戦いは、ナミの言った通り、激戦となった。いつもとは違い、武力だけでは、『勝利』を得る事の出来ない戦い。それでも、彼らは、決して諦める事無く、『勝利』へと手を伸ばそうとしていた。
『教養・武力・忠誠心・実務』といった執事としての基本となる一つ一つの事柄を、一つずつ審査していく。
まず、第一戦での、『教養問題』では、政治や経済の事は勿論、過去に起こった戦や、有名な本の書かれた年代、著者、そして、内容等が問われた。
その問題の数々は、過去から現代へという大きな流れの中の、膨大な量の問題だった。
読書家のチョッパ―、ウソップ、フランキ―、サンジは、自らの今まで培って来た知性を活かし、そして、ルフィも、何故か突破していた。
ただ、ブルックとゾロだけは、観客席へと静かに戻って来た。
特に、ブルックは過去には強いものの、未だ、現代の事には疎く、「私とした事が、現代の事、勉強するの忘れてました。」と言う位だった。そして、その横では、ゾロが
「ったく、何だって、ルフィの奴、答えられてるんだ?」と不思議そうに首を傾げた。

第2戦
『武力』
執事として、仕えるからには、いつ何時でも、主人の側で主人を守らなければならない。そこで、課せられた事柄は、主人として見たてられた人物を側で守りながら、恐れる事なく、目の前の敵へと挑む事だった。
「少々、お待ち下さい。お嬢様。」サンジは膝をつき告げると、得意の足技で目の前の敵をなぎ倒し、再び、膝をつき、課題をクリアした。そして、残りのクルーも難なく、課題をクリアしていった。

第3戦『忠誠心』
執事とは、主人に対し、絶対的な忠誠心を、例え、何が起ころうと、示さなければならない。一瞬の戸惑いも無い、忠誠心を…。
「ここが一番の問題所ね。」
ナミは前を見据え、静かに言った。


挑戦者達は、小さなグループに分けられ、一つずつの部屋へと通されていく、その部屋では、財宝や豪華な食事、そして、美しい女達が、彼らの事を待ち受ける。対象物に、触れた者は、勿論、一瞬でも顔を緩めれば、その時点で、失格となる。ウソップやフランキーは、またもや簡単に試験を突破していった。だが、ただ一人の男が「面目ねェ」と帰ってきた。
「面目ねェ、ナミさん。折角の機会だったのに…。」
ナミは、はりついた笑顔で応じた。