あれから、数日の時が経ち、今、麦藁一行は、『執事グランプリ』の会場である小さな島に船を繋いだ。



数日前に、この大会を知ってからという物、まるで、豪華な宮殿にいるかの様な、錯覚を覚えさせられた。


夜には、「夕飯です、お嬢様方」という、サンジ君の声がかかり、食堂へと足を進めると、さも、当然の事の様に、ブルック・ルフィ・ゾロが、私達3人の椅子を引き、座らせると、フランキー・チョッパー・ウソップが料理を片手に、各々の側につき、静かに食器をおろす。


また、いざ航海を始めてみれば、ナミさんの声に従い、各々の仕事を始めようとすれば、すぐに邪魔をされ、仕事を横取りされる。


知らぬ内に、私は、静かな溜め息を夜の海へと向かってついていた。
「何か、悩み事かしら?」
いつの間にか、側には、ロビンが立っていた。
「ん?ううん、何でも無いの。ただ…。」
ロビンは、何も言わずに、ただ静かに、こちらを見つめてくる。
再度、溜め息をつくと、私は、静かに、言葉をつむいだ。
「ただ、なんか雰囲気が違うな。ってさ、あ、別に、嫌とかじゃなくて…。」
静かにロビンが、横でクスリと笑った。
「ロビン、笑わないでよ~。」
私は、少しいじけながら、答えた。
「ふふ、ごめんなさい。でも、ナミちゃんにも言ってみると、なにか、良い事が起こるかもしれないわね。」
「ナミに?」
ロビンは、返事の代わりに、優しく微笑んだ。
「解った、行ってみるね、ロビン。」
彼女は、足を早めながら、途中でピタリと足を止めると、クルリと後ろを振り返り、ロビンに「有難う」と呟いた。


いよいよ、大会の行われる島へと到着した。
島には、この大会を見学に来たらしき女性達や、大会に出場するのであろう、黒い燕尾服をしっかりと着こなした男達。そして、彼らを、スカウトに来たらしき、男性達や、小さな子ども達の姿が目についた。


観客席で、ロビンの隣に座り、立ち並ぶ出店から買った、ドリンクを飲んでいると、ナミが得意の聞き出しで仕入れた情報を、書き出したメモを手に静かに呟いた。
「難しい戦いに、なりそうね…。」



――――
もう暫く、お付き会いのほどを…。
宜しくお願いします。お嬢様。


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素敵なブログばかりDEATH!!