やもぶろ!

やもぶろ!

皆さんは『ヤモリ』ってどんなイメージでしょうか?『雨戸に張り付いてる!!』『ヤモリって何?』『っていうかキモい!!』だいたいそんな感じでは ないでしょうか!

いえいえ♪ 実はヤツ等はとってもチャーミングでおもしろい生きものなんですよ!

毎月8日はレオパの日‼
毎度お世話になっております赤目ですこんにちは‼

レオパのブリードを細々とやっております。
本業は板前なので普通の人間の生活ではなく
更新頻度が著しく落ちてしまって申し訳ないです…。

レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)のハッチ情報、飼育雑記がメインの駄文の寄せ集めでございます。
よろしくお願いします。

基本的にブログは筋トレ、Twitterは瞬きくらいの感覚で更新しているので(謎理論)Twitterのほうが情報は早いです!
気になる方は気軽にフォローミー‼↓

@REDEYEGECKO



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時は2020年------
日本は、いや世界は疫病に見舞われ、サバクトビバッタの大群が空を覆い、地は燃え、跳梁跋扈の俗世は醜さを増し、そして人々は自宅にて行為に至っていた------

そう、爬虫類飼育という行為である。

2020年、世界中が大きな厄災による混沌の坩堝に飲み込まれていく中『爬虫類飼育』という日陰趣味は今までにないほど世間に浸透し始めていたのだ。

国内最大規模のイベントでは来場者は2万人をゆうに超え、日本各地で開催される展示即売会も年々来場者が増加している。

かつては後ろ指を指されるマイナー趣味であった爬虫類飼育の魅力は、SNSの普及によって加速度的に世間に受け入れられつつあるように思う。

SNSや動画配信、インターネットがもはやインフラと言っても差し支えないほど浸透した昨今、自慢の飼育生体(あえてペットではなく飼育生体と表現させて頂こう)の写真や動画を同好の士と共有したいと考えるのは至極当然と言えよう。

そうして魅力に気付いた人々が、今日もまたこの沼(あえて言わせて頂こう、沼であると)にやってくるのだ。

より身近な存在となっていく『爬虫類飼育』。
爬虫類飼育という趣味をここまで押し上げた立役者が

レオパードゲッコー、つまりはレオパっつーわけですなーー!!

はい、というわけでよくわからんテンションで始まった『やもぶろ!』(不定期更新)でございまふみなさんおはこんばんにちわー!

世間はコロコロコロコロ大変な騒ぎになってますがこちとら根っからのボンボン読者じゃっつー話でね、やらせて頂いているワタクシ『赤目』と申します。
あ、初見さんですかー?ゆっくりしていって下さいっ(超絶ネカマボイス)

さてさて、冗談はこれくらいにして(本当か?)今回はですね、爬虫類飼育をここまで世間に浸透させた立役者、爬虫類界のアイドル、レオパードゲッコーについてのお話です。

入門種として勧められることが多い爬虫類はフトアゴヒゲトカゲ、コーンスネーク、クレステッドゲッコーあたりかなと思いますが、爬虫類に興味を持った方であれば誰もが『かわいい!』と思う生き物はレオパードゲッコー、レオパではないでしょうか?

私赤目も彼らの魅力にどっぷりと浸かり、魅了され人生を狂わされた者の1人です。
あれよあれよと数が増えいつの間にやら飼育数は100匹超え。
好きが高じてブリーダーまで始める始末。

飼育歴も気付けば10年くらい…
ベテランなどと名乗るのは恐れ多いですが、レオパ飼育歴中堅!と胸を張って言えるようになりました。



さて多くの人が興味ナシの前振りはここまで!
本題ですね。

SNSやインターネットの普及により、爬虫類飼育の黎明期では考えられないほど多くの情報が手に入るようになりました。

パイオニアである先輩方のたゆまぬ努力と模索と創意工夫、そうして培われた『飼育のお手本』を簡単に知ることができる。
これも爬虫類、いや昨今の『はちゅ飼育』を作り上げた大きな要因なのだと思います。

