孫文の義士団 / 77点 / BODYGUARDS AND ASSASSINS | ゆるーく映画好きなんす!

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ゆるーく映画好きなんす!-孫文の義士団

カンフーアクション映画に於ける香港映画界の底力を見た!


『 孫文の義士団 / 77点 / BODYGUARDS AND ASSASSINS 』 2010年 香港/中国 138分


監督: テディ・チャン
アクション監督: トン・ワイ
製作: ピーター・チャン
撮影: アーサー・ウォン
スタントコーディ
ネーター:
谷垣健治
出演: ドニー・イェン /シェン・チャンヤン

レオン・ライ /リウ・ユーバイ

ニコラス・ツェー /アスー

ファン・ビンビン /ユエル

ワン・シュエチー /リー・ユータン

レオン・カーフェイ /チェン・シャオバイ

フー・ジュン /ヤン・シャオグオ

エリック・ツァン /シー・ミーフ

クリス・リー /ファン・ホン

サイモン・ヤム /ファン・ティアン

チョウ・ユン /アーチュン

ワン・ポーチエ /チー・チョングアン

メンケ・バータル /ワン・フーミン

カン・リー /チェンシャン
【満足度】

★★★★★★★☆☆☆(77点)

あまりにもベタな娯楽映画やけど、キチンとベタが出来てる映画っつーのは案外ないのだ!


【オススメ度】

★★★★★★★☆☆☆(75点)

娯楽映画とは何か?アクション映画の魅せ方とは何か?王道(ベタ)を解ってる香港映画の底力を見よ!


【内容】

□ドニー・イェン、レオン・ライ、ニコラス・ツェーはじめアジアを代表する豪華スターの競演で贈るサスペンス・アクション。辛亥革命前夜の香港を舞台に、王朝打倒を掲げる革命家“孫文”を守るため、西太后が仕向ける500人の暗殺団に立ち向かう名もなき義士たちの活躍を描く。監督は「アクシデンタル・スパイ」のテディ・チャン。

◇清朝末期の香港。そこに、腐敗した王朝の打倒を掲げて立ち上がった男、孫文が日本からやって来るとの極秘情報がもたらされる。目的は、中国各地の同士たちと武装蜂起へ向けた協議を行うため。孫文を亡き者にしたい西太后はこのチャンスを逃すまいと500人もの暗殺団を送り込む。そこで、孫文を守るための義士団が結成される。集められたのはスパイとして働く警官や車夫、ワケありの物乞いなど市井の民たち。彼らに課された使命は、孫文の影武者と共に囮となり、会談が終わるまでの1時間を500人の暗殺団相手に戦い抜くというものだった。【allcinema 】


【感想】

中国で歴代興行収入記録のベスト10に入り、40部門近い映画賞を受賞したという『孫文の義士団』を観てみました♪

いやー、よく出来た娯楽映画ですなー♪

完全にベタな娯楽映画なんすけど、ここまでキチンとベタが出来てる映画っつーのはなかなか無いっすよ!


どこぞの映画みたいに、ベタをやろうとしてるにもかかわらず、ベタが何かを良く解ってないんで、ただただグダグダになってもーてる作品は山ほどあるけどwww


◇◆◇


【ある意味ネタバレですが、アクションシーンの解説なので、読んでから観ても大丈夫やと思います】


娯楽アクション映画のベタを解説いたしまする!ま、自分の知ってる知識内の基礎中の基礎話なんで、解説というほどのもんでもないんすけどねw


どのシーンをとっても、この映画は基礎が完璧に近いんすけど、一番好きなホームレス(レオン・ライ)のリウが、鉄扇で戦うシーンについて書きます♪


まず、ファーストカットで、レオン・ライ、階段、階段横の家、石畳を、"引きの画"で観客に見せることで、いつも自分が言ってる、距離と位置関係を一瞬でまず認知させるんすね!


そして、1カットだけでは完全に位置関係を把握するのは難いんで、リー達が階段を登って家に入り、さらに階段を登るまでを丁寧に見せることで、どこに彼らが居てるのかを完全に観客に把握させるひと手間を入れてるんすね!室内の階段は左から右に登ってるということは・・・ってことです((φ(・д・。)ナルホドネ♪


そのひと手間が非常に大きくて、それは"静のリウ×動のリー達"という対比にもなってて、そこから今度は"動のリウと静のリー達"へと転換していくことで、観客の集中を、リウへと向けさせるという効果もあるわけですな♪


空間を観客に把握させつつ、さらなるアクションシーンへの観客の再集中への間にもなってるわけですがな♪


そして、さらに憎らしいのが、10分堪えろ!っと、時間をさらに区切りよるんよね~(°∀°)bクッ~!

1時間の時間稼ぎの中のさらに10分の時間稼ぎ!(※これで時間と距離と空間!全てが出てきたですなー♪)


そして、チェンが時間を確認するために取り出した懐中時計のガラスは、真っ赤な血に染まっていて、それを拭って時間を確認するというベタ小技がまた効いてるんよねー!(※声が聞こえるので窓を閉めるというのも上手い!)


そして、ここからリウのアクションシーンへと入っていくんやけど、この時点で、観客は、"時間"と"空間"を完全に把握してるんで、リウが何をしないといけないか?敵に何をされてはいけないか?がハッキリとわかってるんで、なんの戸惑いもなく集中できるように出来とるわけですなー((φ(・д・。)


例えば、階段以外のところを登ろうとする敵、なんつー場面は、あ!ヤバイ!って観客がキチンと解るんすね!


うん、素晴しいアクションシーンですな~ヽ( ´ ▽ `)ノカンペキじゃねーか~


で、ここでさらに注目してもらいたいのが、ベタとしてのキャラ付けのカンペキさっつー部分なんすけど、このアクションシーンに於いて、キャラ背景を深く描いてあるのは、もちろんリウ(レオンライ)だけなんで、このシーンの見せ場は、味方側だけのドラマだけで構成してるんすね♪


せやから、このシーンにケリをつけるのは、当然あのキャラになるわけですな~


意味無く、アクションシーンの為だけの敵キャラを作るなんつーことはしないんすね!(ガンツくん!あなたの制服キャラのことを言ってるのですよ!なぜあの魅力的なキャラにフリ/背景を入れておかないんだ!)


それが、王道娯楽映画であり、それがベタ映画なんすね!見せ場のあるキャラはキチンと人物背景が描かれるのです!!!だから魅力的なキャラは、魅力的に散るのです!!!そして観客の記憶に残るのです!!!


◇◆◇


素晴しく娯楽映画の基本を抑えてあるので、この映画のカラー(というか香港映画のカラーかなw)とも言える、"なかなか死なない&なかなか殺さない"というムリを通せるんすね((φ(・д・。)通せてるのか?


あまりにもベタすぎるキライはあるけど、王道娯楽アクション映画を、ここまでキチンと作ってくれてたらOKです♪


それにしても、カンフーを土台にしたアクション映画の香港映画界の底力を観たような気がしたっすね!!!


あ、あとゆーても"革命映画"である本作が中国で大ヒットっつーが深いねぇ~♪


個人的満足度 77点! オススメ度 75点!


◇◆◇


↓孫文を守る!
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↓1時間!
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↓友の為
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↓愛の為
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↓男たちは
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↓戦う!
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むちゃくちゃ"ベタ"の勉強になる映画ですな~♪

どうせなら、こういう"出来てる"映画が日本で大ヒットして欲しいよな~・・・