小泉進次郎議員、ネットとは「適度な距離感が欲しい」@滝川クリステルさんインタビュー | あはれ

小泉進次郎議員、ネットとは「適度な距離感が欲しい」@滝川クリステルさんインタビュー


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今夏の参議院選挙で解禁されることが与野党で基本合意されたインターネットを利用した選挙活動。政治とネットの関係について、各党、議員などのネット活用状況を追い、その利点・問題点を探った23日のフジテレビの情報番組「Mr.サンデー」。滝川クリステルさんが小泉進次郎議員に直撃インタビューを行っておりました。

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ネット選挙解禁で政治は変わる!?
2010/5/23 Mr.サンデー

滝川クリステル「インターネットは政治をどう変えるか、この議員に直撃してきました」

(VTRへ)

小泉「政治家も人間だと言うのを多くの方にわかって頂きたいなぁと」

ナレーション「ブログアクセスNo.1議員が語るネット選挙の未来とは」

滝川「よろしくお願いします」


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(CMへ)

ナレ「総理がつぶやき(twitter)、仕訳人の生中継に国民が沸けば(ニコニコ動画)、先生たちは互いのブログで大バトル(転倒騒動の三宅議員と甘利議員)。今や政治家にとって自ら情報発信するのが当たり前。政治とインターネットは切っても切れない時代になりました。しかし、この夏、その関係が大きく変化していこうとしています。それは――」

(大きく「選挙解禁」の文字)

ナレ「思えば海の向こうでインターネットの威力が選挙の行方を左右したのは一昨年のこと(大統領選挙時のオバマ候補の演説の様子と「圧倒的な情報発信/ネット献金6億ドル」と文字)しかし日本では選挙期間中のホームページやブログの更新は公職選挙法で許可されていないビラを配る行為と同じとみなされ禁じられていました。ところが一昨日、与野党はそれらを夏の参院選からを解禁することで大筋合意。ついに日本にもネット選挙時代がやってきます。となればネット上での人気が選挙にも影響するに違いない。そこで政治家のブログランキングを覗いてみると、小池元大臣…長妻大臣…石破元大臣など錚々たる面々を抑えて堂々トップにいるのは、あの小泉進次郎議員です。国会議員になってまだ9か月、なぜ新人議員のブログが、そんな人気なのか、そこで本人への単独インタビューに挑戦した滝川クリステル。

(ホテル?前)

滝川「今、進次郎さん出てきました。お話を聞きたいと思います。(駆け寄る)すみません、進次郎さん。Mr.サンデーですが」

小泉「はじめまして(ペコ)」

滝川「よろしくお願いします(ペコ)」

小泉「いつもテレビで拝見しています」

ナレ「チョット強引ですが、立ち止まってくれました」

滝川「進次郎さんのブログ(アクセス数)が政治家の中でトップの座についてるわけですが、その辺りは嬉しい?率直に」

小泉「嬉しいですよ。コメントがくる方なんかは、驚くことに小学生とかから来るんですよ。だから小学生が」

滝川「世代を超えてね」

小泉「そうなんですよ。中には70歳代の方とか、だから幅広い方に読んでいただいているというのは、書く励みになりますし――」

ナレ「彼のブログは、とにかく、あけすけで親しみやすいと評判。新人議員ならではの感覚で永田町の常識に突っ込みをいれたり、国会でのランチもユーモアたっぷりに紹介します。小学生からも反響があるというブログ。その威力を見せつけられたのが、こんな文章を見つけた時でした。「14:30、浅草、雷門!」。およそ二時間前にここで演説をすると書き込んだだけで――」

(浅草での街頭演説時
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の映像)

女性A「(小泉議員に)ブログ拝見してます。きょうも拝見してきました」

小泉「ありがとうございます」

ナレ「なんとブログを見て駆け付けたという女性が。しかも」

女性B「国会質疑全部見てます」

小泉「ありがとうございます」

ナレ「これ、実際に選挙戦に突入したらとんでもないうねりとなるなる可能性を秘めています。演説はもちろんお父さん譲りです」

小泉「今にも雷が落ちてもおかしくなさそうな天気に、私が来たのが雷門。今、雷を落として欲しいのは自民党に対してではありません。民主党に対して落として頂きたい」

ナレ「そして――」

記者「この後ブロブには何て書きますか?」

小泉「ブログの中…、国民は雷をどっちに落とすか(笑)」


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ナレ「その日のブログはこうなりました」

滝川「(小泉議員のブログを見ながら)書いてますねー。参議院選挙、国民が『カミナリ』を落とすのはどっちだ!?」

ナレ「とにかく今や携帯一つあれば情報が発信出来る時代。移動中であろうが、地方にいようが、情報は即座に更新されて行きます」


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小泉「(街頭演説にて)ここに来るまでの車の中で山形弁の語学の練習をしてきました(聴衆笑)。んだ。(聴衆が「んだんだ」)ありがとうございます(聴衆笑)そのひとつの『んだんだ』がいっぱい出るように、もっと頑張ります」