しかし、手軽に飼える爬虫類いわゆる『はちゅ』として実際に飼育してみると必ずと言っていいほど皆さんの目の前に現れる壁があります。

『拒食』

犬や猫などの哺乳類、インコやハムスターなどの小動物、今まで触れ合ってきた生き物ではありえなかった爬虫類の特性『餌を食べない』。

今回は『ウチの子が餌を食べない!!』と不安に思っているみなさんに少しでも安心して頂けるよう、飼育歴中堅となった不肖ワタクシ赤目の独断と偏見とほんの少しの経験を交えてお話していきたいと思います。

長くなるかもしれませんがお付き合い頂ければ幸いです。








☆季節の変わり目

ちなみにこの記事を書いているのは3月初旬。
長かった冬も終わりに差し掛かり、三寒四温で少しずつ暖かくなっていく季節の変わり目です。
この時期になると特に『拒食』のご相談を受けることが多くなります。

レオパ…爬虫類はみなさんご存知の通り『変温動物』です。
気温が低ければ身体の代謝が落ちてしまいます。

1週間の気温差が激しいこの季節、暖かくなったと思いきや翌日は急に寒くなったりしますよね。
人間でもコートを着るべきかどうか…なんて悩んだりします。

外気温の上下は思いの外室温に影響します。
たとえ人間が活動している日中は適温でも、朝方はひどく冷え込んだりすることも。

この気温差で代謝の調整が上手くいかずに餌を食べなくなってしまう…ということがけっこうあるんですね。

エアコンで室温を管理したり、はたまた暖突やパネルヒーターで温度を管理したり…。
特に冬には様々な方法で『冬備え』をなさると思います。

冬の寒い時期はキッチリと保温してしっかりと食べていた子が、春先になって食べなくなってしまう…。
飼い主としては暖かくなったのに何故!?と思ってしまいますよね。

それではここでレオパの原産地の気候を見てみましょう!










☆レオパの原産地~♪

レオパードゲッコー=ヒョウモントカゲモドキ。
学名でカッコよく呼ぶとEublepharis macularius
(いうぶれふぁりす・まきゅらりうす とあかめははつおんしているよ!)の原産はアフガニスタン南部および東部、インド北西部、北部を除くパキスタン、イラクとあります。
分布がけっこう広いですが、棲息している環境は完全な砂漠地帯というわけではなく、草原や岩石砂漠、岩場などが点在し、隠れる場所が豊富な地域であると考えられます。

アフガニスタンの気候を例にして考えてみましょう。
OK!Google!

暑い時期は大体6月~10月で1日の平均の最高気温は28℃を超え、最も暑い温度で34℃ほど。
最低気温の平均は20℃ほどです。

寒い時期は12月~3月初旬で平均気温は12℃未満とあります。

暑い時期と寒い時期のサイクルがとてもジャパァン(エキゾチック)失礼、日本に似ていますね!
先述の通りレオパは爬虫類、変温動物なので野生下では3月はまだ冬眠の季節、よくて目を覚まし始める時期でしょう。

つまり日本の春先、3月初旬は本来の身体の仕組み上餌をあまり食べない時期なんです。














☆ホビーとしてのレオパ

ところで皆さんは何故レオパがこんなに人気なのか考えたことはあるでしょうか?

かわいさ?飼育のし易さ?
色柄のバリエーションの豊富さ?

なるほど、どれも納得できる理由です。

しかしそれらを全て内包するのが一重に『環境に対する適応能力』であると言えます。
つまるところ人の手で殖やすのにとても向いている生き物なのです。

WC(ワイルドコートと読みます)個体、つまり野生採集のヒョウモントカゲモドキは原産地の政情から現在では入手が困難です。

現在流通しているレオパたちはCB(キャプティブブリードと読みます)個体が大半で、つまりホビー(趣味)の世界で人の手によって殖やされた子たちなんですね。

一般的にWC個体(野生個体)よりCB個体(繁殖個体)の方が扱いやすいのは明白!
人の手で殖やされ、お世話されているCB個体は当然人間に慣れているためです。
飼育のし易さ、これは人間の手で殖やされてきた歴史が長いレオパの右に出る爬虫類は中々いない、と、思うんですが、…います?

殖やされてきた歴史が長い、と言いましたがここに疑問を感じたアナタは相当に性格がわるい洞察力が鋭い!!

