学士編入対策で使った本 <免疫> | まさか医学生になろうとは

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工学部から医学系の研究を始めて、医学部を意識し始めました。それから医学部入学までの軌跡と、その後の生活を記録しています。
*『まさか俺が再受験生になろうとは』からタイトルを改めました。

免疫を勉強してみて思ったのは、生体機構の中で最もよくできた機構だということだ。そして免疫を知らずして分子生物学はありえないと思った。
今まで免疫を知らずに分子生物学の世界で院まできてしまった自分が、いかに井の中の蛙であったかと恥ずかしく思った。


さて、最初メンエキのメの字も知らなかったので、いきなり専門書に手を出すのは気がひけた。そこでまず「免疫 からだを護る不思議なしくみ」で勉強を始めた。

免疫―からだを護る不思議なしくみ/矢田 純一
¥1,890
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内容は基本を押えつつも、極めて平易に書かれており挿絵に至っては完全に”絵本”だ。それゆえ堅苦しさがなく、楽な気持ちで勉強できる。読み物としても全然いける本だと思う。
自分はこの”絵本”(あえてこう呼ばせてもらう)をノートにまとめて勉強していった。

(* 自分が購入した頃はまだ第3版で絵本のような表紙だったのだが、今は版が新しくなってちょっとカタめになってる。味のあるデザインだったのに・・・残念だ。)

↓自分が買ったときの表紙(第3版)



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入門は上記の本で十分だと思う。
でも免疫”学”としてはまだ足りない。

免疫一般については「細胞の分子生物学」にも記載されている。
しかしそれじゃ不安、もしくは物足りないと思うのであれば「エッセンシャル免疫学」をお勧めする。
エッセンシャル免疫学/ピーター パーラム
¥6,300
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この本は免疫の教科書では有名な「免疫生物学」と同じイラストレターが挿絵を担当しており、かつ名前に”エッセンシャル”の冠がついているので、「細胞の分子生物学」⇔「エッセンシャル細胞生物学」と同じような関係だと勘違いしている人が多い。

しかし内容はまったく別に書き下ろされたものであり、「免疫生物学」の縮小版ではない。

「エッセンシャル免疫学」は「免疫生物学」より格段にわかりやすい文章で書かれており、まとまりがある。そして一番お勧めしたいポイントは、章末問題がついていることだ。

大学レベルの生物学になると、参考書は豊富なのに問題集がほとんどないのが現状だ。このような状況下にあって、適度な解説と適度な問題集を備えた本書は本当に貴重な存在なのだ。

もし購入するのがためらわれるのであれば、図書館などで借りて問題集の部分だけコピーして使うのもいいと思う。(実際、最初の頃は自分もそうしていたが、結局買ってしまった。)
それくらい問題集があるということは貴重なことなのです。


「免疫生物学」を買おうとしているあなた。
悪いことは言わないから「エッセンシャル免疫学」の方にしておいた方がいいと思うよ。

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一応参考で紹介;免疫生物学
いわずと知れた免疫の超有名参考書。だが日本語訳がわかりにくい。難解で詳しすぎるため、学士受験生には向かない。

* 第6版の日本語版がじきに出版される予定だが、実は院の友達が一部の訳を担当してたりする(笑)ちゃんと訳せよ!
免疫生物学―免疫系の正常と病理/Charles A.,Jr. Janeway
¥8,400
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