(山形での街頭演説後に更新した記事の映像)

ナレ「ブログファンには、このライブ感がたまらないのかもしれません。そんな進次郎議員本人は今回のネット選挙解禁の動きをどう見ているんでしょう」

滝川「どのようにお感じになってますか?」


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小泉「いいことじゃないですかね。やっぱり関心を国民が持ちやすい。で国民が関心をもつと政治家も国民に関心を持ちますから。やっぱり関心が低いと見なくてもいいやとか、別に国民が見てないから関心を持たなくていいとか、そう思っちゃうんで。ブログとかtwitterとか、ああいうツールは、ないよりかはあった方がいいんじゃないかな」

ナレ「国民が関心をもつと政治家も国民に関心を持つ。それを戦略として使ったのが民主党の新政権なのかもしれません。ご存知事業仕分け」

(仕分け映像)

枝野「民間がやっている、法的な根拠もなくというのは合理的な説明ができますか?」

ナレ「実はこの一部始終はインターネットで完全生中継されています。しかも中継を希望した5つの会社が機材や技術者を全て負担。政府は一円も払うことなく、仕分けの様子を世界中に生放送できることになります。なかには中継動画に視聴者が書き込めるサービス(ニコニコ動画)や――」

ニコニコ動画ユーザー「(事業仕分けのコメント)蓮舫スイッチ発動?」

ナレ「動画とtwitterを同時に表示出来るサービスも」

twitterユーザー「――こいつらのために、税金を吸い取られてたまるか。もっと怒らなきゃ!」

ナレ「5社合わせて30万人以上が見たという事業仕分けの生中継。まさにリアルタイムで見る国民の声も仕分け人達は議論の参考にしていると言います」

伊東伸・参事官「きょうも昼休みに蓮舫議員や枝野大臣に『twitterの雰囲気はこうです』という話をして、そこから少し議論の修正をしていくとか、そういったこともしていますんで、非上にこれは効果があるかなぁというふうに思っいます」

ナレ「もはやとめようのない政治とインターネットの関係。今や政党が独自の番組を放送する動画チャンネルを持っているのは当たり前。逆に小さな政党にとってインターネットでの情報配信は少ないコストで大きなリターンを狙うためのビッグチャンスなのです。例えば、旗揚げしたばかりの新党にとってホームページはイメージ戦略の最重要課題。ライバルたちの研究も入念です」

荒井広幸・新党改革幹事長「民主党ちょっといってみましょう」

(民主党のホームページのトップページを見る)

荒井「公募がトップに無いでしょ。ここに公募を入れえとかなきゃダメってことですよ。民主、入り口が非常に下手。自民どうぞ。(自民党のホームページトップを見て)自民の場合も似たようなもんで、これないんです。だからホントに公募する気があんのかと。我々は市民参加、国民参加型をやってくんでトップに公募というのを、(デザイン案らしき紙面をみながら)ここにクリックで入ってく、こういう風にでっかく、献金いれてもらって」

ナレ「その見やすさやデザインが一票に繋がるのです」

荒井「ホームページの上では資金力の差や、議員の数、党員の数は関係ないですね。トップページがポータルサイトといったらいいんですか、そこからブワァーっと広がっていく。こういう改革ワールドというかね。その入口だから重要です」

ナレ「こうしてこのようなホームページができあがりました。一方で日本初の試みを行う大臣もいます」

原口一博総務大臣「(USTREAMにて)皆さんお待たせしました。総務大臣の原口一博です。きょうは総務大臣室から…」

ナレ「現役の大臣が大手メディアを一切介さず、ネット上で会見する。これまでに10万人を超える人々が視聴しているというのです。この日大臣が書き込んでいたのは自らのtwitter」

原口「きょう午後4時から5回目のUSTREAMのテスト会見をやるんですね。それの告知です」

ナレ「会見の告知、会見そのものも全てが自分発なんです。しかも驚いたことに中継の準備をするのは3人のスタッフだけ。機材も実に簡単なものです。これだけで誰にも編集されることなく自分の政策を訴えることができる」