主にアメリカで盛んにブリード(繁殖)されてきたレオパと言えども、ホビーとしての歴史はせいぜい長くても30年程度。
その間にワイルドな野生のヒョウモントカゲモドキがはちゅ界のスーパースター、レオパちゃんに変わり得るのでしょうか!?

Yes,yes,yes…(oh my god!)
ここにもレオパの特性が大きく関わってくるんですね。

人間の手で盛んに殖やされたり家畜化される生き物にはある共通点があります。
それは『近親交配に強い』ということ。

ある形質(例えば赤みが強いなど)の特徴は、形質を受け継いだ子供とその親を再び交配することによって特徴が強化されます。
これは生き残るのに有利な特徴を持つ個体が子孫を残す機会に多く恵まれる(平たく言えばモテる!!)=特徴がより強化されていく!!という仕組みを利用しているわけですね。

馬で言えばサラブレッドがいい例でしょうか。
より足が速い個体を得るために足の速い馬をかけつづけていった結果、早く走ることに特化したサラブレッドが誕生したのです。

ですが生き物は近親交配を続けると遺伝上の病気が多く発現したり、奇形(あえてストレートに表現させて頂きます)の個体が出現したりします。

レオパはこの近親交配に関して、とても頑強です。
近親交配を続けたとしてもそういった個体が『出現しにくい』(あくまで''しにくい'')特徴があります。
30年という生物界全体で見れば、決して長くはない期間で『飼育という環境』に適応するにはうってつけの特徴なんですね。

そしてもう一つ面白い話なのですが、みなさんネコちゃんは好きですか?
僕は…だいしゅき…たべたい…にくきう…

なぜネコはかわいいのか?
いや、これちゃんと内容に関係あるんですよ!!

人の手で繁殖させた個体…飼育し易い個体は、代を追うごとに表情が柔和になります。
いや、これマジなんですよ。

いわば『かわいさの選別交配』飼いやすい=かわいい!個体をかけつづけていった結果、本当に顔がかわいくなるんです。

つまりネコがかわいいのは『人間がかわいいと思うネコを選別して交配していった結果』なのです。
ネコはかわいいからかわいい。しゅき。

人の手で殖やされてきたレオパもかわいくなりました!はい完全論破!Q.E.D!!

真面目な話『かわいいと(人間=餌くれる恒温動物が)感じる仕草』をする個体の方が(飼育下で)子孫を残す確率が高かった、ということではないかと思うんですが、コレ面白くないです?








☆レオパの飼育

さてさて長くなってきましたね!
丁度半分くらいです(絶望)

そんな適応能力の高いレオパですが、当然どんな環境にも適応できるというわけではありません。

人気のある生き物ですから『こう飼えば間違いない』という飼育のいろはが出来上がっています。
これは一重に先輩方御歴々の試行錯誤によるものです。感謝。

レオパの『拒食』について調べていてこの記事に当たった方はもう耳にタコが詰まってタコスミを吐けるほど目にしたことと思いますが(耳なのに目とは此如何に?笑うところです、どうぞ)ざっとおさらいをばさせてください。


飼育ケージ 概ね30×20×15cmほど

飼育温度 25℃~30℃程度

底面ヒーターと場合によっては暖房器具を使用

隠れることができるシェルターを用意

餌 アダルトであればコオロギなどを週に2、3回


ここまで準備できれば概ね問題なく飼育できます。
餌は最近では便利な人工フードもありますね(後述します)!

暖房器具はエアコンでの一括室温管理が最も安心ですが、各環境で実現が難しい場合は暖突などの小動物用ヒーターを使用、スタイロフォーム等でケージを囲うなどの保温、ええい、いっそ温室にブチこんでしまえ!! など様々な方法があります。
ご自分に最も合った(かつ生体に一番優しい)方法で実現するとよろしいと思いますぞ。

今さらなにを…とお考えでしょうそうでしょう。
たしかにこの通りに飼育すれば『概ね』無問題。

しかし、この飼育方法でいざ飼ってみても拒食になった!!どうして!! なにが悪いの!!…という方もいらっしゃると思います。

この辺りについてちょっとお話しましょうか(やっと本編)








