通帳はどこの支店で作るのがいい? | 銀行員のぶっちゃけ話

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銀行員が銀行員の目線で銀行の秘密をぶっちゃけます。

銀行には支店がたくさんあります。
メガバンクとよばれる大手の銀行の場合は県に一つくらいしか支店がないことも多いですが、地銀とよばれる地方銀行の場合はその地域に密接に結びついた営業を行っていることもあり、支店間の距離が歩いて10分程度という近距離にある場合も多々あります。
勤務すると、給料口座を地銀のどこかの支店に一つ作ってくれと会社からいわれることも珍しくはないでしょう。

では、どこの支店に口座を持つのが良いのでしょうか?

答えはどこでもいい、です。
というより、どこの支店で作っても基本的に問題なければ不便もありません。
同じ銀行であれば、どこの支店でも通帳と印鑑を持参すれば取引できますし、ほとんどの場合ATMでキャッシュカードによる入出金を行うことで事足りるでしょう。
加えて、他の支店に2つ目の口座を作ったっていいし、同じ支店に口座を2つ作ったって構いません。
必要に応じて必要な口座を作ればよいのです。
※基本的に口座の作成は一人幾つまで、と決まってはいません。
 幾らでも作れます。
 ただし、犯罪等に銀行口座を利用されるのを防ぐため、口座作成時にはその作成目的が問われます。
 2つ作る目的として、給与口座と貯金口座を分けたい、という理由であれば正当な理由なので問題ありません。
 しかし特に理由もなく口座を5つ作りたい、などと窓口でいうと不審な取引である可能性があるとして口座の作
 成ができない可能性があります。
※銀行員は転勤する度に転勤先で口座を作ることが多く、大抵複数冊の通帳を所持しています。

そういうわけですので、お金の入出金を行うという目的であればどこの支店で口座を作っても使い勝手は同じです。
ところが、融資を受けることを考えた場合はどこの支店でも良いわけではなくなります。

融資の取引は個人、法人問わず、借りた支店で管理されることになります。
もちろん同じ銀行であれば支店が異なっていたとしても銀行員はお客様の借入を含めた取引内容について調べることはできます。
ですから、借りている住宅ローンの金利や返済についての照会を借入をした支店ではない支店にしても回答は得られます。
しかし、例えば住宅ローンを借りていると仮定して、
・ちょっと資金に余裕ができたから繰上げ返済をしたい
・資金繰りが苦しくて返済額を少し減らしたい
という要望があった場合は、どこの支店でも良いわけではなく、借入をしている支店に相談する必要があるのです。

多くの人は通常、自分の家の最寄りの支店に口座を有していて、借入の申込もその支店で行うでしょう。
注意が必要なのは、住宅ローンの申込です。
住宅ローンを現在の自宅最寄りの支店で申し込みをしたものの、実際に家が建つ場所は違う地区だというような場合。
住宅ローンを申込み、書類のやり取りをする分には問題ないでしょう。
最寄りなわけですし。
しかしいざ新居に引っ越した場合、ローンの相談は新居の最寄りの支店ではなく、あくまでローンの申込をした支店にする必要があるのです。
これは、銀行では借入の管理については支店ごと独立して行っており、返済が滞りなく行われているかという管理関係は申込をしたしてんで最初から最後まで(借入時から完済時まで)行っているからです。
もし新居がちょっと遠い場所であるという場合は意外と不便に感じることもあると思いますのでお気を付けください。
どうしての不便な場合、ローンの管理を別の支店に『移管』するという手続きもありますが、これは結構面倒です(銀行員にとっても)ので、できれば避けたいところです。

お金を借りる場合は、借りてから返すまで同じ支店と付き合う必要がある、ということは覚えておきましょう。
マイカーローンなら長くても5年くらいで終わりますが、住宅ローンの場合は30年くらいの長いお付き合いになりますので、支店が近いというのは思いのほか便利なものです。