大ガミラス帝国の誇り高き絶対君主であるデスラー総統ですが、屈辱に塗れたことも多々あります。しかし、そのことが逆に人間として深みが出て偉大さに拍車が掛かるところがデスラーのデスラーたる所以でしょうかネ。

デスラー総統はヤマトに破れガミラス本星は壊滅。そのヤマトに乗艦ごと吹き飛ばされ宇宙を漂流していたデスラー総統を救出した白色彗星帝国に臣下の礼をとりました。しかし、どんな逆境にあっても不撓不屈の精神で勢力を盛り返すデスラー総統に再び試練が訪れます。

それが暗黒星団帝国です。暗黒星団帝国は同時期に宇宙を席巻した白色彗星帝国に劣らない科学力と勢力を誇っており、マゼラン方面軍第1艦隊だけでもガミラス残存艦隊を上回る規模でした。

故あって第1艦隊はヤマトに処理して貰いましたが(詳細は「ガミラス残存艦隊が暗黒星団帝国第1艦隊に敗北した謎」を参照)、マゼラン方面司令官メルダーズ乗艦の自動惑星ゴルバにより正真正銘の窮地に立たされます。

暗黒星団帝国は戦艦以上の艦艇の装甲が非常に強力であります。第1艦隊旗艦プレアデスは戦艦を1撃で轟沈させる能力のあるヤマトの主砲にビクともしませんでした。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ゴルバ対デスラー砲そしてこの自動惑星ゴルバの装甲はデスラー砲を完璧に防いで見せました。西暦2201年時点でこれは快挙ともいえるテクノロジーです。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-上部ミサイル餌食←ゴルバの上部ミサイルにより唯一の残存艦である三段空母はドメル式急降下爆撃機共々葬られ、最大最強の決戦兵器であるデスラー砲も通じず、万事休しました。




このゴルバを駆るメルダーズにあろうことか、惚れた女性であるスターシアの前でガミラスの科学の粋を結集したデスラー砲を「そんな石コロ」と馬鹿にされた挙句、ゴルバ最大の武器、主砲α砲をスターシアのいるイスカンダル星マザータウン近辺に打ち込まれる始末でした。
$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-デスラー歯軋り
←ゴルバの前になす術がなく歯軋りするデスラー総統

誇りを傷付けられ、己の無力さにも苛立つ珍しい光景。
この屈辱が後の飛躍へと繋がる。


事ここに至りデスラー総統は乗艦であるデスラー戦闘空母でゴルバの主砲に突っ込むしかスターシア救出の手立てはありませんでした。

結局見かねたスターシアがゴルバを道連れにイスカンダル星ごと自爆することで幕引きとなりました。デスラー総統にとって正に最悪の結末でした。屈辱と悲しさとで気が変になる位の辛苦を味わいながら気丈にも、古代にガミラス復興を宣言しデスラー総統は旅立って行きます。正に「新たなる旅立ち」です。

しかし、目標達成するにはクリアしなけらばならない課題が先の戦いから生じています。それが所謂「ゴルバショック」です。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-デスラー驚愕メルダーズの言葉には屈辱を覚えたもののデスラー砲が通じない装甲の存在には正直驚きを隠せなかったデスラー総統。

←デスラー砲にビクともしないゴルバを見て驚くデスラー総統と副官タラン

ガミラスの再興、そして宇宙制覇も視野に入れているデスラー総統としては更なる技術革新の必要に迫られた訳です。確かに新鋭艦や新型機等は怠りなく常に開発されていましたが、どんな攻撃も受付けない強大な敵の存在・・・とりわけデスラー砲にこだわりのあるデスラー総統としては、新型デスラー砲の開発は急務となりました。

そのコンセプトは如何なる装甲をも吹き飛ばす強力無比なるモノであったことは想像に難くありません。デスラーの名を冠する兵器だけに絶対的であることが求められたのです。

そこでまず取組んだのが、暗黒星団帝国のテクノロジーの結晶であるゴルバやプレアデスの装甲の回収でした。プレアデスは特別な反応を起こしてしまう波動砲により吹き飛ばされたので残骸の回収は不可能でした。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ゴルバ轟沈しかし、自動惑星ゴルバはイスカンダルの爆発に巻き込まれる時の様子を見ると、破片を撒き散らしながら爆発している姿が確認出来ます。





先ずはこのゴルバの破片を徹底的に解析することから取り組み、波動エネルギーに反応しない組成で装甲を造り直しました。後にガルマンガミラス東部方面軍基地要塞や新型デスラー艦(三代目)の装甲にこの新装甲が用いられたのではないかと思われます。もちろん東部方面要塞内部には独自技術の空間磁力メッキも使用されたましたので、新型デスラー艦には、この新装甲と空間磁力メッキが併用されていることでしょう。

