2010.12.30 大徹頭徹尾@吉祥寺WARP×Cheeky | 愛輔blog

2010.12.30 大徹頭徹尾@吉祥寺WARP×Cheeky

2010年もついにこの日を迎えた。
毎年恒例、師走の吉祥寺を揺さぶるビッグパーティー
大徹頭徹尾

$愛輔blog-大徹頭徹尾フライヤー三宅洋平が犬式時代から地元吉祥寺にて
オーガナイズを続けるこのイベント。
まず心惹かれるのはこのフライヤーデザイン。
最近はアートとして楽しめるフライヤーに出会う機会が
めっきり減っちゃって寂しい限りだが
このセンス、スタンス、今や貴重ですらあるのだろうか。
しかも今年は限定1000枚。
大量生産、大量消費時代への明確なアンチテーゼ。
思想が確実に行動にシフトする。流石。

$愛輔blog-大徹頭徹尾14決して広いとは云えない吉祥寺WARP&Cheekyに
限定200枚のチケットを手に入れた聴衆が押し寄せる。
誘い込んだアーティスト陣も気合いに漲っていることだろう。
さてどんな夜になる!

なんて廻らせながら
別件が長引き遅刻...畜生
WARPの前に辿り着くとまだ行列の名残が窺えた。
当たり前だがトップのJIVE REC ORDERには間に合わず。

フロアに降りるとcro-magnonがライブをスタートしていた。
相変わらずお洒落でタイトなステージ。
程よく酔いしれたオーディエンスの腰を存分に揺らす。
"Rinding the Storm"のギターが一段と聴衆を煽る。
年の瀬にcro-magnonの音に包まれる幸運に感謝。
愛輔blog-大徹頭徹尾1Great Triangle cro-magnon愛輔blog-大徹頭徹尾3
愛輔blog-大徹頭徹尾4

自分たちの出番、時間帯を明確に心得たステージだったように思う。
心地よい熱気をフロアに残し、DJ conomarkにバトンを繋ぐ。
漂う熱に輪を掛けるようにconomarkのプレイが螺旋の如く渦を巻く。
躍る、踊る。
みんな素直に音を愉しんでたなー。

そしてDACHAMBO登場。
いつの間にかセットされたツインドラムがリズムを刻みだすと
必然だと云わんばかりにフロアはカオスに覆われた。
些か迷惑ではないかと思うほど躍り狂っちゃってる人とか
目を閉じたまま異次元に跳んでっちゃってる人とか
明らかに酸欠気味なのに笑顔が一切崩れない人とか
トランス。まさにオーガニック100%の人力トランス。
DACHAMBOがDACHAMBOたる所以をまざまざと見せ付けられた。
熱狂と云う意味ではこの夜のハイライトは間違いなくこの時間だっただろう。
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$愛輔blog-大徹頭徹尾12DACHAMBO http://dachambo.com/pc_index.html

$愛輔blog-大徹頭徹尾5階段を上がったラウンジフロアでは
天才ペインターDRAGON76氏のライブペインティングが進行中。
あちこちの現場でご一緒させて頂くこともあるのだけれど
ご挨拶するのはこの日が初めて。
万人の感性を奮わせるBIGMAN。すげーいい人だった。
『はじめまして』の挨拶の後、握手をと差し出した僕の右手を見て、塗料塗れの自分の右手を見下ろす。躊躇しながら申し訳なさそうに笑うDRAGONくん。
素敵。
構わず手を握らせて頂いた。カッコイー。
愛輔blog-大徹頭徹尾13
COEXISTENCE = 共存
DEVELOPMENT = 発展 成長
メッセージはシンプル。
シンプルに送信されたメッセージは
シンプルに解釈するのが好ましい。
字の如し。そのまんまが正解だ。
TOUCH YOUR SOUL


















DRAGON76 official WEB SITE
http://www13.plala.or.jp/dragon-76/


愛輔blog-大徹頭徹尾2foodの出店は あっこ亭(ORGANIC FOOD)
この日のメニューはグリーンとレッドの2種のカレー。
オーディエンスの波に揉まれながらの撮影に、程よく小腹が鳴る。
魅惑の香りに誘われてグリーンカレーをオーダー。
店主のあっこちゃん曰く、相当辛いから気をつけて、との一言。
しかしこちとら根っからの辛党、その言葉に抱くのは期待のみ。
DRAGONくんのペイントを眺めながら堪能。
グリーンカレー旨し。辛さはまだまだイケます。
因みに帰り間際、レッドもしっかり食べました。ご馳走様でした。