原口「通常の記者会見、総務省でやる私の記者会見は時間が限られますし、それが活字になって出るのも全部は出ないですから。今後は直接、生の情報に国民の皆様に触れて頂く」

ナレ「なるほど。こうしてみると政治とネットは相性もよく。良いこと尽くめのように見えます。しかし、私たちは進次郎議員を追いかけて気になることが、ありました。きっかけは進次郎議員のブログを欠かさず読む女性の言葉」

女性C「この間の強行採決の時の…」

記者「あれ読んだ。どんなところが印象に残りました?」

女性C「今の国会は酷いなって思いました」

ナレ「彼女が言っていたのはこの書き込みです」

(小泉議員のブログ記事を読む滝川さん)

滝川「やっぱり強行採決と強い調子で書いているタイトルですけど…。『しかも最後は委員長の職権で私の質問を打ち切る形になりました』」

ナレ「これがその日の映像です」

(内閣委員会の映像)

小泉「委員長!」

田中委員長「小泉くんに申し上げます」

小泉「もし与党の中から私たちの声とは

田中「質疑時間がオーバーしておりますので」

小泉「同じ声が一度もなかったらいいですよ」

田中「これにて質問を打ち切ります。お諮りいたします」

小泉「委員長 委員長 委員長 それはおかしいですよ」

田中「お諮りいたします。この法案に対する…」

小泉「委員長 止めて下さい」

ナレ「小泉議員の質問を打ち切り採決に臨んだ民主党の田中委員長」

田中「賛成の諸君の起立をお願いいたします」

小泉「委員長 委員長」

田中「起立多数、よってそのように決しました」

小泉「これ、おかしいじゃないですか。絶対おかしいよ。なんでね、これ超党派の合意があるんですよ」

ナレ「確かに進次郎議員のブログに書かれた通りのようです。しかし田中委員長のブログでは――」

滝川「(田中委員長のブログ代読)野党議員が質問時間について申し合わせの時間を守らず、さらに私からの10回にも及ぶ度重なる注意にも関わらず、強行採決をわざと仕組むような質問を続け、やむなく採決に移り――。言い分が全然違うと…」

ナレ「その言い分は正反対です。もう一度映像を見てみると」

田中「小泉君、時間が過ぎております。大幅に」

小泉「しかし大臣は全然質問に応えていません」

田中「小泉君、申し合わせの時間が大幅に過ぎております。ご協力下さい」

小泉「なぜ今日、この法案を――」

ナレ「確かに田中委員長のいうように進次郎議員は質問の持ち時間が過ぎ、なんども注意されているにも関わらず質問を続けます」

小泉「委員長、それおかしいですよ」

田中「賛成の諸君の起立をお願いいたします」

小泉「委員長、おかしいじゃないですか」


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ナレ「全く同じ場面が全く違う視点で書かれたブログ。これをもし片方しか読まなかったとしたら――。つまりネットの利用者一人ひとりが正しい情報の選択を突きつけられているのです。なぜならその選択が一票となり、私たちの生活そのものを変えていくのですから。取材の最後にこう聞いてみました」


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滝川「そもそも政治家はインターネットとどう付き合っていくべきかと、今後の課題として」

小泉「私は個人的には適度な距離感が欲しいです」

滝川「適度な距離感が…」

小泉「適度な距離感が。やっぱりインターネットは万能ではないから、そこから得られるもの、得られないもの、それはハッキリありますから。私はどちらかといったら新聞は紙で読みたいし、本も自分の手でめくりたいし。そういう時間を大切にしたい。だからインターネットというのは、ブログは使うしホームページも使う、でも最低限、自分は有効利用して、残る部分とは適度な距離を保ちたいなと。そういうふうに思いますね」

滝川「基本的にはやはりアナログな部分は大切にしたいっていうお気持ちなんですか?」

小泉「アナログ人間なんですね。追いつかないんですよ(笑)」


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滝川「わかりました。今日は本当にありがとうございました」

小泉「ありがとうございました」

ナレ「参院選までおよそ2ヶ月弱。ネット選挙というまだ見ぬ世界は間もなくやってきます」

(スタジオへ)

