静岡県知事、空港の立木問題で一転、引責辞任を表明 | Flight Blogger Nippon 2011 0fficial Blog

静岡県知事、空港の立木問題で一転、引責辞任を表明

【News Source】
静岡県知事が空港外の立ち木問題で引責辞任を表明
時 事 通 信
配信日時/3月25日13:48
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2009032500455

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静岡県の石川嘉延知事は25日記者会見し、静岡空港(同県島田市、牧之原市)西側の私有地に航空法の高さ制限を超える立ち木が残され、滑走路が短縮されて開港が延期となった問題の責任を取り、任期途中で辞職する意向を表明した。
石川知事は同日午後に開いた会見で、『空港をきちんと完成させることが私の使命と考えた。地権者からの(辞職などの)条件を全面的に受け入れる』と述べた。
同空港の滑走路は本来2500mだが、県の土地収用作業のミスにより西側私有地に残された航空法の制限を超える高さの立ち木や土地が障害となり、暫定的に2200mに短縮して運用することを余儀なくされた。短縮工事のため、当初3月を予定していた開港は6月に延期となった。
2500m滑走路での完全運用のためには、地権者から除去の同意を得る必要があったが、交渉は難航。地権者は除去の条件として知事の辞職を求めており、要求に応じた形だ。
石川知事は1月末、一連の問題の責任を取るとして自身の給与カットを表明するとともに、空港の完全運用を自らの政治責任と位置付け、地権者から除去の同意を得られない場合、民事訴訟を提起して強制除去を目指すとしていた。
しかし、訴訟を起こしても確定までには少なくとも数年掛かる上、県議会与党の自民党からも知事に対する反発が高まっていた。
石川知事は1964年自治省(現総務省)入省。静岡県総務部長、自治省公務員部長などを経て93年知事に初当選し現在4期目。7月末に任期満了を迎えるところだった。
私有地地権者の男性(49)は取材に対し、『(会見の)内容を確認しないと正式なコメントはできないが、責任を明確にした上で辞職するならば(立ち木の)除去には応じる』と話した。
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http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20090326ddlk22010214000c.html

◆完全開港へ扉開く
「びっくりした」「残念」―。25日の石川嘉延知事の突然の辞職表明に県内関係者に衝撃が走った。空港近くに残る立ち木問題を解決するための“捨て身”の行動で、完全開港への扉は開かれた。
だが、今夏の任期満了=知事選に向けて準備を進めてきた自民、民主陣営も不意を突かれた形で、県政と選挙戦の行方は混沌としてきた。<松久英子、浜中慎哉、望月和美>

会見で石川知事は辞職決断の理由について、2月11日に立ち木の地権者から出された辞職要求の申し入れ書を挙げた。その時は知事は拒否したが、『辞職が(事態打開に)役に立つと、本人から提示された。それまでは考えていなかったが、いろいろ選択肢を考えながら決断した』と述べ、あくまで空港問題の早期解決を図るための決断であることを強調した。
しかし、4期16年の長期にわたる石川県政に不協和音が出ていたのは事実だ。5選に向けて意欲を示していた石川知事に対し、民主系会派が2月定例会で減給条例案に反対に回るなど、知事を支えてきたオール与党体制が崩壊。さらに今月中旬、知事が有力な財界関係者と会談し、出馬しても従来のような支援が得られないと判断したとの情報もある。実際には、空港問題以外の要素も加味して、総合的に「5選は無理」と判断したと見られる。
県は今後、立ち木などが除去され次第、速やかに滑走路2200mを2500mに戻す手続きに入る。変更工事について国の工事完成検査を再申請する必要はなく、滑走路の照明器具の設置場所などを変更するだけで済み、1晩で完了するという。
ただ、既に2200m滑走路での運用を世界中の航空関係者に空港情報を知らせる航空路誌(AIP)に掲載する準備が始まっており、2500mとして再掲載するには2ヵ月弱余分にかかる。
また、国が滑走路2500mで問題ないか確認作業をするため、県空港部は『例え今月中に立ち木などが除去されても、現時点ではいつ完全開港できるか見通しは分からない』という。6月4日の開港時は2200m滑走路の暫定開港になる見通しだ。

◆知事辞職の書面手渡す-地権者・大井さん「考えます」

25日午後5時半ごろ、立ち木のある土地の地権者、大井寿生さん(49、島田市湯日)のもとに県空港建設事務所の職員2人が訪れた。職員は、知事印が押され『(辞職の要求を)受け入れる』と記された書面を大井さんに手渡し、『知事が直説話をしたいといっているのでよろしくお願いします』と申し入れた。多くの報道陣が取り囲む中、大井さんは『考えます』などと答えた。
大井さんは『知事は自分の責任を県民に示した。除去に応じる環境は整った』と述べ、立ち木伐採に向けた協議に応じる意向を示した。だが『往生際が悪かった。もっと早く辞職を決断すべきだった』とも述べ、これまでの知事の対応を批判した。大井さんは『組織の体質が変わるためのきっかけとして辞職を求めた。知事の辞職がトカゲのしっぽ切りにならず、行政組織そのものが変わらないといけない』と述べた。
知事の辞職時期については、大井さんは『私から言うべき話ではない。知事が判断すべきだ』と言及を避けた。<竹地広憲>

◆商議連会長「想定外」市民団体、評価はこれから

25日午前に石川知事から辞職の意向を電話で伝えられた県商工会議所連合会の松浦康男会長(静岡銀行会長)は『任期満了前の辞任は想定していなかったので、十分な返答ができなかった』と驚いていた。空港をめぐる知事の対応については『いろいろとあったが、功績を考えると取るに足らないと思っていたので残念。知事の決断だが、6月4日の開港までは知事にとどまっていただきたい』と話した。
また、後援会長を務める鈴木修・スズキ会長兼社長は『突然のことで大変驚いている。苦渋の決断だったと思う。今後のことを考えると大変ショックだ』とコメントを出した。
一方、空港事業認定取り消し訴訟の原告で、市民団体「空港はいらない静岡県民の会」の桜井建男事務局長は『辞職の意思を表明しただけで実際に辞職したわけではないので、現時点で(知事の判断についての)評価はできない。立ち木を切るにしても、実際に辞めてからでないと筋は通らない』と話した。(以下省略)