シンガポール航空、経営正念場。乗客激減で視界不良 | Flight Blogger Nippon 2011 0fficial Blog

シンガポール航空、経営正念場。乗客激減で視界不良

【News Source】
Fujisankei Business i-Bloomberg Global Finance
配信日時/3月27日
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200903270016a.nwc
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時価総額で世界最大の航空会社、シンガポール航空は、過去5年で最大の乗客減少に経営を圧迫されている。同社の2009年2月の乗客数は前年同月比20%減となる118万人(ブルームバーグ調べ)。この減少率は2003年6月以来の大幅な落ち込みで、当時は新型肺炎(SARS)の影響により、アジア発の飛行機の半分が空席だった。また、2月の搭乗率は69.7%を記録し、2008年10~12月期の損益分岐点である72.7%を下回った。

マレーシア・クアラルンプールに拠点を置く「アイキャピタル・グローバル」でマネジングディレクターとして2億ドル(約195億円)規模の資産運用に携わるタン・テン・ブー氏は、空席だらけのビジネスクラスを満喫している。1ヵ月に3回以上、飛行機を利用するタン氏は『景気が減速する前は、ビジネスクラスの席を確保するのがいつも難しかった』と話す。
シンガポール航空は売り上げの約40%をビジネスクラスなど高価格帯の座席から得ており、空席が増えるということは、赤字を避けるため、座席や人員をさらに削減する必要が出る。

国際航空運送協会(IATA)によれば、2009年1月のビジネスクラスなど高価格帯の利用者数はアジア地域で大幅な落ち込みを記録。域内路線では前年同月比23%減、太平洋を通過する路線では同25%減だった。
英航空会社大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)も2月のファーストクラスとビジネスクラスの利用者数が20%減少したことを明らかにしている。
シンガポールの「ターゲット・アセット・マネジメント」で26億ドル(シンガポールドル換算で約1700億円)規模の資産運用に携わるテン・ギク・リアンCEO(最高経営責任者)は『利用者は現在の経済状況下で搭乗回数を減らすか、出費を抑えるため安い席にするだろう。航空業界にとっては厳しい状況だ』と指摘する。

シンガポール航空のチュウ・チュン・センCEOは来年度(2009年4月~10年3月)、保有機を17機削減するほか、座席数を約11%減らす方針を明らかにしている。世界的なリセッション(景気後退)で旅行需要が減少するという『非常に難しい年』に備えるためとしている。
シンガポール航空は08年9月以降、路線数の削減や燃油特別付加運賃(サーチャージ)の引き下げを実施しているほか、搭乗率を高めるため路線の再編を行っている。また、早期退職や給料を支払わない形での一時帰休などに関して労働組合と協議を行っている。
同社の株価は2008年に35%下落したのに続き、今年も年初来で10%以上、下落している。(By.Chan Sue Ling)