さあ大トリは(仮)ALBATRUS
フロアは彼らの登場を待つ聴衆で再び埋め尽くされた。
$愛輔blog-大徹頭徹尾16ひとり、またひとりとメンバーが登場するたびに歓声が上がる。
"WELCOME TO THE ALBATRUS"でステージの幕が上がる。
ゆらりゆらりと見えない狼煙が立ち昇る。
まさにこの曲が現在の(仮)ALBATRUSの在り方なんだろうな。
羽ばたいた大空の中でようやく見出し始めたスタイルと云うべきか。
背を向けながらこっちを振り返り、
ウインクしながら羽で手招きしているような。
なんか そんな感じ。僕的にはね。

$愛輔blog-大徹頭徹尾18そしてこの日は"意識の大陸"が素晴らしかった。この日はRAS TAKASHIさんをゲストに迎えたアホウドリ。彼のピアニカに纏われて一層深みを増した楽曲はいつもより唸りを上げて琴線に響いた。
そして僕個人の興味の的は、白石才三くんに代わってベーシストとして新しく加入した小林眞樹さん。
名前と顔が一致していなかったんだけど、見たらすぐ解った。
何度か撮影させて頂いていました。
才三くんとはまた一味違うベースの響き。
土台を支えながら要所でグイッと主張するような。$愛輔blog-大徹頭徹尾22
バンドとしてまだまだこれからマッチングしていく時期なのかもしれないが、聴いてるこっちにしてみれば既に心地よし。相性は問題無しだろう。演奏を重ねて更に融合を深めていくのかと廻らせると実に愉しみだ。
Peace-Kくんは相変わらずハッピーで、少なからず哲学的な堅さを持つ(いい意味で)このバンドにひらひらと花を咲かせていた。
元さんのsaxは緩やかな波のように寄せたり引いたりフロアを漂い
聴衆のテンションを持ち上げる。
SOILでのグイグイ引っ張るプレイとは一線を画す懐の深い音。幅広いなー。
僕が見てきたsaxプレイヤーの中でダントツno.1のアイドルであるw
$愛輔blog-大徹頭徹尾19竜太くんの右手負傷により代役を務めるギターの坊ちゃんは、あっと言う間にこのクセのありまくるサウンドに溶け込み、少し控えめな立ち位置を取りながらも柔らかでふくよかなプレイが印象的だった。
聴衆は(仮)ALBATRUSのディープなグルーブに身体を揺らしながらも洋平の言葉に耳を傾けていた。
洋平の言葉を欲していた。
洋平は云った。
『ワイルドサイドを歩こうぜ』
これには聴衆も大いに沸いた。$愛輔blog-大徹頭徹尾17そして親交のあるミュージシャンにして政治家でもある喜納昌吉氏の言葉を引用してこうも云った。
『死を以ってネガティブとするこの現代のデカダンス』
いつだったか僕の友人のギタリストが、赤提灯の燈る居酒屋で
ビール片手にこう云っていたのを思い出した。
『死んでからが勝負。今はそのための準備』
そして昨年の夏、山仁 da sportsmanは
『死は畏れるべき事象ではない』
と僕に語った。
僕は未だこの境地には達していないが
どれも実にポジティブに響いたのは間違いなかった。
彼らは高みに立つ指導者ではない。同じ大地に立つ平等な人類として
共に考え、各々が自らの意思で選択する余地を示しているのだ。
後日、洋平はこの夜を振り返って
『納得のいくライブが出来なかった』
と回顧しているが、それでも聴衆が歓声を上げどこか満足げな表情をしていたのは、どんなコンディションにあってもベストなパフォーマンスを諦めない彼の誠実さを皆がひしと感じ取ったことに他ならないのではないだろうか。
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この夜はこのシーンの持つ大きな可能性を改めて認識することになった。
彼らは今年も一年、列島各地で僕らを愉しませてくれることだろう。
そして僕らも
手から手へ 口から口へと紡がれた生きたメッセージを、また隣人に手渡していきましょう。

大徹頭徹尾
とても濃密ないい時間だった。

ありがとうございました。

おしまい。

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