宮根誠司「政治家の方々にとってブログは欠かせないものになってますね」

滝川「これから主流になっていく形になると思うんですが、この国民が政治と直接接点が持てるのは非常に良い事だと思うんですよね。ただ、VTRにもありましたけど、事業仕分けで書き込みに反応していたシーンがありましたけど、そういうネット上の意見に過剰に反応したり、拙速に政治活動に反映するのはちょっと怖いと思うんですよね」

宮根「だからいろんな人のブログを見て、我々有権者が客観的にある部分は距離をおいて判断しないといけない」

森本敏「それはそうですけどね、客観的にって口でいいますけど、なかなか判断基準が難しくて、例えば1議員がね、自分の政治活動を説明するぐらいだったらいいけど、大臣ぐらいになったり党の幹部が自分の意見ということでネットでドンドン発信していくことについては、やっぱり色々重大な責任を負っているわけで、そこはキチッと基準を設けないといけないと。民主党でそういうことがあったじゃないですか。代表選挙…」

宮根「ただ、こちら御覧下さい(モニター内容は滝川さんが以下に)」

滝川「候補者の経歴、虚偽表示など違反した場合は罰則、そしてtwitterの利用、これが見送りになっているんですよね」

宮根「ブログはいいんですか?」

滝川「はい」

宮根「ブログはいいけどtwitterはダメ」

滝川「これなぜなら、第三者による“なりすまし”など誹謗中傷の危険性があるということで、ここは検討ということ、見送りとなっています」

山本博「ただあれですね。選挙に向けたね、人気取りのために一生懸命にインターネットを利用するんでは困るなぁと思いますね」

宮根「茉希ちゃん。非常に政治家身近に感じることは感じるでしょ。若い方だと」

西山茉希「そうですね。ブログとか誰でも見る感じになってますし、でも、その出ることによって見方が色々ある中で、出したくない自分のところを見られてっていうか、判断する人はどうにも思えるじゃないですか。だからそういうもので、求めているものと違う自分が出来上がったりもするかもですよね」

宮根「あんた偉なったなぁ、ずいぶん」

西山「(笑)」

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思ったこと。

■小泉議員と田中委員長の件の扱い方の粗さ。ナレーションでは小泉議員と田中委員長のブログを対比させて、どっちが?というニュアンスをもたせつつ「――ネットの利用者一人ひとりが正しい情報の選択を突きつけられているのです」というのはどうでしょう…。逆に言えばテレビメディアなら正しい情報の選択は突きつけられないということなのでしょうか。

一つの事柄について立場が異なれば見方も異なることは当然のことで「議事進行の原則でいえば田中委員長は間違っていない。小泉議員は引き伸ばしをしたし、それは議事進行を乱したと非難されてもやむを得ない。ただし、この委員会で採決された肝心の公務員制度改革については野党の主張を支持する」こういう見方も当然できるかと。国民にとって大事なのは、質問を伸ばした議員と、それを止めた委員長のどっちの言い分が正しいかではなく、採決された法案の中身でしょう。

そして、まさにその法案の中身を知ろうとするときに大手メディアが、この問題をしっかりと放送してたのか疑問です。今回も肝心の公務員制度改革には触れずに強行採決の映像だけを繰り返し流し、小泉議員と田中委員長のどっちが正しい?と単純化して選択を迫るこのVTRの方がよっぽど危ないなぁと思います。

加えて映像の作り方も、初めに委員長が小泉議員を制止する発言“なし”の編集映像と、小泉議員のブログでの言い分をセットで出す。その後に、ほぼ同じ内容に委員長が小泉議員を制止する発言を追加した映像と委員長のブログを出す。てっきり編集次第でどうにでも印象操作ができるテレビメディアの危険性の実験をしているのかと思いました。

■冒頭に小泉議員の「政治家も人間だと言うのを多くの方にわかって頂きたいなぁと」のコメント。これはおそらく、ネットに蔓延する誹謗中傷について質問したら、返ってきそうなコメントだと思ったのですが、これがその冒頭でしか使われていないので結局良くわかりません。文脈も質問も分かりません。

こういう本人の発言の意図が視聴者によく分からない使い方、意図と異なっても、メディア側の企画意図に沿った発言の部分だけをつまみ出したり、または単に演出上の都合で切り貼りした自己都合の映像ばかり流してきたことも、議員さん達がネットを活用し始めた理由の一端なんじゃないですかなぁと思います(^-^;)。


■テレビ朝日の「ドキュメンタリー宣言」と同じくアポなし直撃なんですね(多分また断わられたんじゃないかと…憶測)。

また長くなってしまいました…orz....