☆季節の温度変化と給餌

さきほどお話したように、ヒョウモントカゲモドキの原産地と日本の気候はけっこう近いものがあります。

原産地では春になると冬眠から目を覚まし、繁殖をします。
餌となる昆虫等が豊富で暖かい春に餌を食べるだけ食べ、産卵し、また来る冬にむけて夏、秋の間に栄養を蓄えます。
そして再び冬が訪れ、春まで冬眠するわけです。

このリズムは人の手で殖やされた歴史の中でも変わることはない、いわばこの生き物本来のリズム。
完全に室温を28℃で保ち飼育したとしても『彼らにしかわからない何か』で季節を感じています。
これは僕の経験から来る実感です。

とはいっても飼育し易く適応してきレオパ。
『こう飼えば間違いない飼い方』にもしっかりと適応し、飼育できます。
これがレオパが入門種とされる一番の理由だと思うんですが…つまり乱暴な言い方をすれば『雑に飼っても飼育できる』これに尽きる。
いわば彼らは『人間の都合に合わせてくれる』のです。

健気に人間の都合に合わせてくれる最高のペットリザード、レオパ。
そんな彼らに僕たち飼育者が出来ることはなんでしょうか?

それは出来る限り彼らの要求に応えることだと僕は考えています。

先ほどお話ししたように、原産地の気候は概ね日本と同じです。
日本でも暖かい季節は昆虫がたくさんいますよね。
秋くらいまでは残暑の厳しい日もあったり、とにかく寒くなるまでは自然の中には生き物がいっぱいです。

レオパの生き物としてのリズムは『暖かい時期に餌をたくさん食べ、涼しくなれば少しずつ餌を食べなくなる』これなんです。
これが本来のレオパの生活スタイルなんです。

季節の温度変化による餌食い頻度の低下、これを季節性拒食と捉えることができます。
実はこの時期の拒食は『拒食』という考え方自体少し間違っていて、寒い時期に餌を食べなくなる…いわば自然の元では当たり前のことなんですね。









☆『季節性拒食』と身体のリズム

本来であれば気温が下がれば自然に餌も減り、徐々に代謝も落ちてゆるやかに冬眠に向かいます。

しかし温度をできる限り一定に保って飼育していると身体のリズムだけが季節性拒食に向かい、代謝だけは温度に合わせて働くという、いわばちぐはぐな状態になってしまいます。
これが飼育下における『季節性拒食』の正体なんですね。

しかしそこはレオパ。
適応能力モンスターです。
もっと暖かくなってくると大体食べてくれます。
ですがそれが長期的に見て彼らにどんな影響を与えるでしょうか?
決していい影響は与えないでしょう。

全てのレオパが暖かくなれば餌を食べてくれるようになるわけではありません。
そのまま餌食いが上がらずに最悪の場合は痩せて死んでしまうことだってあります。

先ほど『レオパは人間の都合に合わせてくれる』と書きました。
これはある意味『人間がレオパの飼育に慣れていく』と同義でもあるんです。

レオパの要求しているリズムを肌の感覚で掴んでいく。
気温が低くなったら餌の量を調節してあげる。

これが人間の都合に合わせてくれるレオパに僕たち飼育者がしてあげられることではないでしょうか。











☆『節食』という考え方

拒食はあまり経験したくないものです。
多くのレオパは人間に餌を貰うことに慣れていて、本来の身体のリズムを無視して食べてくれます。
そのリズムと代謝が噛み合わなくなるまで食べちゃうんです。

そこで初めて飼育者は『餌を食べなくなった!』『拒食だ!どうしよう!?』となるわけですね。

拒食は不安です。
愛しいレオパが餌を食べなくなるのは心配です。
僕も経験しましたし、恐らく多くの飼育者が経験することだと思います。

そんな不安を減らすために、僕が実践しているのが『節食』という考え方です。

節食とは美容や健康のために満腹まで食べず、腹八分目程度でおさめるような食べ方のことですね。
レオパで言えば『気温が低くなったら餌を少なくしてあげる』これが言わば節食に当たります。

