「・・君は・・・何を言ってるかわかってるのか?」


敦賀さんは私の思惑に嵌ったのか、驚いて甘いセリフを言うのも忘れてしまっているようだ。


ほぉら、やっぱりね。

だって・・・

私は・・・



------


夕食がを済ませ、リビングにコーヒーを持っていく。

ソファーに座る敦賀さんの前にコーヒーを置くと、突然腕を引かれ、ソファーの上の敦賀さんに後ろから包まれるような形になっていた。


「君のお願いなら何でもかなえてあげたいと思うよ?君の言うお願いは何?」


腰に手をまわし後ろから首元に顔を埋め敦賀さんが問う。

本当にこんな事されてたら、この人、私の事好きなんじゃないかって錯覚しても仕方ないと思うけど、私は騙されない!

こんな仕草もあのドラマそっくりで、胸が痛くなる。

その痛みを振り切るように私は、用意していたセリフを敦賀さんにぶつけてみた。


「あなたと同じくらい好きな人がいるの。」


敦賀さんの表情が少し硬くなる。


「へぇ・・・それは初耳だね。誰かな?俺の知っている男?」


「・・・・貴島さん。」


「それは、また・・」


「でね?私、あなたと彼のどちらを愛しているのかわからないの。」


「・・・・そう?さっき、君は君の願いをかなえたら俺を愛してくれるって言ったよね?俺は君に何をすれば君からの愛を得られるのかな?」


私を抱き込む腕が強くなるのを感じる。

これも演技だとすれば、本当にこの人は罪な人だと思う。

だから・・私は、報復するの。


「今度・・彼とホテルのプールに行くの。だから・・ね?」


私は敦賀さんの腕の中で彼に向き直り、正面を見て言った。


「その日はここに来れないことを許してほしいのと・・・その時に来ていく水着・・・おかしくないか見てほしいの。。。」


更に固くなる敦賀さんの表情。

なんとなく思惑通りなのかな?


「でね?貴島さんと付き合ってから、あなたを愛しているか判断させてほしいの?・・・ね?ダメ?」


私は小首を傾げながら甘えるような仕草で敦賀さんに言う。

そして・・・


「まずは、大人のデートにこの水着おかしくないかどうか・・見て?」


そう言いながら私は彼の腕からすり抜け彼に後ろを向けたままワンピースのファスナーを下した。

オフホワイトのワンピが私の肌をすり抜け落ちていく。

ワンピの下には着込んでいた三角ビキニ・ヒモタイプのワンピと同じオフホワイトの水着。



「・・君は・・・何を言ってるかわかってるのか?」


敦賀さんは私の思惑に嵌ったのか、驚いて甘いセリフを言うのも忘れてしまっているようだ。


ほぉら、やっぱりね。

だって・・・

私は・・・


どうせからかわれていただけでまだまだ『対象外』なんだから。


こんな事言われてしかも貧相な身体を見せられて困っているんだ!きっと。

でも、これに懲りたら、ぜーーーったい甘いセリフや思わせぶりなことしなくなるはず!!


暫くの沈黙。


そろそろ、ネタばらしで大丈夫そうかな・・


「あの・・つるがさ・・・」


そう言おうとした途端にソファーに押し倒され、私の視界が反転した。

首筋や胸元に敦賀さんの唇が触れる。

そして、私に覆いかぶさる敦賀さんと視線が合う。

今まで見たことのないような、怖くて・・熱い眼差し。


そして・・・絞り出すような声で・・・


「行かないでくれ。」


そう言いながら私の身体のいたるところに唇を落としていく。

私は、そんな敦賀さんは初めてで・・・怖いけど・・・拒否できなくて・・・


でも、『対象外』の私をなんでこんな目で見つめてこんなことをするのか皆目見当がつかなくて・・・


「な・・んで?こんなことするんですか?」


そう言うと、怒ったように少し声を荒げて


「なんでって??そんな事君が好きだから・・・君に好きだと言われる男に妬いているに決まってるだろう?」


「そんなの・・・嘘です!」


「なんで?何で君はそう頑ななんだ!?」


「そんなの・・て・・・」


私はここまで言われて、なぜだか涙が出てきた。


「だって・・敦賀さんが私にいう甘いセリフは・・その・・今放送されているドラマのセリフと全く同じなんですもん!!私でいつも練習してからかっているとしか思えなくて!!」


本当は・・誰よりも信じたい人がいるのに・・

素直になれない・・・


そう言うと、敦賀さんは大きく息を吐き、私を解放すると服を着るようにいい送っていくからと車のキーを取りに行った。

残された私にあるのはただただ、大きな後悔と、素直になれない自分への懺悔。

そして・・・ネガティブな感情に付きあわせてしまった先輩への申し訳なさと、、、

色々な感情があふれでてきてしまって、キーを取りに行った敦賀さんを追いかけ、そのままの格好で後ろから抱きついていた。


神様・・どうか、私に素直になるチャンスをください・・・。

そして、どうしても気になっていたあの事を聞いてみた。




「つるがさん・・・私は・・まだ・・あなたの『対象外』ですか?」






<NEXT 【罠二ハマル】その矛先は~3~>



web拍手 by FC2

==============================

こちらポチっと清き1票を!→【携帯の方】スキビ☆ランキング
【PCその他】スキップ・ビート!★一番!


~「スキップビート」 蓮キョ(蓮ナツ)推進。 SS 小説ブログ ☆Happy cosmetics☆