2006年7月、レベージャ監督は、32歳の若さで自ら命を絶った・・・
『 ウィスキー / 73点 / WHISKY 』 2004年 ウルグアイ/アルゼンチン/ドイツ/スペイン 94分
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★★★★★★★☆☆☆(73点)
どことなくカウリスマキ作品に似ている。しかしカウリスマキよりも淋しげに感じたのは自分だけやろか?
【オススメ度】
★★★★★★★☆☆☆(70点)
たんたんとした映画なので、そんなに一般受けはしないかな?ジャームッシュとか好きな方はどうぞ♪【内容】
□これまでに60本の映画しか製作されていないというウルグアイでつくられ、カンヌ国際映画祭や東京国際映画で評判を呼んだヒューマン・コメディ。小さな靴下工場を経営する年老いた男と突然帰郷した弟、経営者に頼まれ偽装夫婦を演じることになる中年女性従業員、ひょんなことから奇妙な共同生活を送ることになる男女3人が織りなす人間模様をペーソスを交え、ほのぼのかつオフビートなタッチで綴る。監督は本作が長編2作目となる新鋭コンビ、フアン・パブロ・レベージャとパブロ・ストール。
◇ウルグアイのとある町。父親から譲り受けた寂れた靴下工場を細々と経営する初老の男ハコボ。彼の工場には控えめで忠実な中年女性マルタも助手として働いている。長年一緒に仕事をしている2人だったが、必要最低限の会話以外とくに言葉を交わすことはなかった。そんなある日 ̄年前に亡くなった母親の墓石の建立式のため、疎遠となっていたハコボの弟エルマンが訪れてくることに。そこでハコボは不意に、弟が滞在する間だけ夫婦のフリをして欲しいとマルタに頼み込む。彼女は仕方なくそれに同意し、2人は早速準備に取り掛かるのだったが…。【TSUTAYA DISCAS 】
【感想】
東京国際映画祭でサクラグランプリを獲ったことで、ちょっと前(2004年、6年前、ちょっとやないかw)に話題になってたウルグアイ映画の『ウィスキー』を観てみました。
うんうん(・~・)・・・普通の映画やね・・・いや、普通というかなんてことない日常の映画やね・・・日常の映画ということは、それは非常に寂しい映画やということやね・・・
普通の日常は、誰もが寂しいもんやからね・・・
だからそれは、寂しいというか、要するに日常であって、普通なことなんよね。
◇◆◇
「寂しさ」とは、何なんだろう?
それは決して前向きな感情ではないが、決して後ろ向きな感情でもない。
それは決して悲しみや痛み、苦しみのような負の感情ではない。
それは常に人間の傍らに寄り添うものであり、空気のように日常の中にあるもの。
それは決して人を傷つけたりしない。
それはやさしさを内包するから。
寂しさはやさしさを育てるから。
なのに寂しさは人を殺す。
寂しさはやさしい人間を殺す。
「寂しさ」とは何なんだろう?
◇◆◇
なかなか興味深い映画やったので、他の作品を検索してみたら・・・
Rebella shot himself in 2006 at the age of 32.
の一文が・・・
3作目のスクリプトを準備中に、部屋から遺体が見つかったということやから、本当に自ら命を絶ったのかはわからへんけど、この若さで、ここまで「寂しさ」を描けるということは、もう「寂しさ」に飲み込まれていたのかもしれない・・・
個人的満足度 73点 オススメ度 70点
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↓寂れた靴下工場ではたらく社長の親父と、従業員のおばさん・・・
↓様々な想いを胸に、一時的に夫婦を演じることに・・・
↓3人で休日を過ごすうちに・・・
↓だんだんと距離は縮まり・・・
↓そして・・・
非常に淋しい映画やけど、非常にやさしい映画でもあった・・・