけられている方が真剣に悩んでいることで呆れるというようなこともありえません。


今できないことは全く恥ずかしいことじゃありません。できないことを知りつつ何もしないことこそ恥ずべきことだと思います。できないなら始める。そして、始めようとしている方の力になれるのであれば、私はよろこんで力になりたいと思います。たまたま今回点がよかっただけの私がいうのはおこがましいのですが…



 さて、一応民事系の勉強法や書き方的なことは前の記事に書いたのですが(ご期待に添えたかはわかりませんが…)、クルーニーさんのように、択一はできるのに論文ができない、という悩みを聞くことが多いので、その原因について少し考えてみたいと思います。



 私は基本的に論文試験は択一知識をもとに、それを応用して解くものと思っており、実際に択一が良くなるにつれて論文も良くなったので、そのような悩みは感じなかったのですが、原因として以下のようなものが考えられます。



①知識は十分だが書き方に問題がある


②択一レベルの知識と論文レベルの知識は違い、選択肢式でクリアできるレベルより論文で求められるレベルがより高く、未だ前者のレベルでしかない


クルーニーさんはご自分が①に属するとお考えのようですが、答案を見せていただいたわけではないので、②の可能性もあるかもしれません。



 ①の場合は、優秀答案の検討や、私の拙い前回までの記事も参考にしていただいて、少しずつ改善していくしかないと思います。その際には合格者に答案を見てもらうのが一番いい方法だと思います。



クルーニーさんは、民事系の短答はできるが論文に不安があるということだったのですが、民法の短答の問題が条文・判例の結論を端的に知っているかどうかを問うものが多いため、条文・判例知識の習得にのみ力を注ぎがちになっていないでしょうか。

日ごろの学習で条文や制度の趣旨をきちんと押さえられているでしょうか、振り返ってみてください。

そして、条文や制度の趣旨については答案でできるだけ書くようにしてください。これを書くだけでも評価はかなり変わってくると思います。



 ②については、特に民事系であれば、5肢中3肢ぐらい分かれば、組み合わせによって正解にたどり着けるので、このようなことは起こりやすいと思います。判例の規範、ファクターなどが、選択肢で消去できるレベルまでは達しているが、アウトプットできるレベルまでには達していない、ゆえに択一はできても論文が伸びない、ということです。


こちらの場合は、残りの2肢も本当にきちんと理解した上で正解できているのかということを意識して取り組めば改善されるのではないかと思います。私は辰巳の肢別本で、各肢ごとにきちんと理由つきで正解できているかを確認していましたが、肢別本は解説が詳しく、判例の重要な規範も比較的多めに抜いてきてくれていたので、論文の勉強にも役だったと思います。



 もう1度自分が①と②のいずれが原因で民事の点が伸びなかったか考えてみてほしいです。

 

 お力になれたかはわかりませんが、また何かあればいつでもどうぞ。来年の合格を祈念しております。




naomaruさん

 コメントありがとうございます。

 

 まず、刑法総論については、私は学校で勉強しているときには、山口説に立って、結果無価値で書いていたのですが、答練などで、山口説を書こうとすると、私程度の頭ではどうしても簡潔に規範を書くことができず、抽象論が長くなっていました。そこで、呉先生の本を使って規範を短く、事実認定や事実の評価に答案の分量を割けるように方向転換をしました。


 もっとも、それまで結果無価値で書いていたとはいえ、批判の対象として通説的な説の理解もしていたので、それほど苦になることはありませんでした。


 また、共犯については、因果的共犯論については行為無価値からでも採用できるもので、山口先生の本は非常に共犯の部分が秀逸だと感じていたので、自作の論証パターンを最後まで使っていました。なので、共犯部分は最後まで山口説で書いていました。


 刑法各論については、西田先生の本でもあまり結果無価値とかは関係なく、呉先生の本も西田先生の本をベースにしておられるようでしたので、特に問題はありませんでした。

 呉先生の本の論証を参考にしつつ、自分で西田先生の本などを見ながら論証を作成していました。


 まぁ刑法については、あまり理論的な対立を気にするよりは、判例を理解したうえで、あっさり自説で淡々と書いていけばいいと思っています。