暖かい時期は餌をたくさん与え、栄養をつけさせます。
自然に合わせて室温に変化を持たせ、自然に餌食いが落ちる状態にする。
そうすると次第に餌を食べなくなります。
そして徐々に温度を下げて、下げて…
人為的に拒食の状態を作る。

そう、みなさん聞いたことがあるかもしれませんね。
その先に『クーリング』つまり冬眠があるのです。

本当は自然に合わせて冬眠させてあげるのがレオパにとって一番健康にいいのは間違いありません。
適切に温度を管理し、消化を確認して餌を減らしていく…。

しかしこの方法には経験と説明できない『勘』が必要です。
繁殖を視野に入れないメスの場合はこの冬眠によって抱卵してしまい、卵詰まりを起こしてしまうリスクもあります。
これは最悪の場合死に直結しますし、避けなければいけません。

そこでせめて『節食によって拒食のリスクを低減しよう』という考え方なわけですね。
冬場に極端に温度を下げるわけではなく、普段より2℃~3℃くらいの幅で温度を下げてあげて餌の頻度や量を減らす、これによってリズムと代謝のギャップを低減してあげられる、と。

これは繁殖の予定がない生体たちに僕が実際に行っている方法です。
人間の都合に合わせてくれるレオパが本当に要求しているリズムを掴むのは難しいかもしれません。
レオパが人間に歩み寄ってくれるように、僕たち飼育者も彼らのことを観察し、飼育に慣れていかなければいけませんね。











☆本当の拒食

ここまで季節性の拒食についてお話をしてきました。
なんとなくこの時期に食べないのは本来自然なことだよーということがわかって頂けたかと思います。

しかし、当然『本当の拒食』というケースもありますからね…!!
あまり楽しい話ではありませんが少しお話ししましょう。

そもそも『拒食』というのはどういう状態を指すでしょう?
先ほど『季節性拒食は拒食という枠に当てはめるのは少し間違っている』という旨のことを書きました。

拒食とは本来摂取する㌍ < 消費するエネルギーという状態に陥った結果だからです。
これは餌食いが上がらず体調を元に戻す体力が無くなってしまった状態、または寄生虫が原因で補食したカロリーより消化に使うエネルギーが大きくなってしまった状態、これも本当の拒食と言えるでしょう。

原因は様々です。
温度不足による代謝の低下、卵詰まり、脂肪による内蔵の圧迫…。
ことさら寄生虫が原因となるともう僕たちに出来ることはそう多くありません。
プロの獣医師の先生に診てもらいましょう。












☆日々の観察

では『本当の拒食』と『季節性拒食』の違いをどう見極めるか?
これはもう本当に日々の観察です。
1週間のうちの体重の変化が今までより異様に激しい、水分を摂っている様子が確認できない、どこかにヒント…生体の発するサインが必ずあります。

定期的に体重と給餌量を記録し、体重の増減のペースを掴んでみる。
そういった日々の工夫で生体の『癖』を見抜き『飼育者の都合と折り合いをつけてもらう』。
それが生体の健康を保つことに繋がるのです。

日々の観察、これに勝るものはない!!









☆拒食から立ち直るために

さて『季節性拒食』と『本当の拒食』の違いがわかってきたはいいものの、いざ拒食から立ち直るには具体的にどうしたらいいのか?

そもそも『健康に栄養を貯めている個体』であれば1ヶ月やそこら餌を食べないところで急に調子を崩してしまうことは…断言しましょう、ありません。

極端な話、適切に温度を下げたのなら3ヶ月餌を抜いたとしても問題ないと思います。
これは適切な温度変化を与えてゆっくりとクーリングした場合の話ですが…。

飼育下で『餌を食べないな…』と飼育者が感じた場合、多くは『季節性拒食』か『代謝と消化のバランスが崩れている』のどちらかだと思います。
心配だとは思いますが、気を長く持って外気温に合わせて温度をあげてみて下さい。

時期によっては1ヶ月、あるいは2ヶ月かかるかもしれません。
この間も『日々の観察』。
体重の変化が最も大きなヒントになると思います。

日々の観察の中で目に見えて急激に痩せてしまう、10g単位で体重急減する、そういった場合は寄生虫が悪さをしている恐れがあるので、迷わず専門の動物病院に電話してください。
原因を特定して適切な処置をすることがなにより大切です。

