CASIO  EXILIM ZOOM EX-Z2000。修理依頼品です。

落としてしまったとのことで、症状は、レンズが出っぱなしで引っ込みません。撮影もできません。
電源スイッチを入れるとレンズが少し前後でギコギコ動くだけでいて、電源が切れてしまいます
レンズの中で何かが引っかかってるのだろうか。
とすれば、このままではきっと直らないんだろうなと直感しつつ、でも過去に修理できてしまった例もあるし・・・と思って、一応依頼をお引き受けして、お預かりすることにしました。

で、まずは分解して原因究明かな、ってわけで早速ドライバーを握りしめてみたり。

見えるネジを全部外します。ただし上の写真のUSBのカバーを開けると見えるネジは外す必要はありません。



まず最初は後ろのカバーから外します。
カバーの上の部分はハメコミになっているので下側から外すとうまくいきます。でも、上の部分はなかなか簡単には外れないので壊さないように慎重にね。
それと、ボタンがカバーと一緒に外れたりしますので注意します。



上のカバーを外します。ここはハメコミのみです。



上の写真中央のネジを1本外し、前カバーを外します。



コンデンサを外し、AFセンサーを外します。コンデンサのほうは感電の危険があるので、ここでしっかり放電させてから先へ進んだほうが良いでしょう。


黒いシールを剥がし、基板とレンズが接続されている3本のフレキシブルケーブルを外します。コネクターはノッチを跳ね上げるタイプです。

レンズを取り出します。ネジ止めはなく、向かって右側面に台座のハメコミがありますのでここを外してあげればゴソッと取れます。

あ、あと直接は関係ありませんがスピーカーの配線は細くてちぎれやすいから要注意です。



で、これが取り出したレンズです。



レンズユニットの裏の金属カバーを外し、その下に見える金属の部品も外します。
   
さて、このレンズなんですが、

おや、左下のところ、部品が浮いた感じになっていて何かあやしいぞ

ゴニョゴニョといろいろほじくり返してみたら、写真のようなものがポロと出てきました。

んがっ、こりゃダメだ、と見つけた瞬間に納得
自分の経験から言って、これはズームを駆動させるリングの一部っぽいです。

おそらく落とした衝撃でリングが割れてしまったのでしょう。で、こいつがレンズの中で悪さをしていたせいで、レンズが引っ込まなかったというわけですね。

修理の方法としては、レンズを完全にバラしてリングを取り出し、瞬間接着剤で補修という手も考えられなくも無いですが、うまく付けたしてもここは駆動部分だからまたすぐに取れちゃうんだろうなぁ
なので、このレンズは構造が複雑で分解の手間がかかりすぎというのもあるので、まぁ修理と言うよりはレンズユニットごと交換してしまったほうが早いし確実でしょう。

というわけで、部品取り用のデジカメを探します。
でも実はこのカメラ、元々レンズが壊れやすい機種のようで、オクで出ているものは大抵レンズが出っぱなしとか、そんなのばっかりなんですよね

それでも辛抱強く待つこと1ヶ月、「これならイケる」と睨んだブツを何とか2100円(送料手数料込み実質3005円)でget

ただし、このカメラ、同機種だからといって単純にレンズを交換すればOK牧場かというと、必ずしもそうばかりではないみたいなんです。

というのは、赤目も今回初めて経験したんですけど、最初は単にレンズだけを交換してみたら、撮影画像が何とピンぼけになってしまいました

この原因は、多分途中の製造ロットからピント合わせの調整が変更されたせいではないか想像しています(どうして変更する必要があったのかは分かりませんけど)。

私は面倒なのでとりあえずレンズをいじらずに基板とかもセットで交換することで解決してしまいましたけど、同じレンズでありながら交換するとピントが合わない事例はくっしーさんのブログにもレポートがありますので、参考にしてください。
今回は、デジカメの場合は単なる部品交換だけで直せないケースもあるのだということを知って、軽いショックを受けてしまいました。
デジカメのジャンク修理はなかなか奥が深いものです
   




※今回投資額:3005円
※難易度レベル:中
※注意:感電の危険がありますので良い子は絶対にマネしないでください。






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