【牛肉文化はウソ!?ホント!?】至高のソースのコンセプトが決定!! | 至高のソースを創る!! 千日前はつせ 三代目 長谷川明男

【牛肉文化はウソ!?ホント!?】至高のソースのコンセプトが決定!!

こんにちは。「至高のソース」を創るための精進を日々怠らない、千日前はつせの長谷川明男です。


先日、某テレビ局からお問い合わせのお電話を頂きました。内容は「大阪の牛肉文化について」です。関東では「肉といえば豚肉」なのですが、関西では肉は牛肉の事を指します。電話では担当者の方との話もつい盛り上がってしまいました。日本の中でも地域によって文化の違いがあり、これは一つのエンターテイメント的な知識となります。例えば「歩く歩道」です。関西では歩く歩道というものは「歩く速度をスピードアップさせる装置」ですが、関東では「歩かないで済む装置」という認識らしいです。エスカレーターの立ち位置も関西と関東では左右が逆ですね。中間地点のあやふやな地域では、どちらに立つかという「足跡マーク」あります。「これはあなたの地元ではどっち? これって何て言うの?」という情報交換は非常に楽しいですし、勉強になります。



関西は牛肉文化なのに、なぜ豚玉がメイン?


当店でも豚肉のお好み焼は「豚玉」ですが、牛肉のお好み焼は「肉玉」です。「牛肉玉」ではありません。野菜炒めの牛肉版も「肉炒め」という名前です。でも、牛肉文化なのになぜ一番有名なのが「豚玉」なのかとよく聞かれます。答えは「文化」にあるのではなく、「時代」にありました。


昔から庶民的な食べ物であったお好み焼は、具材も安価なものが好まれてきました。牛肉文化といっても、豚肉の方が値段も手ごろだったので、また粉モンには牛肉よりも豚肉の脂の方がよく合う事もあり、豚肉がお好み焼きのメイン具材となったのです。他にもイカなどは庶民的なお好み焼の具材として知られています。



豚肉へのこだわり


牛肉文化である関西には珍しく、お好み焼ではメイン具材となる豚肉ですが、当店にももちろん豚肉に対するこだわりがあります。よく家庭で作るお好み焼には豚バラ肉を使いますが、当店の豚玉には肩ロースを使います。この肩ロースの脂の旨みをお好み焼の中に閉じ込めるたものが当店の豚玉の特徴とも言えます。豚バラのカリッとした食感(クリスピーさ)も魅力的ですが、当店では生地でクリスピーさ出すようにしています。具材によってクリスピーさがなくなる事は避けたいと思っているからです。さらに肩ロースに対してのこだわりもあります。それは、冷凍肉ではなく必ず捌かれたばかりの「生肉」を使う事です。もちろん国産限定で、毎日細かく仕入れます。どうせ焼くのに、なぜそこにこだわりが?と思う方もおられるかもしれませんが、冷凍肉と生肉とでは大きな違いがあります。


最近は冷凍技術が大きく発展しています。新鮮なままの食材を瞬時に冷凍する技術は目を見張るものがあります。しかし、冷凍とは「凍結させる事」である事には違いはなく、解凍するのは使用者です。しかも完璧に解凍する事は容易ではありません。専門的なデータを提示するほどの知識はありませんが、冷凍肉と生肉とでは旨さというものが断然違います。前述の通り、豚肉の脂とお好み焼の生地の相性は抜群に良いのですから、それを最大限に引き出さない手はありません。このこだわりは創業時から変わらず守られているものです。



こだわりを守るために前に進む


私も何気なく食べていた豚玉ですが、創業当時から守り続けられた味で、それが定番になっている事には時代背景があった事を知ると、少し懐かしい気分になります。懐かしんでいる私にはその記憶が無いにもかかわらず

こんな気分でなれるのは、もしかするとDNAにある潜在意識が働いているからなのかもしれません。創業からのこだわりを守るため、大阪の食文化の背景を伝えるための「温故知新」をテーマにした「至高のソース」を創る事が私の使命だと感じた次第です。




至高のソースを創るためのヒント その6

ソースのテーマは温故知新!! お客様への想いが伝わるソースを目指すんや!!


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