そして基本にして最も大切なファクターがあります。

そう『餌』ですね。

はちゅ飼育のスーパーアイドルであるレオパはここ数年でさらに飼育人口が増え、飼育用品もかなり充実してきました。

その中で最も画期的で便利なのが『人工フード』
これは本当に便利な品物で、各メーカーから数種類販売されています。

餌虫はキープが大変ですし、そもそも昆虫って苦手!飼育したくない!という方でも手軽に与えられます。
なにより長期保存が可能です。

僕がレオパの飼育を始めた頃にも人工フードはあるにはありましたが…嗜好性が悪く、臭い!!笑
現在流通している人工フードは本当に嗜好性が高く、ほとんどの子が問題なく餌付いてくれます。
メーカーさんの企業努力、本当に恐れ入りますね。
愛用している飼育者の方も多いのではないでしょうか。

人工フードを与えていた子が食べなくなってしまった場合、気温が上がり代謝が上がってもなかなか食べてくれないことがあります。

こういった時にはやはり本来の餌である活虫を与えると目を輝かせて飛び付いてモリモリと餌を食べる…これもままあることです。

僕も昆虫は苦手で、今でもコオロギには一抹の憎しみを抱いているほどなんですが、これに関しては『飼育者が慣れておく』に超したことはないと思います。

普段コオロギを食べる生体が人工フードも食べることはあっても、人工フードを食べている生体がコオロギを食べないことはほとんどありません(海外のブリーダーさんが殖やした生体は餌が違ったりして食べない場合もあります。困る!)

生きている昆虫を餌として与えることに抵抗を感じる方もいると思います。
そういう方のために『冷凍餌』という選択肢もありますし、これも生体、及び飼育者が慣れておくに超したことはありません。
冷凍餌も長期保存が可能な素晴らしい餌です。

『これだけ与えておけば飼育できる』

これは素晴らしいことです。
爬虫類飼育において革命的で画期的なことだと思います。

ですが『いざ』という時、飼育者が与えることができない餌しかなかったら…それこそ本当の拒食に陥ってしまいます。

そもそもレオパだって色々食べれた方が楽しいかもしれませんしね!
知らんけど!!

餌虫にもいくつかバリエーションがあります。

最も流通しているのはコオロギですね。
コオロギにも種類がありますが、それぞれの餌の特徴を独断と偏見でまとめてみます。


フタホシコオロギ
一番オーソドックスな餌虫ではないでしょうか。
ヨーロッパイエコオロギと比較して脂肪分もタンパク質も豊富で高カロリーです。
産卵後…つまり栄養が足りていない時には栄養をたっぷりと摂取できる餌です。
このフタホシコオロギをひとまわり大きくして固定化、さらに栄養を高めたクロコオロギというものもあります。

ヨーロッパイエコオロギ
フタホシコオロギと比較すると高タンパク低脂質、少し体重を絞ってあげたいな…という時に重宝する餌です。
鳴き声も軽やかで心地よく…はないな!!
比べればマシかな?というレベルです。
フタホシよりもふた回りほど小さいので扱いやすい反面、素早く動くので扱いには慣れが必要ですね。

ミルワーム
ゴミムシダマシという甲虫の幼虫です。
海外ではコオロギよりもむしろワームが主流で、特にアメリカのブリーダーが愛用しています。
日本にいるミルワームと海外で使われるミルワームは種類自体違うらしいですが、アメリカCBの個体はコオロギに餌付かせるのがちょっと難しかったりするんですよね…。

ふすまという小麦を脱穀した殻の粉末に放り込んで適当な野菜を餌として置いておけばとても簡単にキープできるので、そのあたりも魅力です。
難点はあまりボリュームがないので量を与えなければいけないこと、そしてリンとカルシウムのバランスがよくないことがあげられます。
しっかりとカルシウムをダスティングしてあげることで対処していきましょう。

ジャイアントミルワーム
ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫です。
読んで字の如く巨大なミルワームという風体で、相当ボリュームがあります。
脂肪分が多いのであまり常用には適しませんが、こちらもミルワーム同様キープが楽なのが魅力です。
また、顎の力がとても強いので与える際には頭を潰したほうが安全でしょう。

