なんか、依存症界隈でAAやGA、NAなどの「アノニマス系のグループは役に立たない」という発言が大多数なようです。
これ、正解と不正解の両立という不思議な状態が実はあります。
「依存症を一発で治す決定的なお薬」というものはありません。
仮に現在それがあるとすると、それは自殺(というか、今すぐ死ぬ状態)のためのお薬です。
基本的に、依存症は治りません。
でも、依存している状態から抜け出せる方法はあります。
依存している状態から抜け出すいとぐちを探し出せないのが依存症の病的なところ。
それに、仮にみつけだしても「私は病気じゃないからほっといてくれ」という否認の病気であるのが依存症。
なので、「自分は病気ではない」「依存しているものを手放す気持ちはない」人達には効果がありません。
それかつ、否認等をし続けるのが依存症の病気の特徴です。
そういう人たちに自助会は役にたつわけがありません。
なにせ、「自分は病気ではない」と思ってるし、「治療を続ける必要もない」と思ってるんですから。
これが「正解(自助会は役に立たない)」理由です。
では、「不正解(AAは役に立つ、治療効果がはっきりとわかる)」とはどういうことでしょうか?
それは、参加し続けていると、大半の人は依存から抜け出すことができます。
また、社会復帰をはたして、社会貢献を果たすことができる人もいます。
これは現実として、そういう人たちがいます。
私はそういう人たちを見ています。
これが社会に伝わらない理由は簡単です。
少なくともアノニマス系の自助会は、自分自身のことを喧伝しないからです。
アノニマス系の自助会が他の自助会と大きく違うのはここです。
グループ等は知ってもらうための努力をしていますが、そこにいる一個人自体のことは喧伝しないのがアノニマス系の自助会です。
なので、「アノニマス系の自助会を利用して、依存してるものから脱却し続けている一個人は誰?」という話が出てくるわけはないのです。
そういう人たちに会いたければ、オープンミーティングの会場に脚を運ばないといけないんです(最近はネットミーティングもありますけどね)。
多分、これが「アノニマス系の自助会は役に立たない」と言われる所以でしょう。
ちなみに、なんで自助会に行くと依存しているものから脱却できるのかは私もわかりません。
でも、繋がり続けている人たちは、脱却し続けています。
たまに失敗して依存しているものに戻る人もいますが、またアノニマス系の自助会に繋がっていただくと、徐々に依存しているものから離れていく状態に戻れます。
これも実際に見ています。
多分、「自助会は役に立たない」と考えている人々は「自助会はなぜ役に立つのか?」ということを頭で理解することだけが目的なんでしょう。
「依存しているものから離れ続けたい」ことを目的としている人たちしかわからないことです。
だって「アノニマス系のメンバーは、理由はわからないにせよ、離れ続けることができている自分/仲間」を見ているから、という理由で通い続けるのだから。
「なんで離れ続けることができるのか?」は関係者様たちが研究等してくれるでしょう。
ただ、当事者は研究者でも医療従事者でもないです(そういう仕事をしているにしても、自分自身の治療はできません)。
そこらへんを勘違いしてる人があまりにも多いから「役に立たない」と思われているのでしょう。
一回飲めば治る薬、一回すれば治る手術等があればいいんでしょうが、実際はそんなことはあるわけがないので、長期的(亡くなるまで)に通い続ける必要がある、ということだけです。
多分、これ、生涯教育的な問題だと思うので、一回行けば治る、と考える人達にはあわない方法でしかありません。
(当事者はとても忘れっぽい、ということを、当事者自身が忘れていたり、気がついていなかったり、否認していたりするので、ほとんどの当事者は、自助会があったも通わないので、そもそも理解ができるわけがありません)
乱文長文になりましたが、はっきり言えるのは「一回の治療で治るわけがない病気だよ」が理由かな?ってことです。