これらの頑丈な装甲を装備出来たのは、ハイパーデスラー砲開発の為、同砲の的となるべき装甲研究を繰り返したことの副産物といえるでしょう。

ゴルバの強固な装甲、空間磁力メッキ(真田版)の反射により痛い目に遭わされたデスラー砲。それをモノともしない究極のエネルギー砲としてこれらを打ち破るべく何度となくゴルバ型装甲を相手に実験が繰り返され、遂に完成したのがハイパーデスラー砲なのでした。

その余りの出力量から、ハイパーデスラー砲を搭載した新型デスラー艦(三代目)は巨大な要塞サイズとなりました。その他の艦艇も一様に大型化してますが、高機動力を好むデスラー総統(迅速な展開と奇襲戦法)のことですから、同艦は巨体に似合わず機動性も高かったと思われます。新型デスラー艦はブラックホール砲に打ち勝つ推力があったことから間違いないでしょう。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-新型デスラー艦1また巨大戦艦の建造は他勢力に対抗するだけでなく、高度な技術力を証明し、それを誇示する意味もありました。

←従来のデスラー艦とは全てにおいて趣の異なる新型デスラー艦


そしてデスラー総統の意地と誇りを掛けて開発されたハイパーデスラー砲の前に絶好の獲物が現れました。デスラー砲艦のデスラー砲一斉掃射が効かないゴルバ並の装甲を誇る宿敵ボラー連邦ベムラーゼ首相乗艦の機動要塞ゼスパーゼです。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ゼスパーゼ溶解ハイパーデスラー砲の直撃を受けたゼスパーゼは腐ったトマトの様に変形・変質し、溶解しながら消し飛びました。あれだけの数のデスラー砲をモノともしない装甲を貫くだけでなく溶かしたことから威力だけでなく様々な仕組みがありそうです。

というのもゴルサコフ艦隊を葬ったときの現象は凄まじく、艦隊にハイパーデスラー砲が命中した瞬間、広大な範囲に火炎が広がり赤い閃光が周辺宙域を覆い尽くしました。

またゼスパーゼは要塞丸ごと、ゴルサコフ艦隊は艦隊ごとハイパーデスラー砲に呑み込まれています。同砲は拡散しているわけではなく、映像を見る限り火線が円錐状に広がっていくわけでもありませんでした。

機動要塞・ゴルサコフ艦隊に命中するまでは普通に火線が一直線に伸び、命中した瞬間に広大な範囲に閃光が広がり、閃光の中にあるものを焼き尽くし溶解させるという破壊力だけでなく、大艦隊をも1撃でその宙域ごと呑み込み葬ることが可能な代物であることが映像から判明しました。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ハイパーデスラー砲プラズマ←ハイパーデスラー砲発射直前の様子。従来のデスラー砲や波動砲には見られない円形や稲妻状の閃光がほとばしっているのが確認出来る。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-Hデスラー砲射線1←ゴルサコフ艦隊へ放たれたハイパーデスラー砲の火線。拡散したり火線が円錐状に拡がっていくことなく一直線に目標へ伸びていることが確認出来る。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ハイパーデスラー砲閃光←ゴルサコフ艦隊に直撃した瞬間、凄まじいまでの火炎と閃光が広大な範囲の宙域を呑み込む。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ハイパーデスラー砲閃光2←ハイパーデスラー砲の放った閃光は隣接宙域で戦闘中のコスモタイガー隊の周囲も赤く染め上げた。






このハイパーデスラー砲の凄まじさは、最早デスラー砲の強化版という範疇には収まりません。破壊力において究極の域に達した感のある決戦兵器を手に入れたデスラー総統。本来はヤマトにより既に滅ぼされてしまった暗黒星団帝国に喰らわしたかったことでしょう・・・

しかし新たな課題も出ました。それはブラックホール砲を連射され、ハイパーデスラー砲を撃つタイミングが揚羽の特攻まで無かったことです。

ガルマンガミラス帝国は技術革新によりデスラー砲は充填時間が無くなり、その上連射が可能となっていましたが、その技術を今後、ハイパーデスラー砲に反映させる必要性に迫られる形となりました。

そして翌年のディンギル戦においてプレ・ノアを葬った新デスラー艦(二代目)の放ったデスラー砲は砲撃戦の最中、充填することなく放たれました。映像からは、これがデスラー砲なのかハイパーデスラー砲なのかは判別出来ません。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-プレ・ノア轟沈←ハイパーデスラー砲?の直撃を受けるプレ・ノア

この直後、映像はプレ・ノア艦内のルガール大総統へと切り替わった為、検証不能に・・・



しかし、技術革新の目安の1年経過していること。デスラーの座乗艦が旧来のデスラー砲搭載では親衛艦隊のデスラー砲艦と差がないこと。ゴルバの教訓をデスラーが忘れることは考えにくいことから、小型化に成功し尚且つ充填不要となった改良型ハイパーデスラー砲であると推測されます。 

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-新デスラー艦ディンギルデスラー総統は新デスラー艦にも思い入れがあったようで、強力な新型デスラー艦を建造したにも関わらず、再建造されていることからデスラー総統の肝いりで造られたものと思われます。 




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