今年のお正月に、私は、実家へ帰った。

私の母は、ここ数年、祖母の介護に、仕事にと、休む暇なく、自分のことなど後回しにするような忙しい日々を過ごしていた。

お正月くらいは、ゆっくり休ませてあげたかった私は、前から母が行きたがっていた、実家からは遠い、広島一の繁華街にある、おしゃれなカフェへ行こう、と誘った。

 家事や介護を休んで、遊ぶことに負い目があるのか、何度誘っても「私はええから、ええから。」と、行こうとしない。最後は、半ば強制的に、行く約束をさせた。

そうしたものの、前日の夜、「これは、わたしが連れて行きたいというエゴだったかな?もしかして、母は本当に行きたくないのでは・・・」と、不安になった。

 しかし、当日、あんなに気が進まないと言っていた母が、普段着ない、一張羅の服を着て、見たこともない真珠のネックレスに、豪華な指輪までつけてきた。

しかも、駅のホームで電車を待っている時には、爪に、マニキュアまで塗っているではないか。

実はお母さん、行きたかったんだなぁ・・・。








愛の世代ズ たべ。