レッドローチ
ローチ…つまりゴキブリです。
これだけで身の毛もよだつ方もいらっしゃいますよね。
しかし餌として見るととても優秀で、嗜好性が高く栄養のバランスもよく、外殻も柔らかく、よく殖えます。
ツルツルした壁面も登れませんので脱走の心配もあまりありません。

ただ、ゴキブリです。
独特の匂いもありますのでこの辺りは相応の『覚悟』をした人間じゃないと戦えません。

デュビア
アルゼンチンフォレストローチ。
はい、これもゴキブリです。
ただレッドローチに比べるとあまりゴキブリ然とした生き物ではなく、見ようによってはかわいく見えてきたりします。
そう、洗脳です(確信)

実際に飼育してみると協力して子育てをする姿や仲間に餌を分け与える(多分気のせい)様子が観察できてなんだか愛しくなります。
匂いもほとんどなく、ツルツルした壁面も登れないので本当に扱いやすい餌虫です。

デメリットとしては外殻が硬い、レオパには若干大きすぎるというところでしょうか。
最大の欠点は丁度いいサイズに育つまで時間がかかることですね。

シルクワーム
カイコガの幼虫です。
タンパク質が豊富で低脂質、餌である桑にもカルシウムが含まれているので栄養価は抜群ですね。
ただし餌が問題で、桑の葉しか食べません。
専用の餌『シルクメイト』という桑の葉を使ったフードがあるのですが、シルクはとにかく大食漢で、大量のフンをします。
キープ面で少し難のある餌と言えるでしょう。

ハニーワーム
しばしば『禁断の餌』と言われるハチノスツヅリガの幼虫です。
嗜好性がものすごく高く、ハチミツを餌として食べるためとても高カロリー。
主食というよりもケーキやお菓子のようなものだと思って下さるとイメージしやすいかもしれません。

拒食に陥ったらハニーワームを与えれば食べる、という話を時たま聞きますが、これは最終手段として頭の片隅に置いておくことをオススメします。
嗜好性が高すぎてハニーワームしか食べなくなってしまうことがあるのです。

ケーキだけを食べて生活していたらどうなるか…
自分の身に置き換えてよく考えてから決断して下さいね。

ワラジムシ
レオパで使われることはあまりないように思いますが、カルシウムが豊富でいい餌のようです。
これは僕自身使ったことがないのでレビューできないんですが、置き餌として使うには嗜好性が高いのではないかなと思います。

ざっとご紹介しましたがこんな所でしょうか。
どれも一長一短ある餌ですが、流通の面で考えるとコオロギを扱えるようになっておくのはいざという時にとても役立つはずです。

これを期に人工フード派の皆様も練習と思って餌虫にチャレンジしてみて下さい。
常用しない場合でもお互いに慣れておくことはとても重要ですよ!








☆まとめ

さて、いかがでしたでしょうか。

極端に画像の少ない退屈な記事となっていないか些か心配ではありますが『レオパ』という生き物を飼育するに当たってとても大切なことをお伝えできたと思っています。

レオパに限ったことではありませんが、爬虫類を飼育するには哺乳類とはまた違った感覚と距離感が必要になります。

大切なのはよく観察すること。

見るのではなく『観る』
聞くのではなく『聴く』
知るのではなく『識る』

毎日の観察、記録、それが爬虫類飼育に慣れることに繋がると思います。
『これだけ守れば飼える』ではなく『こうすればよりよく飼育できる』という感覚を持って接すれば、自ずと『拒食』という困った事態に遭遇することは少なくなるのではないでしょうか。

適応能力の高いレオパは雑な環境でも飼育できます。
ですがそれは飼えるというだけです。

人間の都合に合わせてくれているレオパだからこそ、僕たち飼育者ができる限り彼らの健康のために彼らに歩み寄ることが大事なんじゃないかと、そう思います。

長くなってしまいましたが最後までお付き合い頂きましてありがとうございます!
もしかしたら書き直したり追記したりするかもしれませんが買ってきたポケダンDXをプレイしたいのでこの辺りで失礼させて頂きますね!

明日も仕事だメンテだ筋トレだ!!
またの機会にお会いしましょう!再見!!